【「聖教新聞」 2015年(平成27年) 6月6日(金)より転載】
【革心33】
九月十四日の午後三時、山本伸一たち訪中団一行は、蘇州から列車で無鍚(むしゃく)に移動した。無鍚(むしゃく)駅には、四、五十分で到着した。
ここでは、中国の四大湖の一つである太湖を遊覧しながら、無鍚市の関係者らと、友誼の語らいが弾んだ。
翌十五日は、陶器の生産で有名な江蘇省宣興県の「宣興紫砂工芸工場」を訪問。さらに百五十万年前にできたとされる鍾乳洞「善巻洞」にも足を延ばした。
伸一たちは、行く先々で対話の橋を架け、午後四時前、無鍚から列車に乗り、南京へ向かった。。やがて美しい夕焼けが車窓を包んだ。
南京到着の二十分ほど前、日本人の青年がやって来て、伸一に話しかけた。
「創価学会の山本会長ですね」
「はい、そうですが……」
青年は、「私は学会員ではありませんが」と前置きして自己紹介した。彼は、東京で海運会社に勤め、研修に参加するため、中国に来たのだという。
青年は、意を決したように切り出した。
「実は、お願いしたいことがあります。私の職場に、熱心に信仰に励んでいる学会の女子部員がいます。その方が、今日、結婚式を挙げられます。山本先生の姿をお見受けしたので、ぜひ記念に祝福の言葉をいただければと思い、お願いにあがりました」
「そうですか。そのために、私のところへ来てくださったんですか……。ありがとう! では、句をお贈りしましょう」
青年は、自分の手帳を差し出した。
すぐに伸一は、一句を認めた。
--「中国で ふたりの幸を 祈る旅」
わがことのように喜ぶ青年を見て、その女子部員が、職場で大きな信頼を勝ち取っていることが感じられ、嬉しかった。信頼の輪の広がりこそ、広宣流布の広がりとなっていく。
「どうか、結婚するお友だちに、くれぐれもよろしくお伝えください」
伸一は、新郎新婦の末永い幸福と健康を願って、心で題目を送った。
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