こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

『図書館の殺人』青崎有吾

2017-09-27 19:32:37 | 読書感想
高校生探偵(?)裏染天馬が活躍する第四の物語の舞台は、図書館。

電子式のナンバーロックのため、夜は人が出入りできないはずの図書館で、出勤してきた司書たちが、他殺体の男性を発見した。
ご丁寧に、ダイイングメッセージ付きで。

彼は、小説を書く事が好きな従姉妹のために、彼女の書くミステリ作品を製本して、図書館の蔵書に紛れ込ませていたのだ。

それにしても、被害者も犯人も、どうやって館内に潜り込んだのか。犯人は、司書たちの中にいるのか。

初めから怪しげな人物の事が語られたり、裏染の推理も、口二こそ出さないものの核心を突く結論が出ず、迷走していたようで、ハラハラのし通しでした。

今回の犯人も、あまりにも思いがけない人物で、かなり驚かされました。

1年以上前の作品を、ようやく、読むことができました。やでやで。
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『夜の夢見の川 12の奇妙な物語』シオドア・スタージョン、G・K・チェスタトン=他

2017-09-24 19:24:32 | 読書感想
ジャンル分けが困難な海外中短編が12編、収録されています。

それにしても、初っ端から、とても痛々しい「麻酔」を読む破目になるとは思いませんでした。

もちろん、他にも面白いものはたくさんあって、
失職した夫の言うまま田舎の農場で暮らし始めた妻が、不思議な猟犬に付きまとわれる「銀の猟犬」
軽食堂で室内のあらゆる物に敬意を払う男の身の上話「怒りの歩道―悪夢」
口を利く犬とメイドと飼い主たち「イズリントンの犬」
一番不気味で、夢と現実の狭間にあるような表題作
これらが強く印象に残りました。

いわゆる、奇妙な味の物語が好きな方にお薦めです。
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『ときどき旅に出るカフェ』近藤史恵

2017-09-23 19:29:39 | 読書感想
奈良瑛子、三十七歳。
独身、一人住まい。
子どももいないし、恋人もいない。
取り立てて美人というわけではない。
趣味らしい趣味もない。
読書や映画を見るのは好きだけど、マニアと言えるほどではない。

三年前に中古の1LDKを買ったので、貯金はあまりなく、ローンも残っている。

そんな瑛子がある土曜日に、自転車でいつもと違う道、違う住宅街を、ふらふら走っていると出会ったのがカフェ・ルーズだった。
メニューには見慣れない名前が並び、説明を読もうと顔を近づけた時、声をかけてきたのは六年前に瑛子の勤める会社を退職した、葛井円だった。

居心地がよく、ここに来ただけで世界を旅した気分になれる。
そんなコンセプトのカフェ・ルーズに足しげく通ううちに出会う人々は、気持ちのよい人もいれば、心がささくれ立つような悪意の塊の人もいて・・・。

主人公の瑛子に一番親近感がわき、共感を覚えるのは、私が独身なせいでしょうか?
でも、既婚者や円に強く当たった彼女の元上司、その他、共感できなくても同情の余地がある人もいて、皆、何かを背負っていきているんだなあ、と思いました。
何と言うか・・・同志っていうの?ある程度は痛みを分かち合う事ができる人が、たくさん出てきます。

円の兄を除いて・・・(笑)

瑛子が自然体だからっていうのも、あるかもしれません。
面白かったです。
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『濱地健三郎の霊なる事件簿』有栖川有栖

2017-09-22 20:28:59 | 読書感想
濱地健三郎は<心霊探偵>
元漫画家志望の志摩ユリエを助手に、霊がからむ様々な事件を解決していく。

ホラー作家の元に現れるようになった女の霊、女性フリーライター殺害事件容疑者の側に現れた霊、ある言葉を発すると具合が悪くなる廃屋など、様々な事件があります。

中でも唯一、犯罪のからまない「あの日を境に」が切なくて、何とも表現のしがたい物語でした。
「分身とアリバイ」は、分かってみれば何という事もないトリックなんですが、まんまとはめられました。
また、「霧氷館の亡霊」では、事件を未然に防ぐ事ができて良かったです。
一方「不安な寄り道」は、困ったちゃんでしたね。

面白かったです。
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原安三郎コレクション 広重ビビット

2017-09-22 20:10:24 | 美術館・博物館
北九州市立美術館分館で開催されている原安三郎コレクション 広重ビビットに行ってきました。

<六十余州名所図会>だけでも、好みの作品がたくさんあって「山城 あらし山渡月橋」「江戸 浅草市(初摺り)」「飛騨 籠わたし」「上野 榛名山雪中」「丹後 天の橋立」「美作 山伏谷」などなど美しい景色がいっぱい。
ちょっと笑ったのは「壱岐 志作」当時でも、壱岐に雪はあまり降らなかったようです。まあ、ご本人も解っていて美しさを追及したんでしょうね。

<名所江戸百景>では、「大てんま町木綿店」「大はしあたけの夕立」「下谷広小路」「上野清水堂不忍の池」「猿わか町よるの景」「亀戸梅屋敷」「深川木場」「利根川ばらばらまつ」などが良かったです。

あと、好みなものでは、葛飾北斎の「千絵の海 総州 銚子」や「諸国名橋奇覧 飛越の堺つりはし」
歌川国芳の「近江の国の勇婦お兼」もコレクションに入っていました。

楽しかったので、できれば、後期も行って観たいです。
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