街の店先には母の日のプレゼントが目に付きだした。
二人の母は既に亡くなっているが「母の日」は巡って来る
毎年、母の日には日頃の感謝の気持ちを込めてプレゼント
お姑さんは花が大好きな繊細な感性の持ち主だったので
毎年鉢植えのお花をプレゼント
私の母はお洒落が大好きな人だった
何時も綺麗にお化粧をして母の素顔は余り見たこともない
施設に入所してからも段々と自分を無くして行く中にあっても
私に「お化粧品を持って来て欲しい」とねだった。
その母には毎年母の日にはセーターやブラウスなどを
プレゼントしていた
母が亡くなって母のタンスを整理した時に私からのプレゼント
した数々の懐かしい洋品を目にした。
整理整頓が大好きで暇が在ると片付けをしていた
几帳面な母だから綺麗にたたまれて保管されていた。
施設の中では食べこぼしたり汚れが激しいので洗濯の出来る
素材のトレーナーとかフリースなどを着せていたので
元気だった頃に私がプレゼントしたお洋服がまだ袖を
通す事無くタンスの中で出番を待っていた。
最期まで家に戻る事無く大事に取っておいたお洋服も
結局「母の日のカーネーション」が付いたままで着て喜ぶ顔を
見せてくれることもなくあの世に旅立った。
ついつい母の日が近づくと今年は何をプレゼントしようかと
二人の母の嬉しそうな顔が思い出され既にその時は
終わりを告げていることを哀しく想う