古森病院@福岡市博多区 病院管理者のブログ

ベイサイドプレイス近隣にある長期滞在型病院です。投稿記事は管理者の独自見解であり、医療法人の見解ではありません。

障害福祉サービス(医療ケア児のレスパイト)

2023-09-27 00:02:15 | 日記
古森病院@福岡市博多区です。

当院は老人病院なのですが、数年前 福岡県からの要請に応じて
障害福祉サービスに手挙げし、大変面倒な申請手続きをして(どうして長年稼働している施設に
こんなに大量かつ面倒な書類を出させるのか、理解できません。新規開設ではないのと、医療法人の認可は非常に厳しいので、
そういう既存の施設なら、少しは申請手続きを簡略化することを考えてくださらないと
受け入れ施設が増えないと思います)空床利用型の障害福祉サービス短期入所施設になりました。

後天的に障害をもつことになった大人はたくさんいますので
受け入れ先は 介護保険施設を含め いろいろありますが
問題は医療ケアを必要とする小児の受け入れ先が 非常に乏しいことにあります。

当院は老人施設なのですが、どこの医療施設でも、
高齢者と小児を混合病棟にしているところ、そして病院のお見舞いで
小児(学童学生や乳幼児)を出入り自由にしているところは、通常ありません。

理由は、小児は小児特有の感染症がたくさんあり
(アデノウイルスだの、ロタウイルスだの、水痘/麻疹/風疹ウイルスだの、RSウイルスだの、溶連菌だの・・・)
小児は生きている時間が短いので、免疫がないために たくさんの感染症にかかり、あらゆるウイルスを拾い
それを周囲にばらまきます。
ですから、学校ではよく感染症が流行し、あげく学級閉鎖や学校閉鎖に追い込まれるのは
ご存じのことと思います。
そういうウイルスを 免疫は多少あっても、体力の弱っている高齢者にばらまかれるのは 感染対策上 非常に問題があります。
ご家庭でも、感冒症状のある子どもは 80歳以上の高齢者には近寄らせないようにしていると思います。
そういうことで、小児と高齢者は(ごく短時間ならまだしも)ずっとは同じ空間におけないのです。

したがって、障害のある医療ケア児を受け入れてあげたいのは
やまやまですが、

当院には小児科医がいない(まあ、ここは個人的経験(子育て)から、小学生以上は
何とかするとして)上に、重症高齢者が多数いることからして

「ご家庭や本人の事情で、学校に行くことをあきらめた方」なら、職員との話し合いの下、
なんとか努力しますが、

「学校に行きながら」
「週末だけレスパイトでやってくる」
(つまり感染症をもらって もちこんでくる)方の受け入れは
難しいです。

とくに現在は新型コロナウイルスの関係がありますので・・・

切羽詰まった方のお電話をお断りするのは 本当に心苦しいですが

小児と高齢者という(しかも当院の高齢者は 他の施設では医療行為が多くてみれないという
重症の方が多いです。これは小児の方も事情は同じでしょう)最悪の組み合わせというのが
設定に無理がありすぎるのです。

あとは、小児は未来があるので 小児の専門性のない身にとっては
責任が極めて重たいということもあります。
かといって、親御さんが大変だということも理解できますし・・

なので、ショートロングステイの方で大変困っている方(学校は難しいですが・・長期休暇(夏休み、冬休み、春休みだけとかなら、まだ話し合いの余地がありますし
痰の吸引がまあまあ多いとか、気切があるとか、簡易な人工呼吸器であれば、障害福祉サービスではなく、医療保険で1か月単位で受け入れられます)
ご相談くださいますよう・・お願いいたします。

https://komori-hp.cloud-line.com/



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