三十路の食卓

食事の記録・食にまつわるあれやこれや
かっこいいごはんも いいかげんな飯も 全ては私のリアリズム(おおげさ)

フライデー解放パン

2012-06-05 23:34:18 | 食日記
〈5月11日の食事〉
朝:かぼちゃとブルーチーズのマッシュのせトースト コーヒー
昼:hive cafeのごまベーグルにスライスチーズ 三浦屋で買った温野菜サラダ
夜:妹と。トマトのフェットチーネ セットサラダ コーヒー @パスタの店 SPIGA・飯田橋店

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昼食の用意を持ってこなかったこの日。

職場から10分ほど離れたカフェに、ベーグルを買いに。
その足で駅ビルに入ったスーパーに寄り、ベーグルに挟むためのチーズと、付け合わせのサラダを。
職場に戻って、100円ショップで買った切れ味の悪い果物ナイフで、強引にベーグルを真っ二つに。
チーズは豪快に3枚。
にんまりとがぶりつく。

職場が今の場所に引っ越す前、あるいは一人暮らしをしていた頃はよくやっていたような食事だ。
職場が引っ越してパン屋が至近距離にはなくなり、そして二人暮らしを始めてから食事をまめに用意するようになり、あまりやらなくなったと気付く。

口いっぱいのベーグルと同時に味わうのは解放感。
毎日お弁当がある暮らしは健全で便利だし経済的だが、「ねばならぬ」で用意するのは時として疲れるものだ。
また、世の中が昼食ピーク時の外食も、色々と骨が折れる。

この日は同居人の食事を用意しなくてもよく、だったら私も面倒だからいいや、と弁当作りをしなかったからこうなったのだが。
時にはこうやって上手く手を抜こうと思ったのであった。

彼女の食卓

2012-06-05 21:15:49 | 食雑記
〈5月10日の食事〉
朝:かぼちゃのマッシュのせトースト コーヒー
昼:お弁当(白米、エビチリ、にんじんしりしり)
夜:卵パン、焼きカレーパン(以上二点、セブンイレブンで購入) 豆乳

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5月10日当初はおそらくそんな見方はされておらず、これを書いてる6月5日はそろそろ沈静化が見られるといった、タイムリーと言うにははばかれるようなことについて、少し。

彼女は騒動の当初、「二股をかけられた可哀想な、けれど気丈な人」としてメディアに認識されたと思う。
それがいつしか、「ちょっとありえないんでは」という、本業=料理での姿の方が着目されるようになった。

衛生面に関する「ありえない」は、確かに私もどうかと思った。
特に、五円玉をおはぎに埋めたり、バウムクーヘンを床に直置きして写真を撮ったり、という辺りは。
だが、色彩感覚や盛り付け、または食材の組合わせに関する「どうしたものか」に関しては、なんだか身につまされるようで、居心地悪くなってしまったのである。

そのとき、こわいもの見たさで覗くなんて悪趣味だなあ、と思いながら、彼女のブログに載っていた料理写真を見ていたのだった。
そのうちのひとつに、黄緑色の何かにまみれたホタルイカがあった。
ややグロテスクな見た目にゲゲッと思いながらも、その料理の詳細を読む。
バジルペーストで和えたホタルイカ、とあったのであった。

それは、見た目の上では確かにグロテスクなのである。
だがしかし、待てよ。
バジル味のホタルイカってことは、不味いどころか結構美味しいんじゃないだろうか。
見た目と味の乖離。
それに思い至り、ううむと頭を抱えてしまった。

料理をする人は、同時にその成り立ちも追う人である。
途中で味見をし、駄目な点があれば軌道修正を行う人でもある。
こうした過程を経て出来上がったものが食卓に置かれる際は、その人にとって美味しいもの、少なくとも不味くはないものになっている筈だ。
特にそれが、プロの仕事であれば。

また、制作には立ち会わなくてもそれを食べる人は、味に沿うリアクションをもってしてその食べ物を迎える筈である。
たとえ見た目に難があっても、その場には「美味しそうな匂い」があるからだ。

つまりは実際に食べる人にとっては何ら問題なくても、「これとこれの組合わせだから不味くなりっこない」という理屈も、匂いによるもうひと押しも、見た目次第では全部無効になりかねないのだ。

また彼女のブログの写真はおそらく彼女自身が撮影したもので、光の回り方からしても少なくともプロのカメラマンが撮ったものではないだろう。
盛り付けや色彩感覚のうんぬんの前に、まず写真が味方していないなと思えるのだ。
くだんのホタルイカも、プロが撮った写真であればこうもグロテスクには見えなかったのでは。

翻って。
まったくもって料理人でもない個人の趣味の範囲であるし、規模だって段違いだが、私もまた自分で作ったものを撮影し、こうしてブログという形で晒している身。
失敗もあるにせよ、味以上に不味そうに撮れてないか。
いかにも美味しくなさそうなルックスをしていないか。
冷静に客観視する必要があると思ったのである。
恥以上に、見てる方に不快感を持たせてしまっては失礼だ。
また外食の際にも気を付けないと、不味そうに撮れてしまったのをブログに上げたら、ネガティブキャンペーンになりかねない。

見る人は、ほとんどがそれを食べてはいない人。
肝に命じてこのブログを続けようと思う。

嘆きのブルーチーズ

2012-06-05 08:34:43 | 作りました。
〈5月9日の食事〉
朝:ブルーチーズとハチミツのトースト コーヒー
昼:お弁当(白米、ゴーヤと豚肉の炒めもの、卵焼き、キャベツコチュ和え)
夜:フルーツグラノーラ+ヨーグルト スモークチーズ

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青山のファーマーズマーケットで買ったハチミツが、当たりなのであった。
「海辺ラベンダー」という詩的な名前のついた(って、実際そんな場所で採集されたんだろうけど)それは、味わいもまた可憐。
といってもそんなに味の差が分かる人間でもないのたが、実は苦手だなと感じるハチミツが多く、普段から好き!と思えるハチミツがあまりないのは確か。
単体でも味わえるって、そうそうないことなのである。

そんなハチミツと出会えたなら、これを試さないわけにはいかないだろう。
ブルーチーズとの組合わせである。
これとの組合わせに限っては、どんなハチミツも好きなのだから、うまいハチミツでやったらさぞかしなものだろう。
とはいえ朝だ、それだけ用意して、酒が飲みたくなっても困る。
ならば以前出前をとって美味しかったピザよろしく、ピザトーストとして対峙しよう。

そのピザは、ブルーチーズ単体が使われていたわけではなかった。
ブルーチーズを始めとする数種の混合チーズである。
けれど他のチーズはないし、同じものを作りたい訳ではないからまあいいかと、先を進める。
ブルーチーズは室温で戻していたものの、それでもまだパンに塗りたくるには固い。
トーストして溶けて広がるのを狙い、ダイス状にカットしたものを食パンに乗せ、オーブンで温めることにした。

今にして思えば、トースト後に乗せて、余熱で溶けるのを期待すればよかったのだ。
ブルーチーズもろとも過熱するとどうなるか。
といえば、匂いもまた熱と共に広がることを意味する。
ブルーチーズの匂いが大丈夫な私すら、ちょっと臭いなと感じるほど。
また、まんべんなく薄く塗ったときに比べたら、ダイスで置いてしまうとどうしたってパン一枚に対してのチーズの量が多い。

結果、みだりにしょっぱくて臭いトーストが出来上がってしまった。
そういえば、味も匂いも、温度が高い方が感知しやすいんだっけ、と思い出す。

それでもまあ、美味しいと思う組合わせである。
過剰ではあるけど、まあ美味しいベクトルは向いているよ。
ハチミツも沢山使わないと太刀打ちできないけど。
更にいえば、合わせるのはコーヒーじゃないけど。
ビールだったらバッチリだなあ。
言い聞かせるように完食する。

本当の悲劇はこれからだった。
のそのそと起きてきた同居人が、キッチンのそばを通るなり、「なにこれ!?」と顔をしかめる。
…そうだ、この人はブルーチーズの臭いが嫌いなのであった。
もうトーストは私の胃の中だったが、嫌いな人には残り香だってたまらないに違いない。
だって、温められた空気に乗って蔓延してるもの…

「いやね、ブルーチーズを使ってトーストをね…」と弁明したときの、彼の嫌そうな顔と、遠巻きにしか確かめようとする様は忘れられないだろう。
うん、私が悪かったよ、ごめんね、もうしないよ、だって私もきつかったもん…

苦笑いで場を濁しながらも、脳裏を横切るのは紛れもない本音。
されどこのまま引き下がるのは悔しいので、どうにか改良点を加え、ブルーチーズとハチミツのトーストを完成させたいと思っている。