和井弘希の蘇生

桂信子先生に師事。昭和45年「草苑」同人参加。現在「里」同人「迅雷句会」参加

法旗(四十五)小説「新 ・人間革命」

2013年01月26日 07時02分22秒 | 今日の俳句
      小説「新・人間革命」

【「聖教新聞」 2013年(平成25年)1月26日(土)より転載】


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法旗45(1/26)
 学会員の友人は、病を克服するための根源の力は、人間の生命力にあると言い、それを引き出す方法を示しているのが仏法であると訴えた。
さらに話は、宿命に及んだ。


 岩田サワは、ハッとした。
いちばん疑問に感じていたことであったからだ。


 「自分が自覚していようが、いまいが、人は過去世からの宿命を背負っているのよ。
岩田さんが、ご主人を亡くしたことも、病に倒れたことも、宿命だわ。
でも、すべての人が、今世で、その宿命を転換し、必ず幸せになれる道があるの。
それを説いているのが、日蓮大聖人の仏法なのよ」


 友人の声には、確信があふれていた。
岩田は、圧倒されそうになりながら、彼女の話に耳を傾けた。


 友人は、三日間、岩田の家に滞在した。
その間に、時には体験を通し、また、御書を開いて、仏法がいかにすばらしいかを述べた。


 そして、「決して、人生をあきらめては駄目よ。
あなたには、本当に幸せになってほしいの。
いいえ、絶対になれるのよ」と、涙を浮かべて語るのである。
岩田の胸に、友人の真心が熱く染み渡った。


 友の幸福を願う至誠の帰結は、おのずから弘教となる。
折伏とは、慈悲の発露にほかならない。


 岩田は、友人の熱意に打たれて、信心しようと心に決めた。

“私の結核は、治らなくてもともと。
治ればもうけものだ”と思った。


 しかし、御本尊を受けるには大阪まで行かねばならないという。
彼女は、医師に、大阪に行かせてほしいと頼んだ。
最初、「とんでもない! 絶対安静です」と言われたが、懸命に頼み込むと許可してくれた。“回復の見込みがないのだから、今のうちに、好きなことをさせてもいいのではないか”と、考えたようだ。


 岩田は、友人と船で大阪に向かった。
そこで座談会にも出席した。
結核などの病を克服した体験も聞かされた。
でも、彼女は、そのまま信じる気にはなれなかった。


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