和井弘希の蘇生

桂信子先生に師事。昭和45年「草苑」同人参加。現在「里」同人「迅雷句会」参加

革心59/小説「新・人間革命」

2015年07月08日 11時05分22秒 | 新・人間革命


【「聖教新聞」 2015年(平成27年) 7月8日(水)より転載】

【革心59】

 図書贈呈式に続いて、山本伸一たちは北京大学構内にある「臨湖軒」に招かれ、交歓のひと時をもった。日本語科の学生らが、沖縄民謡の「安里屋ユンタ」や、「故郷」を日本語で披露。教職員らの歓迎演奏もあった。
 その夜、宿舎の北京飯店に、四人の青年が訪ねて来た。八月に日本で交流を結んだ「中国青年代表団」の団長らであった。
 伸一は、団長を抱き、満面の笑みで迎えた。
 「ありがとう。再会できて本当に嬉しい。
 未来を考える時、いちばん大切なのが、青年との交流です。青年は最高の宝です。やがて新しい時代が来ます。二十年先、皆さんが立派になる姿が、はっきりと目に映ります」
 ――「青年よ! もしも美しき世界を実現したいなら、何よりも君自身を創造するのだ!」(注)とは、文豪・巴金の励ましである。
 団長を務めた青年が、申し訳なさそうに口を開いた。
 「一カ月前に、私たちが創価学会本部や聖教新聞社を訪れた折には、思い出に残る、真心こもる大歓迎をしていただきました。それに対して、今回、多数の学会の代表団が来られたのに、私たちの歓迎は、あまりにもささやかです。お詫びしなくてはなりません」
 すかさず、伸一の声が響いた。
 「何をおっしゃいますか。歓迎というのは人数や形式ではありません。真心です。友情の炎がどれほど大きいかです。皆さんが、ここに、こうして来てくださったこと、また、そのお気持ち、お心遣いこそが、最高の真心であり、最大の歓迎です。今日は、美しい一幅の、友情の名画を頂戴した思いです。私は皆さんのことを、永遠に忘れません」
 青年は、心なしか目を潤ませて言った。
 「ありがとうございます。これからも多くの中国の青年が、創価学会を訪問することになると思います。先生が架けられた友好の橋を、さらに立派なものにしていきます」
 「頼みます。学会の青年は、誠心誠意、最大の真心をもって皆さんを歓迎します」
 若き魂と魂の結合が、未来を開く力となる。
                                  
             
■ 小説『新・人間革命』の引用文献
 注 巴金著『巴金選集(中)』人民文学出版社(中国語)
                         
      

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