こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

となり町戦争

2007-01-31 00:00:00 | 未分類
三崎亜記さん『となり町戦争』を読みました。

9月1日、舞坂町はとなり町との戦争を始めた。
そこには敵意も殺意も無く、日常生活の延長として、最も効率的かつ将来性のある事業として
行政により行われたのである。

主人公が偵察係であり、戦争の最前線にいるわけではないので、現実感に乏しく、
毎日戦死者が発生するにもかかわらず、ほとんどそれまでの日常生活と変わりなく過ごしていくところが
怖いです。
目の前に死をつきつけられたら怖さを感じるのかもしれないし、反発もするのでしょうが、
じわじわと流れに逆らう間も無く巻き込まれてしまうところも怖いですね。
戦争が日常になってしまう国が無くなりますように祈ります。

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桂文珍独演会

2007-01-30 00:00:00 | 未分類
今日は、北九州芸術劇場大ホールで行われた『桂文珍独演会』に行ってきました。

前座は桂楽珍さんの『手水まわし』田舎の宿屋が、大阪の人にお手水を持ってきてくれと言われて
理解できず、学問のために大阪の宿屋に泊まり珍行動をするというお話です。
ちなみに、手水鉢と房楊枝と塩を用意するようです。歯磨きセットですね。
それが、手水鉢の水に塩を入れて房楊枝でまぜ、3回まわして飲んでしまうわけです。
楽しいですよー。

続いては文珍さんの『老いらく風呂』
何だかスーパー銭湯での世間話のように聴いてしまい、印象に残りませんでした。
内容を覚えていません(^^;)

間に内海英華さん、女道楽と呼ばれるそうですが、『奴さん』『たんかい節(?)』などを、
三味線で語り聴かせてくださいました。三味線でも、エレキギターみたいな弾き方ができるのですね。
楽しかったです。

再び、文珍さんの『夏の医者』
野良仕事をしていた男が今で言う熱射病らしきもので倒れたので、息子が8里先の医者の下を尋ねます。
薬箱を抱えつつ元の村まで急いでいると、医者もろとも大蛇に飲まれてしまい、さてどうするか?
という話です。
昔の人々ののんびりぶりがおかしいですし、医者が行きたくないとごねるところを説得するのも
笑えます。
ただ、冬に夏の話をするのは・・・ま、いいか。

中入りをはさみまして再び文珍さん。『天狗裁き』です。
女房が針仕事をしていると、隣で眠っている熊公が苦悩していたかと思えばにんまり笑っていたりする。
どんな夢を見ているのだろうと気になり、起こして聞いてみると、夢など見ていないという。
見た見ないでもめているうちに殺す殺せのケンカにまで発展する。
大声を聞きつけて飛んできた隣りの辰っつあん。
仲裁にはいるうちに、自分も夢の内容が気になり教えろと言い出す。
再びケンカ。大家さん、町奉行、天狗と話は大きくなる。
つまらないことでのケンカがこんなに発展するところが面白いですね。
娯楽に飢えていたっていうことでしょうか?
オチは、夢オチです。

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琵琶綺談

2007-01-29 00:00:00 | 未分類
夢枕獏さん編著『琵琶綺談』を読みました。

まずは、小松和彦さんの民間の怪異伝承の話から。
獏さんの小説ではおなじみの、博雅と鬼の話など、なかなか興味深い話が読めます。

次は平岩弓枝さんの『孔雀に乗った女』
源雅信を暗い場所に何度も連れ出す、三角の平べったい顔をした男の謎。
忘れ去られるものの悲しみの物語です。

加門七海さんの『玉兎』は、明治初頭、盲目の僧清玄の小兎と月の物語。
やはり、時の流れ世界の変化においていかれるものの悲しさでしょうか?
シンと静かで透明な月の光を感じました。

赤絵瀑さんの『春喪祭』は、鮮やかな牡丹と怪異のコントラストが素晴らしい寒気のする物語でした。

岡野玲子さんの『博雅朝臣 宣耀殿の御遊にて 背より玄象の離れなくなること』は、
博雅自身は困り果ててはいるものの、琵琶の化け物がどことなくユーモラスで愛らしく
きっと、周りのものもさほど心配してなかったのではないかと感じられる様子でした。

夢枕獏さんの『檜垣』は、残酷でおどろおどろしく、また美しいものでした。

中島らもさんの『琴中怪音』は中国での琵琶の名器の物語です。

最後の小泉八雲の『耳なし芳一のはなし』は語るまでもありませんね。

琵琶にまつわる様々な物語、再読もありましたが、こうやって並べて読んでみるのも面白いです。

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中庭の出来事

2007-01-28 00:00:00 | 未分類
恩田陸さん『中庭の出来事』を読みました。

小さなティーパーティーの会場で、紅茶に入った毒で死に至った脚本家。
高層ビルの低層階にある商店街の中庭で死亡した若い娘。

長い間脚本家に強請られていた女優が、彼を毒殺したのではないかという話が出ている。
彼の創った「告白」という芝居は、その女優への嫌がらせの手段だったのではないかという疑惑が持ち上がり、
オーディションに残った3人の女優が容疑者となる。

どこが芝居でどこが現実なのか?
現実でも演じられるのが女優なら、どれが嘘でどれが真実なのか?
読者を煙に巻きながら物語は展開し、最後にどんでん返しが待っています。
面白かったです。再読して細かく読み込んで行きたい作品です。

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ギヤマン壺の謎

2007-01-27 00:00:00 | 未分類
昨日に引き続いてはやみねかおるさん『名探偵夢水清志郎事件ノート外伝 ギヤマン壺の謎』
読みました。

時代は江戸末期、イギリスで人が消えた謎(これは簡単に解ける)を解いた清志郎左右衛門が
日本に帰ります。
長崎出島のギヤマン消失の謎、不思議な地蔵の謎などを解きながら江戸を目指すわけですが、
江戸での教授も怠け者、相変わらず三つ子の亜衣・真衣・美衣にせかされ、しぶしぶ謎を解いていきます。

今回魅力的だったのは、江戸まで教授と旅をするおおらかな梅太郎。
さらに、江戸で出会った人を斬らないために竹光しか持たない巧之介。

また物語の中で、教授や絵者さんが環境破壊について語っていますが、この時代には
そういうことに言及した人はいなかったでしょうね。

これは、大江戸編上巻なので、続きの感想は図書館で下巻を借りてからになります。

あと、3冊のシリーズ本は、だいぶん図書館から借りた本が消化できましたので、
そろそろ続きを読もうかと思っています。

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