古森病院@福岡市博多区です。
少し前ですが、女子高生の野球部マネージャーが
学校内で心肺停止で死亡という記事がありました。
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練習後走り倒れた女子マネジャー死亡 新潟の高校野球部
2017年8月6日17時05分 朝日デジタル
新潟県加茂市の加茂暁星高校で7月、野球部の練習直後に倒れ、意識不明になっていた2年生の女子マネジャー(16)が、5日に入院先の新潟市内の病院で亡くなったことが県警への取材で分かった。死因は低酸素脳症だった。
野球部の女子マネジャー、ランニング後に倒れ意識不明
同校によると、女子生徒は7月21日午後5時半すぎ、同校から約3・5キロ離れた野球場での練習に参加。午後7時半ごろに練習を終え、男子部員と一緒に走って学校に戻った直後、玄関前で倒れたという。
女子生徒は普段、球場を行き来する際は、用具などを積み込むマイクロバスに乗っていた。この日はけがをした部員がバスに乗るなどしたため、監督が「マネジャーはマイペースで走って帰るように」と指示していた。女子生徒が倒れた直後、駆けつけた監督は「呼吸は弱いけれどある」と判断し、救急車が来るまでの間、AED(自動体外式除細動器)は使用しなかったという。
女子生徒は救急搬送された病院で治療を受けていたが、5日午後6時すぎに亡くなった。加茂署は業務上過失致死の疑いも視野に、関係者から事情を聴く方針。同校は朝日新聞の取材に対し、「生徒のご家族には誠意を持って対応し、このようなことが起こらないように対策を取りたい」とコメントしている。
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そばにいた方が 当該女子高生が呼吸があると判断した以上
医師が何といおうが、とくに若い女性の胸を衆人環視の中
はだけて AEDの電極パッドを貼ることは
相当な心理的抵抗があると思います。
管理人はその昔 一次救命講習を一般市民の方に
何回も行ったことがありますが
特に女性の胸部にAEDの電極パッドを貼ることについては質問が多く
「女性にはできん」と男性ほど言われます。
実際はAEDは電極パッドを貼ったら、電極パッドの上からタオルでも服でもかけて
構いませんし、胸部でなくても両脇に電極パッドを貼ってもいいのですが
ちょうどブラジャーのラインにかかるので
外さないといけなくなり、ブラキャミを着ていなければ難しいかもしれません。
一般市民の方々への一次救命講習はわかりやすく、普及しやすく というのが至上命令ですので
今回の方の呼吸は「死戦期呼吸」の可能性があり、死戦期呼吸の場合
心停止と同様など教えることはほとんどありません。
普通でない呼吸 という言い方をしている
こともありますが、一般市民の方には何が普通で何が普通でないか 不明の方も多いと思いますし
話を難しくしていくと、どんどん救命処置を行う気分から遠ざかります。
また心肺停止の発症の仕方がてんかん発作様であったという事例も少なくありません。
一般市民の方のAEDの扱いを含む救命処置は難しいなあ とつくづく思います。
昔 救命処置ガイドライン2000 という救命処置の手順を統一した世界基準が発表され
全国の公共施設にAEDが配置されることになったとき
「そんな面倒くさいことを引き起こしそうなものは設置しなくてよい」
という声が少なからず当該施設の方々からありました。
AEDを置いてなくて「なぜ置かないか」と言われても
「予算がないので」と言えばいいかもしれませんが
置いて居れば「なぜ使わなかったのか」と絶対に言われるからです。
医師は気軽に「電極パッドを貼ればいい」と言いますが、一般市民の方から見れば
万一誤作動で何かあったらどうしよう・・・責任は・・・と不安に思うでしょう。
またAEDは維持メンテナンスに結構お金がかかります。
パッドの交換も必要ですし バッテリーチェックも必要です。
ガイドラインが変更になったら(5年おきに変更)プログラムも変えないといけません。
AEDは置いていたけど、バッテリーがなくなっていたということになると
当該施設が叩かれます。
なんかこう、こういう犯人捜しのような報道を見ると
本末転倒のような気がしてなりません。
AEDがあれば必ず助かるというわけでもありませんし。
亡くなった高校生の方はもちろん
女子マネージャーの方のご遺族も そばにいた監督さんも。
気持ちのやり場がないでしょうね・・・。
http://komori-hp.cloud-line.com/
少し前ですが、女子高生の野球部マネージャーが
学校内で心肺停止で死亡という記事がありました。
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練習後走り倒れた女子マネジャー死亡 新潟の高校野球部
2017年8月6日17時05分 朝日デジタル
新潟県加茂市の加茂暁星高校で7月、野球部の練習直後に倒れ、意識不明になっていた2年生の女子マネジャー(16)が、5日に入院先の新潟市内の病院で亡くなったことが県警への取材で分かった。死因は低酸素脳症だった。
野球部の女子マネジャー、ランニング後に倒れ意識不明
同校によると、女子生徒は7月21日午後5時半すぎ、同校から約3・5キロ離れた野球場での練習に参加。午後7時半ごろに練習を終え、男子部員と一緒に走って学校に戻った直後、玄関前で倒れたという。
女子生徒は普段、球場を行き来する際は、用具などを積み込むマイクロバスに乗っていた。この日はけがをした部員がバスに乗るなどしたため、監督が「マネジャーはマイペースで走って帰るように」と指示していた。女子生徒が倒れた直後、駆けつけた監督は「呼吸は弱いけれどある」と判断し、救急車が来るまでの間、AED(自動体外式除細動器)は使用しなかったという。
女子生徒は救急搬送された病院で治療を受けていたが、5日午後6時すぎに亡くなった。加茂署は業務上過失致死の疑いも視野に、関係者から事情を聴く方針。同校は朝日新聞の取材に対し、「生徒のご家族には誠意を持って対応し、このようなことが起こらないように対策を取りたい」とコメントしている。
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そばにいた方が 当該女子高生が呼吸があると判断した以上
医師が何といおうが、とくに若い女性の胸を衆人環視の中
はだけて AEDの電極パッドを貼ることは
相当な心理的抵抗があると思います。
管理人はその昔 一次救命講習を一般市民の方に
何回も行ったことがありますが
特に女性の胸部にAEDの電極パッドを貼ることについては質問が多く
「女性にはできん」と男性ほど言われます。
実際はAEDは電極パッドを貼ったら、電極パッドの上からタオルでも服でもかけて
構いませんし、胸部でなくても両脇に電極パッドを貼ってもいいのですが
ちょうどブラジャーのラインにかかるので
外さないといけなくなり、ブラキャミを着ていなければ難しいかもしれません。
一般市民の方々への一次救命講習はわかりやすく、普及しやすく というのが至上命令ですので
今回の方の呼吸は「死戦期呼吸」の可能性があり、死戦期呼吸の場合
心停止と同様など教えることはほとんどありません。
普通でない呼吸 という言い方をしている
こともありますが、一般市民の方には何が普通で何が普通でないか 不明の方も多いと思いますし
話を難しくしていくと、どんどん救命処置を行う気分から遠ざかります。
また心肺停止の発症の仕方がてんかん発作様であったという事例も少なくありません。
一般市民の方のAEDの扱いを含む救命処置は難しいなあ とつくづく思います。
昔 救命処置ガイドライン2000 という救命処置の手順を統一した世界基準が発表され
全国の公共施設にAEDが配置されることになったとき
「そんな面倒くさいことを引き起こしそうなものは設置しなくてよい」
という声が少なからず当該施設の方々からありました。
AEDを置いてなくて「なぜ置かないか」と言われても
「予算がないので」と言えばいいかもしれませんが
置いて居れば「なぜ使わなかったのか」と絶対に言われるからです。
医師は気軽に「電極パッドを貼ればいい」と言いますが、一般市民の方から見れば
万一誤作動で何かあったらどうしよう・・・責任は・・・と不安に思うでしょう。
またAEDは維持メンテナンスに結構お金がかかります。
パッドの交換も必要ですし バッテリーチェックも必要です。
ガイドラインが変更になったら(5年おきに変更)プログラムも変えないといけません。
AEDは置いていたけど、バッテリーがなくなっていたということになると
当該施設が叩かれます。
なんかこう、こういう犯人捜しのような報道を見ると
本末転倒のような気がしてなりません。
AEDがあれば必ず助かるというわけでもありませんし。
亡くなった高校生の方はもちろん
女子マネージャーの方のご遺族も そばにいた監督さんも。
気持ちのやり場がないでしょうね・・・。
http://komori-hp.cloud-line.com/