和井弘希の蘇生

桂信子先生に師事。昭和45年「草苑」同人参加。現在「里」同人「迅雷句会」参加

共 戦(四十八)新・人間革命

2012年01月11日 13時36分04秒 | 今日の俳句
  新・人間革命

【「聖教新聞」平成24年1月11日(水)より転載】
http://m.seikyoonline.jp/


o☆:*:.♪o☆:*:.♪o☆:*:.♪


共戦48(1/11)
 山本伸一が、山口開拓指導で徳山入りし、「ちとせ旅館」を訪れたのは、一九五六年(昭和三十一年)十一月のことであった。

 その夜、この旅館で座談会が行われることになっていた。

 夕刻、女将の大山ツネが厨房にいると、背広姿の、きちんとした身なりの青年があいさつに来た。伸一である。

 「このたびは、大勢で押しかけ、大変にお世話になります。ご迷惑にならぬよう、細心の注意を払ってまいりますが、何かございましたら、遠慮なく、おっしゃってください。よろしくお願いいたします」

 実は、女将は、最初、たくさんの客が入ったことを喜んでいたが、出入りが激しいことから、いささか閉口していたのだ。しかし、伸一の礼儀正しさに驚き、”この人たちなら、何も問題はないだろう”と、安堵に胸を撫で下ろしたのである。

 誠実さは、礼儀正しい振る舞いとなり、そこから信頼が生まれるのである。
 この夜の座談会には、女将も派遣メンバーに誘われて、参加する約束をしていた。といっても、冷やかし半分で、女性の従業員と一緒にのぞいてみることにしたのだ。

 夜、仕事が一段落すると、彼女は、座談会に顔を出した。

 なんと、中心で話をしているのは、あいさつに来た、あの青年であった。

 実に堂々としており、その声には、強い確信があふれていた。

 伸一は、宿命転換の直道は、真実の仏法にあることを訴えたあと、女将に声をかけた。

 「女将さんも、何か、悩みがおありなのではありませんか」

 「息子が、来春、大学を卒業するんですが、まだ、就職が決まっていないんです。今は、それが最大の悩みです」

 もともと勝ち気な性格であり、悩みなど、人に語ったことはなかったが、つい相談したくなって、口に出してしまったのである。言ったあとで、”しまった!”と思った。



o☆:*:.♪o☆:*:.♪o☆:*:.♪

最新の画像もっと見る

コメントを投稿