和井弘希の蘇生

桂信子先生に師事。昭和45年「草苑」同人参加。現在「里」同人「迅雷句会」参加

若芽41/小説「新・人間革命」     

2013年12月07日 03時52分46秒 | 新・人間革命


      小説「新・人間革命」

【「聖教新聞」 2013年 (平成25年)12月7日(土)より転載】


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若芽41(12/7)

 東京創価小学校では、担任の若江幸恵が、授業の最初に、久藤智代が義足を使っていることをクラスの皆に説明した。

 “そのことで、からかわれたりすることのないように”との配慮であった。

 一九七九年(昭和五十四年)秋に、山本伸一が小学校を訪れた時、若江は、久藤を伸一に引き合わせた。

 伸一も、足の不自由な児童がいることを聞いており、会いたいと思っていたのだ。

 久藤には、どこまでも強く生きていってほしかった。人生には、辛いこと、悲しいこと、苦しいことはたくさんある。また、皆が善意の人とは限らない。むしろ、人の心を平気で傷つけたり、蔑んだりする人がいかに多いことか。

 だから、何があっても負けない“強い心”をもつことが、幸せの要件となるのだ。

 伸一は、久藤に語った。

 「足が不自由で、“辛いな”と思うこともあるかもしれないが、それを乗り越えていった時には、誰よりも“強い心”“輝く心”がもてるようになるんだよ。

 あなたは、ヘレン・ケラーという人を知っているかい。目も見えない、耳も聞こえない、話すこともできないという三つの苦しみを乗り越えて、人びとに大きな希望と勇気を与えた女性だよ。

 サリバンという先生の教えを受けて、字を覚え、勉強し、アメリカで最優秀の女子大学で学んだんです。そして、世界各国を回って講演するとともに、体の不自由な人などのために、社会福祉事業に貢献したんだよ。

 ヘレン・ケラーは、自分の運命を、人びとのために尽くしていく力に変えていったんです。そこに彼女のすばらしさがある。

 あなたも、しっかり勉強して、ヘレン・ケラーのような人になるんだよ」

 伸一の言葉は、久藤の胸に深く染みた。

 めざすべき模範と理想がある人は強い。その人の心には、逆境の暗夜にあっても、希望の光が差し、勇気の火が燃えているからだ。

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