【「聖教新聞」 2015年(平成27年) 5月8日(金)より転載】
【革心8】
三年五ヶ月ぶりに四度目の中国訪問を果たした山本伸一は、上海の虹橋国際空港から宿舎の錦江飯店に向かう車中、街路を行き交う人びとを見ていた。
女性の服装を見ると、紺やカーキ色の単色で、ズボン姿が多かったが、なかには、淡いピンクやシマ模様のブラウスを着ている若い女性もいた。また、皆の表情は明るく、伸一たちの車に、笑顔で手を振る人もいた。
著しく自由を剥奪された文化大革命の時代が終わり、「四つの現代化」へと進み始めた中国の未来に、人びとは希望を感じているのであろう。
錦江飯店では、中日友好協会の孫平化秘書長らと、交歓のひと時がもたれ、伸一は、訪中団のメンバーを紹介していった。
一行のなかには、初めて中国を訪問する宗門の僧、創価大学の教員もいた。
当初、伸一は、日達法主を中国へ案内したいと思っていたが、体調が優れぬために、遠方への旅行は控えることになったのである。これまで、日達とは、東南アジア、インドなど南アジア、アメリカ、メキシコ、ヨーロッパを訪問してきた。
仏法西還も、一閻浮提広宣流布すなわち世界広布も、御本仏・日蓮大聖人の御遺命であり、断じて成し遂げねばならない門下の使命である。また、世界の平和を築き上げ、この世から「悲惨」の二字をなくしていくことこそ、仏法者の大使命にほかならない。
しばらく国交が途絶えてきたが、中国は仏教伝来の大恩ある国である。日中の平和のためには、そうした歴史も踏まえ、幅広い文化・友好交流が必要であると、彼は考えていた。
仏法の慈悲や生命の尊厳という法理を人類の共有財産にしていくには、仏教関係者をはじめ、さまざまな宗教の指導者との対話が不可欠である。いや、宗教を否定的にとらえる共産主義国の首脳とも、胸襟を開いた対話を重ねていく必要がある。
閉塞化した原理主義は日蓮仏法の精神を歪め、根本目的を見失わせていく。
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【革心8】
三年五ヶ月ぶりに四度目の中国訪問を果たした山本伸一は、上海の虹橋国際空港から宿舎の錦江飯店に向かう車中、街路を行き交う人びとを見ていた。
女性の服装を見ると、紺やカーキ色の単色で、ズボン姿が多かったが、なかには、淡いピンクやシマ模様のブラウスを着ている若い女性もいた。また、皆の表情は明るく、伸一たちの車に、笑顔で手を振る人もいた。
著しく自由を剥奪された文化大革命の時代が終わり、「四つの現代化」へと進み始めた中国の未来に、人びとは希望を感じているのであろう。
錦江飯店では、中日友好協会の孫平化秘書長らと、交歓のひと時がもたれ、伸一は、訪中団のメンバーを紹介していった。
一行のなかには、初めて中国を訪問する宗門の僧、創価大学の教員もいた。
当初、伸一は、日達法主を中国へ案内したいと思っていたが、体調が優れぬために、遠方への旅行は控えることになったのである。これまで、日達とは、東南アジア、インドなど南アジア、アメリカ、メキシコ、ヨーロッパを訪問してきた。
仏法西還も、一閻浮提広宣流布すなわち世界広布も、御本仏・日蓮大聖人の御遺命であり、断じて成し遂げねばならない門下の使命である。また、世界の平和を築き上げ、この世から「悲惨」の二字をなくしていくことこそ、仏法者の大使命にほかならない。
しばらく国交が途絶えてきたが、中国は仏教伝来の大恩ある国である。日中の平和のためには、そうした歴史も踏まえ、幅広い文化・友好交流が必要であると、彼は考えていた。
仏法の慈悲や生命の尊厳という法理を人類の共有財産にしていくには、仏教関係者をはじめ、さまざまな宗教の指導者との対話が不可欠である。いや、宗教を否定的にとらえる共産主義国の首脳とも、胸襟を開いた対話を重ねていく必要がある。
閉塞化した原理主義は日蓮仏法の精神を歪め、根本目的を見失わせていく。
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