輸送包装研究室

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製品衝撃強さ試験の普及と精度向上

2021-09-09 09:35:48 | 日記
輸送包装研究室で研究活動をしてきた成果について博士論文の12編目が提出されました。

タイトルは「適正包装のための製品衝撃強さ評価に関する研究」です。

製品を輸送する際、輸送中の破損を防ぐために緩衝包装がなされます。

適正な緩衝包装をするためには、「輸送中の荷役による包装物の落下衝撃レベル(落下高さに換算)」、
「包装内容物(製品)の衝撃強さ」、「緩衝材の緩衝特性」を定量的かつ精確に評価することが必要不可欠です。

製品衝撃強さを評価するための試験方法は、1964年にR.E Newtonにより考案され、JIS Z 0119およびASTM D3332に
規格化されていますが、試験方法がやや複雑で、製品試料を複数個破損させる必要があるなどの理由によって、
試験が頻繁に実施されているとは言えません。

製品衝撃強さを精確に評価せずに緩衝包装をすることによって、欠陥包装や過剰包装となります。

そこで、緩衝包装を適正化することを目的として本論文では、まず製品衝撃強さ試験を普及させるために、
簡易に実施できる製品衝撃強さ評価法を構築しています。

さらに、試験で得られる製品衝撃強さ評価値の統計的処理について提案することで、緩衝包装設計手法として
確率的な考え方を導入しています。

以上の内容についてまとめられた博士論文について、電子データが公開されるまで今しばらくお待ちください。
上記のタイトルで検索すれば、神戸大学のデータベースにヒットすると思います。