和井弘希の蘇生

桂信子先生に師事。昭和45年「草苑」同人参加。現在「里」同人「迅雷句会」参加

共 戦(四)新・人間革命

2011年11月16日 08時21分43秒 | 今日の俳句
    新・人間革命

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    共 戦(四)

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 五月十八日昼、福岡は見事な五月晴れであった。九州の幹部たちは、さわやかな青空のもとで、本部幹部会が開催できるとあって、どの顔も晴れやかであった。

 山本伸一は、九州平和会館の窓辺に立ち、彼方を仰ぎながら、側にいた九州担当の副会長に言った。

 「雨もあがって、皆、元気に頑張っているとのことだ。本当によかった」

 すると、その副会長は、怪訝そうな顔で答えた。

 「九州は、この二、三日、ほとんど雨は降っておりません。今日は、ことのほか美しい青空が広がり、九州の船出にふさわしい天気だと、皆、大喜びしておりますが……」

 伸一は、少し険しい口調で言った。

 「私は、岩手の人たちのことを思っていたんだよ。水害で、今、いちばん、苦しんでいる人たちじゃないか」

 十五日から十七日にかけて、宮古市、釜石市、大船渡市などの岩手県沿岸部に大雨が降り、床上浸水などの被害が続出していたのだ。陸前高田市では、土砂崩れによって死者も出ていた。

 学会としては、十六日、釜石会館内に水害対策本部を設け、救援に当たってきた。

 伸一も、救援のためのさまざまな手を打つ一方、被災地の友に見舞いの電報を送った。そして、寸暇を惜しんで、唱題を重ねてきたのである。

 「最高幹部は、常に、日本中、世界中に心を配り、最も苦しんでいる人、大変な思いをしている人のことを考えていくんだ。最も苦しんでいる人と、同苦していこうとする心――それが、大聖人の御心であり、学会の心です。そこに、仏法の人間主義がある。

 私は、夕べも、被災地の同志のことを思って、ずっと、お題目を送っていたんです」

 伸一は、幹部が“人びとの苦悩を凝視する心”を失うことを、最も恐れていた。その心を失えば、いつか組織は、形式化、官僚化していくからだ。



【「聖教新聞・2011年11月16日()」より転載】
http://m.seikyoonline.jp/top/top?t=805&sk=377037b65d04f4e970507bffe8ed9125


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