輸送包装研究室

輸送包装関連情報の発信

追試

2023-08-29 13:42:08 | 日記
大学で「追試」とか「再試」というと、単位を落としたら留年や卒延しそうで
何とか担当教授に「どうにかなりませんか・・」なんて拝み倒したことを思い出すのでしょうか・・・?

一方、研究に関していうと、ある研究成果に対してそれを読んでくださった方が「追試」していただき、
その研究で得られた成果を再確認していただくことも意味しています。

7月に行われた日本包装学会の年次大会口頭発表にて、我々の研究グループで数年にわたり検討してきた
簡易型振動試験装置を用いた包装内容物のダメージ評価について、ある会社の包装技術部門での「追試」
事例が報告されました。

その結果、我々がこれまで主張してきた成果がそのまま応用されていて、我々にとっては
「これでようやくちょっとだけど世間様に認めていただいた」んだと、嬉しい瞬間でした。

研究成果は学会発表で終わりではなく、発表がスタートであり、成果を多くの方々に
知っていただき、その成果を使っていただく地道な取り組みが必要なんだと改めて
確認できました。




学会誌編纂:とにかく論文を書くんだ!

2023-07-03 13:25:28 | 日記
気が付けばブログを始めてから10年、そろそろ休止しようかと思いつつ、またまた朝ドラネタから・・・

明治初頭に植物学会が組織され、主人公が「植物学雑誌」なる学会誌の編纂を請け負います。
石版印刷技法を習得したり苦労して創刊号の完成をみるのですが、その最中で、
巻頭言を頼む場面や、編集後記で偉い先生をヨイショシしたり・・大変です。

ちょっとお手伝いしている日本包装学会でも学会誌が刊行されていますが、
いつの時代も学会誌編集には苦労が絶えません。

植物学教室の学生たちに教員が「とにかく論文を書いて学会誌に載せるんだ!」と気合を入れたりする場面は、
さながら現代の大学の研究室と何ら変わらない情景・・いつの時代も、成果が出てるのを待って論文を
書くのではなく、論文の締め切りにあわせて研究を進め、ちょっと強引かもしれないけど、
とにかく気合で!論文は出来上がっていくのです。

これから主人公の研究成果を、あろうことか教授が横取りするかもしれないと連想させ、
ますます目を離せない展開になってきましたね・・・

幸運の証

2023-06-02 14:20:45 | 日記
久々の朝ドラネタから・・・先週のお題は「シロツメグサ」、クローバーでした。

4つの葉があるクローバーは「幸運の証」、
縁起がいい!から探したことがあるかもしれません。

江戸時代、オランダから運ばれてきたガラス製品を守るため、
箱の中に「詰め物」つまり緩衝材として持ち込まれたことが発端で急速に全国に広まったそうです。

確かに、クローバーの根は強く複雑に絡まっていますから、
なんとなくガラスが割れるのを防いでくれそうです。

それは今でいうところの「バラ緩衝材」ですが、その緩衝効果を測る試験方法もあります。
20年以上前のゼミ生がいろいろな種類の「バラ緩衝材」の性能評価試験をしていたことがあります。

しかし「幸運の証」である「詰め草」までは評価対象としていませんでした。
どれくらいの緩衝効果があるのでしょうか・・・・?

生成AI(ChatGPT)がレポート課題で「優」を獲る?

2023-05-02 15:32:59 | 日記
ChatGPTをはじめとする生成AIが急速に普及しています。

大学の講義ではよくレポート課題を出して、成績に反映させるのですが、
レポート課題を安易に設定してしまうと、生成AIに頼り切ったレポートが提出されてしまう
ことが懸念されます。

試しに数年前に学生たちに課したレポート課題を生成AIにやらせてみると
「不合格にはできないそこそこの文章」が出てきて、厄介です。

学生オリジナルのレポートを提出してもらうためには、レポート課題設定に注意しなければ
いけません。

輸送包装に関するレポートは、「現物・現場を観ることでしか作成できない題材」を設定しやすい
とも言えますが、それとて大量の画像データとパッケージングに対する消費者目線の感想など、SNSでも
容易に目にすることができますので、AIに現物画像を与えれば、それなりのパッケージングの評価を下すことが
出来てしまうのかもしれません。

ちょっと困ったことになりそうです…

車の両輪

2023-01-31 13:14:39 | 日記
博士と技術士・・・・

いろいろな技術分野の研究開発の現場でいずれも先達となる「車の両輪」であることは間違いありません。
輸送包装分野でもその両輪を手にしている方の登場を待ちたい気持ちです。

先日、輸送包装分野の技術士として長年ご活躍され、小生がとてもお世話になった方が残念ながらお亡くなりになり
非常にショックを受けています。まさに日本の象徴「富士山」のように仰ぎ見る方でありました。

その方とはコロナ禍によって最近お会いする機会がなかったのですが、今年4月の技術士包装物流会の会合で
スピーカーをお受けしたことから、また親しくお会いすることを楽しみにしていました。
プレゼンテーションの構想をしていた最中で訃報を受け、戸惑うばかりです。

当方のプレゼンを聴いていただくたびごとに、いつも「喝!」と「激励」をいただいていたことを
改めて思い出されます。

4月のプレゼンのタイトルを・・・
「壊さず運ぶためにー輸送包装の力学的研究ー」
と題して、当方の四半世紀を振り返りながら、これからの研究の方向性を見定めていくきっかけにして、
天国からの「喝!」をいただけるように、しっかりと準備していこうと思っております。

・・・合掌・・・