幻想小説と言っていいのでしょうか?とても私好みで、表題作を始め、「薔薇の罠」「殺人者の憩いの家」
「公園にて」「名なしの森」「影法師連盟」「黄泉戸喫」などが特に好きです。
ただ「燕の記憶」「見知らぬ旗」「禿鷹」などは、もう一つ心の中に入ってきませんでした。
世代の差なのでしょうか?
そしてやはり私は日記よりもフィクションを好むのだということが分かりました。
宇宙飛行士ピルクス物語(上) (ハヤカワ文庫SF) 価格:¥ 882(税込) 発売日:2008-09-05 |
夢想家だった訓練生時代「テスト」
パトロール勤務で、行方不明になったトーマスとウィルマーの失踪原因をつきとめた「パトロール」
修理した事故機に乗っていたロボットが覚えていた最後の記録「テルミヌス」
あるテストで優秀だったために、訓練として送り込まれた月の裏側で続いていた
悲劇の原因とは?「条件反射」
人工頭脳に異常が発生し、殺人機械となってしまったロボットを描いた「狩り」など、
どちらかというと、外見はさえない宇宙飛行士に見えるピルクスの、表に出ない活躍を
引退前であろう「運命の女神」まで描いたSFです。
自分自身も身の危険にさらされながら、その推理力で宇宙から無事に帰還したり、
完璧であるはずのコンピューターの欠陥を言い当てたり、彼が英雄として称賛されないのが
不思議なくらいです。
また彼自身、そんなことにまるっきり興味を示さないところが格好いいいいですよね。
とても面白く読めました。
忍び寄る闇の奇譚 メフィスト道場1 (講談社ノベルス) 価格:¥ 1,082(税込) 発売日:2008-11-07 |
まずは「ボクのSF」というお題で、はやみねかおる氏と初野晴氏が執筆。
はやみね氏の『名探偵WHO 透明人間事件』は、子どもでも探偵や新聞記者になれて活躍できる
子どもにとってはワクワクする物語。
初野氏の『トワイライト・ミュージアム』は美術館を舞台にしたタイムトラベルの話。
どちらも面白さでは甲乙つけがたいけど、よりSFらしさを感じるのは、初野氏の作品でしょうか?
次のラウンドは、「フェティシズム・ホラー」
西澤保彦氏の『シュガー・エンドレス』は、題材が砂糖というあまりにも身近なものであるだけに、
感じる怖さがありますし、真梨幸子氏の『ネイルアート』は、インターネットという匿名性ゆえの
怖さを感じます。
好みは西澤氏の作品ですが、怖さは真梨氏に軍配を上げます。
最後は「都市伝説」
村崎友さんが描くのは、学校に伝わる伝説。
合宿中に行方不明になった女子生徒が、後に死体として発見され、以来、その合宿所には出るという『紅い壁』
北山猛邦氏は、言うに言われぬ『恋煩い』がもたらした人の心の裏側を描き出し、
身近な恐怖を感じさせてくれます。
この対戦は、私としては北山氏の現実的な怖さに強く惹かれました。
正直、どちらがいいかというのは好みの問題で、どれも違った面白さがありました。