小説「新・人間革命」
【「聖教新聞」 2014年(平成26年)1月6日(月)より転載】
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正義3(1/6)
第一回「世界平和会議」の席上、国際仏教者連盟(IBL)が発足し、会長に山本伸一が、名誉総裁に日達法主が就いた。
また、この席で、全参加者の懇請と総意によって創価学会インタナショナル(SGI)が結成され、伸一がSGI会長に就任。世界広宣流布をめざす創価学会の、地球的な規模のスクラムが組まれたのである。
「世界平和会議」であいさつに立った日達は、「南無妙法蓮華経は世界の宗教」であり、「日蓮大聖人がこの皆様のお姿を御覧になられたならば、どんなにお喜びになられるか」と感慨を込めて語った。
そして、大聖人は、仏法の流布は“時”によると仰せであり、その“時”は、山本会長の努力によってつくられ、今、世界的な仏法興隆の“時”を迎えたと明言し、「最も御本仏の御讃嘆深かるべきものと確信するものであります」と述べている。
さらに、戦争は人類に破滅をもたらすことから、山本会長は、世界平和への潮流を起こそうと、率先して働いていると賞讃。ますます異体同心の団結をもって、世界平和の実現をめざすよう訴えて、話を結んだ。
伸一は、人類の未来を考える時、一日も早く、平和の大潮流を起こしていかなければならないと、痛切に感じていた。
当時、東西冷戦も続いていた。ソ連と中国も対立の溝を深め、一触即発の状況を呈していた。また、核兵器の保有国も増え、核拡散が懸念され、核の脅威は増大しつつあった。一方、先進国と発展途上国との貧富の差も激しさを増していたし、環境破壊、食糧問題等も深刻化していたのである。
伸一は、それらの諸問題を解決していくことこそ、仏法者としての重要な課題であり、使命であると考えていたのである。
「未来の宗教というものは、人類の生存をいま深刻に脅かしている諸悪と対決し、これらを克服する力を、人類に与えるものでなければならない」(注)とは、トインビー博士の洞察である。
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■引用文献
小説『新・人間革命』の参考・引用文献 日達名誉総裁のあいさつは、「聖教新聞」一九七五年一月二十七日付参照 注 「二十一世紀への対話」(A・J・トインビー共著『池田大作全集3』所収)聖教新聞社
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