和井弘希の蘇生

桂信子先生に師事。昭和45年「草苑」同人参加。現在「里」同人「迅雷句会」参加

革心32/小説「新・人間革命」

2015年06月05日 05時21分20秒 | 今日の俳句
【「聖教新聞」 2015年(平成27年) 6月5日(金)より転載】

【革心32】


 山本伸一たちは、虎口塔をバックに記念撮影し、塔の下の休憩所で、蘇州市の関係者と懇談のひと時をもった。伸一は言った。

 「皆さんへのお礼の心を込めて、私が作詩した歌を披露おいたします。

 この歌は、日本の中国方面の友に贈る歌として作りましたが、今回、歌詞を一部、手直しして、中国語に翻訳してもらいました。また、歌のタイトルを『愛する中国の歌』として皆さんにお贈りし、友情の証とします。

 よろしければ、中国語の歌詞を見ながら皆さんにも、歌っていただければ幸いです」

 中国語の歌詞が配られた。一行が持参してきたカセットデッキから流れる、「愛する中国の歌」の調べに合わせ、訪中団の通訳を務める周志英が歌を披露した。

 次いで、蘇州の人たちが、歌い始めた。しかし、一度、聴いただけとあって、皆の声が詰まった。すると、周志英だけでなく、訪中団メンバー全員が中国語で歌いだし、合唱を応援した。

 そのあと、訪中団が日本語で熱唱した。


   [歌記号]轟く歓喜の 中国に

    平和の船出も にぎやかに

    ああ紅に 友は燃え 友は燃え

    進み跳ばなん 手と手結びて……


 歌い終わると皆が拍手し、互いに讃え合った。蘇州市の関係者が口々に感想を述べた。

 「いい歌詞です。山本先生の中国を思う、お心がよくわかります」

 「歌いやすい曲です。もう覚えましたよ」

 伸一は、笑みを浮かべた。

 「ありがとうございます。

 私どもは、この歌を歌うたびに、皆さんを思い出すでしょう。蘇州に友情が広がったことは、大きな収穫です。嬉しいです」

 歌は心を結び合う。歌に込められた歓喜の希望、愛、友情、そして、平和を願う心などは、人類共通の思いである。ゆえに歌は、同じ人間としての魂の共鳴をもたらす。





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