こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

卵をめぐる祖父の戦争

2012-02-04 00:00:00 | 未分類
デイヴィッド・ベニオフさん『卵をめぐる祖父の戦争』を読みました。

デイヴィッドは、自伝的なエッセイを書くことに嫌気が差し、
祖父の第二次世界大戦の体験談を書くことにした。
祖父のレフは、その体験を話すことを快く承諾してくれた。

1942年1月、レフの住むレニングラードはナチスドイツ軍に包囲され、
外部との接触を断たれ、市民は飢餓に悩まされていた。
そんな中、レフは秘密警察の大佐に、彼の娘の結婚式のウエディングケーキに使う
卵1ダースを1週間以内に調達してくるよう命じられた。

夜間外出禁止令を見逃す代わりに、レフと脱走兵コーリャは敵の懐に飛び込むこととなった。

飢え死にしたり、ひもじい子どものために末っ子の赤ん坊を殺して食べさせたりしていた一般市民。
ウエディングケーキなどに使う卵を彼らに与えれば、どれほどの人命が救われたことでしょう。
何ともやりきれず、バカバカしい気持ちにさせられました。
逆境に抗ってたくましく生きる?
たまたま運が良く、生き残れただけでしょう。
戦争の愚かしさもありますが、権力者による理不尽な仕打ちがあったということも、
忘れてはいけないように感じました。

コメント
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