輸送包装研究室

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「白い巨塔」の実態

2013-10-21 15:31:50 | 日記
先日、ベストセラー作家の山崎豊子さんが亡くなられました。
彼女の代表作のひとつである「白い巨塔」・・・・
大学教員の人事を巡る駆け引きが生々しく描かれています。
医学部のことはよく知りませんが、理系の大学教員のプロモート(特に教授昇進)
で重要なのは、研究成果、つまり論文の実績です。
ここでいう「論文」の定義ですが、いわゆる学会や出版社が発行している学術雑誌に
未発表の研究成果をまとめた全文(断片的な成果ではなくある程度まとまった成果が得られた)もので、
査読委員によって厳正に査読され、審査委員会によって「雑誌掲載可」となったもののみです。
従って、単に口頭(ポスター)発表したもの、要旨のみ、審査のない報文などは
「論文」ではありません。つまり、日本包装技術協会の研究発表大会に発表したところで、
業界への波及効果が大きくとも、プロモート上は何の加点要素にもなりません。
国内の「包装」のついた雑誌では、「日本包装学会誌」の中の「一般論文」のみが評価対象です。
ただし、論文はその数と質も同時に評価されます。質の評価は、多くの場合、
論文の内容そのものではなく、掲載された学術雑誌のインパクトファクターが重要です。
インパクトファクターの定義は各自で検索されてみてください。
もちろん英語で記述されていないと、時として0点になることも…
ということで、われわれ大学教員は、たまには日本語で国内の学会または技術協会等で
発表したり、全文審査のないカテゴリーに報文を発表する(修士院生による成果発表の速報という観点から)
ことはありますが、それらを研究実績と他分野から評価されないことを承知の上で行っています。
その他、大学のプロモートには「白い巨塔」に勝るとも劣らない、ドロドロとしたところがあるのかもしれません。
ご興味ありますか????