小寄道

日々生あるもの、魂が孕むものにまなざしをそそぐ。凡愚なれど、ここに一服の憩をとどけんかなと想う。

toeと結婚記念日

2016年03月14日 | 日記

 

 

私たちの結婚記念日は3月12日。東日本大震災が起きた日の翌日である。そう5年前から、素直に記念日を喜ぶ雰囲気は失せてしまった。正直のところ、気分晴れやかにとはいかない。このブログにも、3月11日の追悼文を書いた。不謹慎とは思わないが、手放しで悦ぶムードにはなれない。

しかし今年の12日は、私の好きなバンドtoe(トー)のライブがあり、去年の時点で予約は済ませていた。この日のライブ日程も、彼らの何かしらの思惑があると思った。「変わるものと変わらぬもの」という単独ライブは年1回のツアーで、今年で10回目を迎える。私としても年齢的に最後かなと感じ、今回はどうしても行きたかった。また、12日の結婚記念日にあわせて、妻も同行したいというのでチケットは2枚とっていた。

会場は恵比寿のリキッドルーム。早めに着いたので、恵比寿駅界隈を散策することにした。ガーデンプレイス側は何度も行っているが、西口は10年以上もご無沙汰である。駅ビルは相当に変わったが、外に出たら風景は以前とそれほど変化していない。老舗の洋食屋「チャモロ」は、だいぶ古くなったが健在だった。

妻の提案で、結婚式をした教会に行くことになった。駅から近くだったので迷うはずはないと思ったが、当の教会近くで分からなくなった。何十年前もまえのイメージで私たちは探していたのだ。朽ち果てたような古風なプロテスタントの教会は、なんとすっかり見違えて、まさかと思う目の前の大きな建物に改築されていたのだ。

「聖徒教会」という名前が輝かしくおもえる、モダンで飾らない建築。玄関わきの看板を見ると、牧師様の名前が違っていた。あのときの牧師様は、信者でもない私たちに、何回かミサに来て説教をきくように諭された。あのころの敬虔な気持ちが私たちに蘇えってきた。・・・・

 

 

 

 

さて、toeのライブ会場はリキッドルーム。1000人ほどのライブ会場だが、これぐらいがちょうどいい。完全な単独ライブではなかったが、toeの生演奏は期待に違わず素晴らしいものだった。(聴きなれた楽曲が多く、新譜「HEAR YOU」からは4、5曲ほどだった。この構成も良かった)

今回のライブでは、「The future is now」の生演奏を初めて聴いた。それは2012年の東日本大震災・チャリティー・ツアーのとき、ヨーロッパツアーのセットリストに加えられたと思う。ユーチューブには、パリ公演のときの演奏がアップされている。演奏後、バンド紹介をし、リーダーの山崎がたどたどしい英語で、震災や原発事故のことなどを語った映像。これを飽きもせず、私は繰りかえして見たものだ。彼らのツアーの模様はフランスのテレビにも紹介されていたが、toeは外国のほうが認知度が高いかもしれない。「Run For The words」という曲がナイキのCMに採用されことも、彼らが海外で注目されている裏付けといえる。

震災後に大切な器材を積んだ車が盗まれたり、二人の子供を遺して山崎のカミさんが亡くなったこともあった。つらいことを乗りこえて、彼らはなんとかバンド活動を続けている。メッセージの少ないバンドだが、彼らの真摯でハイレベルな演奏を多くの人に楽しんでもらいたい。

The future is nowのユーチューブ画像はこちら。

 

 

 〇妻曰く「平均年齢は27,8歳くらい?」、「俺たちがいるから、確実に30歳はこえる」と私。

 

 

 

 

 


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