和井弘希の蘇生

桂信子先生に師事。昭和45年「草苑」同人参加。現在「里」同人「迅雷句会」参加

革心24/小説「新・人間革命」

2015年05月27日 06時56分19秒 | 今日の俳句
【「聖教新聞」 2015年(平成27年) 5月27日(水)より転載】

【革心24】

 少年宮の責任者は、訪中団一行に語った。

 「この少年宮では、放課後に、文芸、体育、科学技術、工芸、音楽などの教育を行っています。現在、毎日、千人ほどの児童が通って来ております」

 山本伸一たちは、合唱室、バイオリン室、民族楽器室、ハーモニカ室、舞踏室、卓球室などに案内された。教師の指導のもと、真剣に練習に励む児童の姿が印象的であった。

 合唱室では、子どもたちが、北海道民謡の「ソーラン節」を日本語で披露してくれた。
   

 [歌記号]ヤーレン ソーラン ソーラン……
   

 「ハイハイ」――伸一が合いの手を入れ、手拍子を打つと、訪中団一行が続いた。心は一気に解け合った。

 歌や楽器演奏、舞踊、絵画、スポーツ、料理等々、芸術、芸能、文化は、民族、イデオロギー、国境を超えて、人間が心と心を結び、握手を交わす手となる。

 合唱が終わると、伸一は言った。

 「謝謝! 謝謝! 上手です。日本の私たちへの最高のプレゼントをいただきました」

 一行は、児童たちと卓球にも興じた。子どもたちは、武術も披露してくれた。

 伸一は、訪問の記念に、コマ、けん玉、風船などの遊び道具や、創価の学舎に通う児童、生徒から託された絵画などを贈った。子どもたちは、真心と友情のプレゼントに目を輝かせ、こぼれるような笑みを浮かべて、喜びを表現していた。

 少年宮の子どもたちからは、お礼として、切り絵、墨絵、習字、版画が贈られた。

 「今日は、本当にありがとう。日本の子どもたちに、皆さんのことを、必ず伝えます。大きくなったら、ぜひ日本へ来てください」

 そして、皆で記念のカメラに納まった。

 友誼の泉は、未来へ、子々孫々へと、大河となって流れなければならない。伸一は、一過性の交流に終わらせぬために、ありとあらゆる努力を重ねようとしていたのだ。


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