和井弘希の蘇生

桂信子先生に師事。昭和45年「草苑」同人参加。現在「里」同人「迅雷句会」参加

勇将56/小説「新 ・人間革命」

2013年04月19日 08時31分21秒 | 今日の俳句
      小説「新・人間革命」

【「聖教新聞」 2013年 (平成25年)4月19日(金)より転載】

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勇将56(4/19)

 座談会場に到着しても、班長の有田幸二郎の神経痛は続いていた。
顔面は蒼白であった。彼は、トイレに入って休み、なかなか出てこなかった。痛みに呻く声が聞こえた。

 班担当員の信子は、“こうなったら、私が頑張ろう!”と腹をくくった。

 トイレにいる夫に言った。

 「あんた、出てきなはれ。出てきて、私の横で寝てなはれ」

 信子は、座談会場に置かれた座卓を前にして座り、夫の幸二郎を隣に寝かせた。
そして、静かに、落ち着いた口調で語り始めた。

 「ここにいるのは、私の夫です。私たちは四カ月前に、日蓮大聖人の仏法と巡り合い、信心しました。
それまで夫は、何年間も慢性の胃潰瘍に苦しみ、お粥しか食べることはできませんでした。
ところが、勤行を始めてから、漬物やお茶漬けが食べられるようになり、普通の食事ができるようになりました。

 しかし、夫には、もう一つ、大変な病があります。それが、この神経痛です。
医者は、原因がわからないと言います。でも、必ず、これも信心で乗り越えてみせます。
皆さん、夫の今の様子を見ておいてください。

 日蓮大聖人の仏法には、人間のもつ大生命力を涌現させる力があります。
だから夫は、医者がサジを投げた病を、信心を根本に克服しようと決意し、痛くとも、笑われても、こうして座談会に出席しているんです。
懸命に学会活動に参加しているんです。私たちは、この信仰で、必ず幸せになってみせます。その絶対の確信があるんです。

 信心したからといって、今すぐに、何もかも良くなるとは限りません。
宿業の軽重、信心の厚薄によります。でも、一生懸命に信心に励んでいけば、夫は必ず全快します」

 烈々たる確信であった。学会員に誘われて座談会に出席した友人たちは、信子の気迫にのまれたように、真剣な顔で話に耳を傾けていた。

 ほとばしる確信こそが、信仰の核である。それは、幸福創造の最大の源となるのだ。

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 「和井弘希の文芸政談」に掲載した俳句集
 http://u-736632kazui.hatenadiary.com/


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