和井弘希の蘇生

桂信子先生に師事。昭和45年「草苑」同人参加。現在「里」同人「迅雷句会」参加

若芽34/小説「新・人間革命」    

2013年11月29日 08時09分25秒 | 公明党


      小説「新・人間革命」

【「聖教新聞」 2013年 (平成25年)11月29日(金)より転載】


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若芽34(11/29)

 教職員との懇談会の席上、東京創価小学校の校歌作成についても話題に上った。
 山本伸一が、「どうですか。すばらしい校歌はできそうですか」と尋ねると、校長は、困惑した顔で語った。
 「実は、皆で作詞をいたしましたが、“これは”というものがありませんでした。それで、できましたら、山本先生に歌詞を作っていただければと……」
 伸一は、キッパリと答えた。
 「校歌は、皆さん方で作ってください。私は、あらゆる面から全力で応援し、アドバイスはさせていただきますが、中心はあくまでも皆さんです」
 彼は、校長をはじめ、教員たちに、“すべて自分たちが責任をもって、最高のものをつくり上げていくのだ”という決意と自覚をもってほしかったのである。
 物事は、よく相談して進めることが大事である。しかし、人を頼み、人に甘える気持ちがあれば、いつまでたっても、成長も自立もない。“自分が一切の責任をもって立とう”と決めることから、力が生まれるのだ。
 伸一は、言った。
 「ところで、皆さんが作ったのは、どんな歌詞だったんですか」
 教員の一人が歌詞を取りに行き、封筒を伸一に手渡した。中には、歌詞の書かれた紙が何枚か入っていた。
 彼は、それを丹念に見ていった。ある一枚の紙に、視線が止まった。
 その歌詞は、「いつの日か いつの日か」という言葉で始まっていた。
 「これは、なかなかいいかもしれません。誰が作ったものですか」
 傍らにいた教頭の木藤優が、恐縮した様子で答えた。
 「私が作りました」
 「これを推敲してみてはどうですか。
 私は、このあとも、校長先生と打ち合わせがありますので、その間に、仕上げて持ってきてくだされば、検討します」


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