和井弘希の蘇生

桂信子先生に師事。昭和45年「草苑」同人参加。現在「里」同人「迅雷句会」参加

福光(四十一)新・人間革命

2011年10月20日 07時01分46秒 | 今日の俳句
    新・人間革命

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    福 光(四十一)

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 メンバーのなかに、一カ月前に、勤めていた会社が倒産してしまった壮年がいた。二人の子どもは病弱で、生活は逼迫していた。


 その彼が、弘教のために、二十キロほど離れた友人宅を訪れた。話に夢中になり、終列車を逃してしまった。やむなく、列車の線路に沿って歩き始めた。


 彼は、この日、仏法対話の最後に、友人が放った言葉が、胸に突き刺さっていた。


 「人の家に、宗教の話なんかしに来る前に、自分の仕事を見つけてこいよ。それに、そんなに、すごい信心なら、なぜ、子どもが病気ばかりしているんだ!」


 壮年は、言い返した。


 「もちろん、仕事は必ず見つけてみせる。子どもも健康になるよ!」


 「それなら、そうなってから来るんだな。そうしたら、話を聞いてやるよ」


 友人は、終始、薄笑いを浮かべ、蔑むような言い方であった。


 夜道を歩き始めると、無性に悔しさが込み上げ、涙があふれて仕方がなかった。


 涙に濡れた頬に、ピシャリと水が滴り落ちた。雨だ。あいにく傘は持っていなかった。雨は、次第に激しくなっていった。


 全身、ずぶ濡れになった。家は遠い。


 自分が、すごく惨めに感じられた。


 「なんだよう、なんだよう……」


 やり場のない怒りを口に出し、泣きながら雨の夜道を歩いた。二時間ほど歩いたころ、文京支部の会合で山本伸一に激励されたことを、ふと、思い起こした。


 「折伏に行って、悪口を言われ、時には、罵詈罵倒されることもあるでしょう。また、悔しい思いをすることもあるでしょう。


 それは、すべて、経文通り、御書に仰せ通りのことなんです。その時に、負けるものかと、歯を食いしばって頑張り続けることによって、過去世からの罪障が消滅できるんです。仏道修行は、罪障消滅、宿命転換のためでもあるんです。そう確信できれば、『苦』もまた、楽しいではありませんか!」


【「聖教新聞・2011/10/20」より転載】
http://m.seikyoonline.jp/top/top?t=805&sk=377037b65d04f4e970507bffe8ed9125


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