こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

『わたしたちが光の速さで進めないなら』キム・チョヨプ

2021-02-28 19:50:57 | 読書感想
 
平和な村では毎年、成年を迎えた人々が「始まりの地」へ旅立ち、帰ってこない者もいる。
オリーブが、その「始まりの地」で知った真実とは?『巡礼者たちはなぜ帰らない』

宇宙人とのファーストコンタクトを果たしたと言いつつ、その場所を教えなかった祖母。
孫のヒジンに語った、宇宙人と暮らた日々と別れ。『スペクトラム』

芸術家リュドミラ・マルコスは不思議な風景を描き、それは地球上のどこにも存在しないのに、人々に懐かしさを感じさせるものだった。
彼女の死後、その風景が思いがけないところで見つかった。『共生仮説』

続いて4作ありますが、人類が先へ先へと進んでいくうちに、何かを捨てているのではないかという危機感を感じさせる表題作を始め、どの物語にも人々の心が、良きにつけ悪しきにつけ描かれています。

それを他人事と感じるのか、自分自身の物事として考えるのかは、読者次第です。
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『時間旅行者のキャンディボックス』ケイト・マスカレナス

2021-02-23 19:52:29 | 読書感想
 
1967年、4人の女性科学者が300年先までのタイムトラベルが可能なタイムマシンを作り上げた。

しかしタイムトラベルは精神に深刻な副作用を及ぼし、開発メンバーの一人は躁うつ病を発症。
残りの三人で立ち上げたタイムトラベルを管理する組織〈コンクレーヴ〉も、少しずつ病んでいった。

そんな中、被害者の身元不明の殺人事件が発生した。

トップから末端まで、この組織は心底歪んでいますね。
巻末にあるタイムトラベラーの適正テストからして、設問を読んでいると、あまりにも偏っているところが気持ち悪く感じられました。
結局彼らは死を恐れていないと言いつつ一番恐れていて、それをこのテストが告白しているようなものだと感じました。
ごらんになれば、そのこだわり具合に驚きますよ。

まあ、あの結末は誰もが納得のものだと思いました。
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コミックエッセイ『おさんぽマスターズ』須藤真澄

2021-02-17 19:47:29 | アニメ・コミック・ゲーム
 
『振袖いちま』と『長い長いさんぽ』くらいしか読んでいませんが、久々に読みたくなったので、手に取ってみました。
『おさんぽ大王』の頃に比べて、体力や筋力がどれくらい低下なさっているのかは分かりませんが、須藤さん、いきなりしわだらけのお顔で登場なさって老化をアピール(?)

さらに初っ端から地元の有名どころを紹介しようとして、担当・副編のアオキさんにそこに思いが無いと代案を求められ、自分を信じた取材も駄目出しをくらいます。

先行き不安なスタートではありましたが、試行錯誤しつつも盆栽の頃になると面白みが増してきました。

私としては、アルパカ・犬・猫のもふもふ系が面白かったです。
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『ゼロからつくる科学文明 タイムトラベラーのためのサバイバルガイド』ライアン・ノース

2021-02-14 20:09:43 | 読書感想
 
この本は、ノース氏が岩盤の中からグラニュライトの岩を割って取りだしたもので、岩盤の年代測定によると、先カンブリア時代の地層だったという。
どうやら、2043年以降のタイムマシンに搭載されたガイドブックで、この本はそれを写したものらしい。

設定によると、タイムマシンの直し方とそれがうまくいかなかった時に、ゼロから文明を作り直す方法らしいのです。
まず初めのフローチャートで笑うか怒るかによって読み進められるかどうかが決まる気がします。

いつの時代でタイムマシンが故障したか、時代特定をするわけですが、何と!ビッグバン以前から始まっています(汗)地球があるかとか、立っていられるかとか、呼吸できるかとかから、生き物がいるかや地上生物なのか、哺乳類から人類などがいるか、文明があればどの程度かなど、それは事細かに、時々、人をおちょくりながら特定していきます。
ここで腹が立つ方々は、買わない方がいいですね。

面白がれたら、おめでとう!少し読んでみましょう。
たたこの本は、人間の文明について、生き延びるための基礎知識がたっぷり盛り込まれていますので、分野によっては1時間ほどで眠くなる可能性が高いです。
その時は眠ってもかまいませんが、英気を養えたら続けて読んでみましょう。
時には、先を読み進められなくなるよりも、自分自身には今後いらないとあるジャンルを跳ばす勇気も必要かもしれません。
私の場合、何とか506ページまでは読みましたが、補講は飛ばしましたね。あと、コンピュータは読まなかったかな?

で、まあ、感想としては、人類文明の発達にブランクがありすぎると書かれていましたが、逆に無駄が無かったら息が詰まりそうな気がしますので、これくらいで良かったのかのとも感じます。
自分自身に置き替えたら、休憩せずに学んで働けと言われているようなもので、辛いでしょう?
そういう事は抜きにして、皆さんも、ノース氏の茶目っ気もありつつの人類文明の基礎(と言うには膨大な)知識を、根気よく楽しみながらお読みください。
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『女子高生探偵シャーロット・ホームズの帰還〈消えた八月〉事件(上・下)』ブリタニ―・カヴァッラーロ

2021-02-10 20:31:32 | 読書感想
 
シャーロットの叔父レアンダーの行方を探すため、ドイツに向かった彼女とジェームズ。

叔父がモリアーティ家に拉致され、悪くすれば殺害されている可能性も考えた彼女は、ジェームズまで巻き込むまいと彼を遠ざけようとするが、彼はシャーロットを助け守ろうと、命がけの行動を繰り返す。

ジェームズが瀕死の重症を負いながらも、何とかある程度のところで収めようとしたところで、シャーロットの兄マイロがとんでもない事をしでかす。

さすがシャーロック・ホームズの子孫シャーロット。
本当に、何を感じ何を考えているのか、真実がどこにあるのか分かりにくい少女です。
まあ、ジェームズの事を親友くらいには思っているようですがね。

それ以前に、ホームズ家とモリアーティ家も真相を隠したがる傾向にあるので、話が複雑になってしまうんですよねえ。
さらに今回は、事件が解決せずに次巻に続くので、やきもきしています。
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