こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

殺人喜劇のモダンシティ

2007-02-28 00:00:00 | 未分類
芦辺拓さん『殺人喜劇のモダンシティ』を読みました。

時代は戦前・昭和初期。ところは大都会・大阪。
旧制高女の生徒が通学途中のバスの中で出くわした殺人事件。
東京から大阪支局の取材記者として赴任してきた宇留木に取材され、初めは反感を持っていた鶴子。
ひょんなことから、共に事件を調べていくことになる。
鶴子は探偵小説が大好きで、好奇心旺盛。身の危険もかえりみず、事件の真っ只中に飛び込み、
宇留木を振り回す。

密室殺人や鉄道トリックを織り込みつつ、本格ミステリの楽しみを味わわせてくれます。
当時、関西在住だったミステリ作家も登場し、その作品を読んでみたいと思わされました。
細かく書き込まれた時代背景も面白く、あらゆる感情を抱かさせてくれました。

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ぼくと未来屋の夏

2007-02-27 00:00:00 | 未分類
はやみねかおるさん『ぼくと未来屋の夏』を読みました。

髪櫛小学六年生の山村風太は、一学期の終わりに未来屋と名乗る猫柳健之助と出会う。
まず、ポチの神隠し事件を解いた猫柳は、この町に伝わる怪談も解くべく、
風太と夏休みの自由研究を行う。
泥棒の神隠し・人魚の呪い・人のいない商店街。
おどろおどろしい怪談が解き明かされていく様は、面白くもあり、残念でもあります。
猫柳は、子どもにたかるなど、どうしょうもないキャラクターですが、逆に子ども扱いしないところが
子どもにとってはうれしいところなのかもしれません。

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格闘する者に○

2007-02-26 00:00:00 | 未分類
三浦しをんさん『格闘する者に○』を読みました。
デビュー作ですね。

それまでマイペースで大学生活を謳歌してきた可南子。
嫌々ながら、就職活動を始める。
漫画が好きだから、漫画雑誌の編集者希望。

しかし、社会の壁は厚かった。
面接で、嫌がらせのような差別を受け、ことごとく不採用。
このままでは、家の跡継ぎにされてしまう。

呑気な友人たちや老書家との付き合いなど、少々変わり者の可南子。
妄想力が大きく、風変わりで面白い。それでいて、文章が落ち着いているので、嫌味なく読めました。

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オリエント急行とパンドラの匣

2007-02-25 00:00:00 | 未分類
はやみねかおるさん『オリエント急行とパンドラの匣 名探偵夢水清志郎&クィーンの華麗なる大冒険』
を読みました。

今回の夢水清志郎は「セ・シーマ」の取材のため、オリエント急行で列車の旅をすることとなった。
本来なら謎解き紀行をするはずが、食い倒れ紀行になりそうな気配。
列車には、怪盗クィーンを始め、海賊の子孫で探偵卿にあこがれるジャック、
国際刑事警察機構に属する探偵卿マンダリン、その娘ボタン、
莫大な財力を持ち犯罪組織の黒幕である双子ジェラールとジャンダンという、
そうそうたる面々が乗り込んでいた。

盗まれたパンドラの匣の行方は、マンダリンの推理によっても分からない。
料理人グラハム・カーと教授の料理対決やクィーンの怪盗としての美学で、話は脱線しつつも
謎は深まっていく。

教授は、意外と舌が肥えているのですね・・・いや、そういう話じゃなく、今回も
惜しいところまでトリックを解明できたので悔しいです。
大人向けのミステリだと、手も足も出なくてあきらめもつくのですが、中途半端が一番つらいところです。
それぞれのキャラクターの個性も際立って面白く読めました。

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ラギッド・ガール

2007-02-24 00:00:00 | 未分類
飛浩隆さん『ラギッド・ガール 廃園の天使II』を読みました。

Iで語られた<夏の区界>の平穏だった時代の物語から、<数値海岸>の製作者側の話、
別の区界や、<夏の区界>を根こそぎ破壊したランゴーニの過去の物語が描かれています。

区界の大途絶の原因が分かりますが、AIの人権と存在意義の両立の難しさを感じます。
<数値海岸>については、どの区界も魅力的で、どの住人も生き生きと存在しています。
だからこそ、このような結果は悲しいですね。
同時に、現実の人間たちの葛藤や歪みも描かれていて、AIよりも人間の方が複雑だと感じました。

私が一番好きなのは『魔術師』
空飛ぶ鯨に艤装をほどこし保守点検しリフォームすることで、空飛ぶ船にするところが
面白いです。大原まり子さんの『銀河ネットワークで歌を歌ったクジラ』を思い出しました。
銀クジは、艤装しませんけどね。

シリーズ化しそうなので、今後どのような世界が展開されるのか、楽しみです。

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