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こっぱもちの部屋

http://blog.livedoor.jp/kisaragi12yukari20/「こっぱもちの読書日記」

『あの日の交換日記』辻堂ゆめ

2025-04-14 19:54:11 | 読書感想
 
小学校で流行っている交換日記をやりたいという児童の希望から、教師と生徒の交換日記が始まった。
それをきっかけに、その教師は担任のクラス全員とも交換日記を行うようになった。
その後の交換日記は、様々なかかわりをもった大人とも行われるようになり・・・。

私もここに出てくる色んな形の交換日記を読みながら、時に共感し時に反感を抱いたりもしました。
ただ、子どもでも大人でも手書きによるやり取りが心を開くきっかけになっているようですね。
悲しいこと嬉しいこと、多様な感情が描かれたその関係性が面白く読めましたが、最後の第七話に至ってはかなり心配もしました。

とてもやさしい日常ミステリでした。
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『暗号の子』宮内悠介

2025-04-08 20:18:46 | 読書感想
 
ASD(自閉スペクトラム症)の人々が集まる匿名の自助グループ「クリプトクリドゥス」
理沙は、VRアプリのオンラインのみで同じ障碍を持つ仲間と出会える活動というところに惹かれ入会した。
今では気を許せる仲間もでき、自分の居場所として居心地よく過ごしていた。
しかしメンバーの1人が無差別殺傷事件を起こしたことからグループそのものが諸悪の根源のように糾弾され、様々な攻撃を受けるようになってしまう。

この表題作では、現実でも起こっている多数派が少数派を異物とみなすのか、恐怖を感じて排除しようとする問題も描いています。
同じ事件を起こしても、犯人が多数派に所属する人物ならば「一部の人よね?」ですませるものなのですけどね。
悪い意味での本能なのでしょうか?

ちなみにこの本は8編から成る短編集で、似たようなテーマと思える「ローバス・フィルター」という物語やAIに書かせるという試みをした作品もあり、なかなか興味深いです。

ただ私としては、巻末の「ペイル・ブルー・ドット」が爽やかな読後感で気持ちよく読めました。
全体として読みやすく、とても面白い本でした。

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『名古屋駅西喫茶ユトリロ 龍くんは河童と踊る』太田忠司

2025-03-21 20:28:16 | 読書感想
 
龍くんの曾祖母は、幼い頃に河童と踊ったことがあるらしい?
彼女の寝言から名古屋の河童伝説を探しているうちに、周辺の再開発のための買収計画が出て来たり喫茶ユトリロを営む祖父が腎臓結石で入院したりと、トラブル続き。
祖父の入院中にユトリロの営業を任された龍の変化とは?

何かさ、これに限らず最近は自分の年齢を突き付けられるようで困惑してしまうことが多くなりましたね。
しみじみ私って成長できているのかしら?と、不安になったりもw

ま、私の事はともかく、龍くんも少しずつ腹が決まってきたのかな?
ハラハラさせられましたが、名古屋の歴史とともに楽しませていただきました。
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『名探偵の顔が良い』森晶麿

2025-03-07 20:16:04 | 読書感想
 
購入して読むまでに時間がかかってはしまいましたが、この!あまりといえばあまりなタイトルは速攻買ってしまっても無理ないでしょう?
もちろん、著者が森晶麿さんという信頼に足るミステリ作家だということは、申し上げるまでもありません。

本題に入りますが、まず、主人公は昼野潤子。
富豪・闇月禄郎の娘、清奈の家庭教師として彼女と会話している時に禄郎夫人・妃奈の叫び声が聞こえ、駆け付けてみると彼が他殺死体として倒れていた。

実は潤子は、ある秘密の指令でN徽章というものを探しているのだが、なぜか行く先々で事件が起こるのだ。
その殺伐とした任務の中、心を慰めてくれるのは推しの「王子」こと、天草茅夢。
なぜかジャンク飯屋で偶然出会った彼に事件の度に再会し、その度毎に鮮やかな推理で解決してくれる。

現実にはあり得ない設定ではありますが主人公が推しにはしゃぐわけではなく、好きは好きとして冷静に(上辺は)社会人として対応できているところがいいですね。
問題は普通ここまでジャンク飯を食べ続けたら肥満する事で、そこも夢物語かもしれませんし、つられて食べ過ぎないようにしなければと自分を戒めています。
面白かったです。
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『書店員は見た!本屋さんで起こる小さなドラマ』森田めぐみ

2025-03-02 20:15:34 | 読書感想
 
書店員・森田めぐみさんの本屋さんでの出来事を綴ったエッセイです。

最初の面白いエピソードとしては、70代後半くらいの男性が探していた『名を名乗れ』という本。
間違って覚えていらしたようですが、本当のタイトルが何かお分かりの方はいらっしゃいますか?

かなり時代錯誤な覚え方ですが実は・・・『君の名は。』でしたー♪

他には、保育士の彼女へのプロポーズに指輪と一緒に贈りたいと選んだ絵本にまつわる顛末や、クリスマスのプレゼントを選ぶ過程での様々な出来事。
ビブリオバトルのライバル同士が相手の薦める本を買いに来たり、テーマに合わせて書店員さんにアドバイスを頼んだりと、書店での素敵なエピソードがいっぱいです。

私にとって問題は、エピソード毎に薦められる本です。
ただでさえ読みたい本が山ほどあるのですが(>_<)

まずは片づけの本からかな?
チャレンジしてみます。
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