古森病院@福岡市博多区 病院管理者のブログ

ベイサイドプレイス近隣にある長期滞在型病院です。投稿記事は管理者の独自見解であり、医療法人の見解ではありません。

お・く・す・り手帳

2014-06-20 11:22:51 | 日記
こんばんは。
古森病院@福岡市博多区です。

今日はお薬手帳についての話題です。

お薬手帳とは http://www.apha.jp/medicine_info/entry-20.html


以下 長文ですが、ダイアモンドオンライン引用  http://diamond.jp/articles/-/49421

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「4月から医療費が変わる!おくすり手帳は持つべきか、持たざるべきか」

4月から医療費が改定される。
 日本の医療費は全国一律の公定価格だが、2年に1回、その時々で必要な医療体制、物価や賃金水準などを考慮しながら決められる。
 今年は、その改定の年に当たっている。消費税率の引き上げもあり、それに伴う措置として医療機関にかかるときの基本料金である初・再診料、入院基本料などは値上げされる。
 一方、医療の効率化を図るために、反対に引き下げられるものもある。そのひとつが調剤薬局での「おくすり手帳」の扱いだ。患者が、おくすり手帳をもつかもたないかによって、医療費に若干の違いが出るようになるため、少しでも節約したい人は要チェックだ。

「おくすり手帳を持たないと  1回20円の節約になるが…」

 おくすり手帳は、医療機関で処方された薬の情報を記録し、服用履歴を管理するために作られた手のひらサイズの手帳だ。もともと、一部の医療機関や調剤薬局で始まったサービスだったが、薬の飲み合わせチェックなどの効果が期待されて2000年から国の制度になった。
 薬を調剤してもらうときには、薬代のほかに、調剤技術料、薬学管理料といった薬局への報酬がかかる。
 おくすり手帳に情報を書き込むことで薬局が得られる報酬は、「薬剤服用管理指導料」に含まれており、現在は410円。たとえば、70歳未満の人は3割の130円を自己負担する。
 調剤した日、薬の名称、用法、用量、服用時に注意することなどを手帳に記載することが、報酬を得るための条件だ。

 おくすり手帳への情報提供のほか、薬局が薬剤服用歴管理指導料を得るためには、「患者が飲み残した薬の数の確認」「医師が処方した薬にジェネリックがあるかどうかの情報提供」をすることも条件で、3つが揃ってはじめて410円を算定できることになる。
 だが、実際には、おくすり手帳を持っていない患者もいて、薬局で薬剤名が書かれたシールを渡しても手帳に貼られず、意味をなしていないケースもある。
 そこで、4月からは、おくすり手帳を必要としない患者の薬剤服用歴管理指導料は、1回あたり340円に引き下げられる。70歳未満の人の自己負担額は110円なので、現在よりも20円安くなる。
 日ごろから健康で、医療機関を利用するのは数年に1回、風邪をひいたときくらいで、おくすり手帳の必要性を感じていない人もいるだろう。4月以降は、そうした人は、「おくすり手帳への記載は必要ありません」と伝えれば、薬剤服用管理指導料はわずかだが節約できる。もちろん手帳を持っていない患者には算定できない。医療費を少しでも節約したい人は覚えておきたい変更だ。

「服薬指導のタイミングまで 国が口をだす背景には」

 処方されても飲まずに捨てられている薬は、年間400億円にも上ると推計されている。また、先発品よりも価格の安い後発品の普及もなかなか進まない。そこで、国は医療費削減のために、残薬の管理、後発医薬品の使用割合を高めることを目標としており、薬剤師から患者への情報提供を行うことを期待している。おくすり手帳への調剤報酬が変更されたのも医療費削減が理由だが、今回は服薬指導のタイミングにまで注文が付けられた。
 現在、ほとんどの薬局では、薬を揃え、必要な書類を作ってから、患者への服薬指導をしている。だが、その時点で、飲み残した薬はどれくらいあるのか、患者がジェネリックを希望しているかどうかを聞いても後の祭りだ。
 4月以降は、薬剤服用歴管理指導料を算定するためには、処方せんを受け付けた時点で、残薬の数、後発医薬品の使用を患者が希望するかどう確認しなければいけなくなる。
 本来、服薬指導のタイミングなどは、各薬局が独自の判断で行えばいいもののはずだが、国がこうしたことまで口をはさむ背景には、調剤薬局に厳しい目が注がれるようになっているのが理由のひとつだ。
 大多数の薬局は法令に従って、患者のために真摯に業務をこなしている。だが、一部の調剤薬局チェーンのオーナーが破格の報酬を得ていることが批判されており、医薬分業によって病院から調剤薬局に移った医療収入が、「調剤バブル」と揶揄されるまでになっているのだ。
 医療費の仕組みは複雑で、明細書をみても、一般の人がその金額が正しいかどうかを見分けるのは難しい。だが、日本の医療制度は、健康保険料や税金で賄われる国民共通の財産だ。薬局が法令を遵守するのは当然だが、医療制度を健全に運用していくためには、患者も自らが使う医療費に関心を払う必要があるだろう。

「おくすり手帳を上手に使って健康管理に役立てる」

 今回の診療報酬改定では、医療費削減のためにおくすり手帳への情報提供は必ずしもしなくてもよくなった。だが、国民の健康を守るという観点からすると残念なことでもある。
 薬は正しく服用すれば病気の回復を助けてくれるが、使い方を誤ったり、飲み合わせを間違えると、大きな事故につながることもある。それを防ぐための重要なアイテムがおくすり手帳だ。
 薬局では、薬の名称、飲み方や使い方、1回の用量、副作用などが書かれた薬剤情報提供書が渡される。これを読めば、渡された薬の内容は分かるが、その他にも医療機関にかかっていて薬を服用している場合の飲み合わせまではチェックできない。
 おくすり手帳は過去に処方された薬の情報を1冊にまとめているので、手帳をみれば「他の医療機関から処方された薬との飲み合わせは問題ないか」「以前にのんだ薬で副作用が出たものはないか」といったことが判断できる。
 旅先で体調を崩して、現地の医療機関にかかった場合も、おくすり手帳を持っていれば、ふだん服用している薬がわかり、適切な治療も受けやすい。また、東日本大震災では、おくすり手帳を持っていた人は避難所での治療や薬の処方もスムースに受けられ、患者も医療者もその存在の有難さを実感していた。
 4月以降、医療費を少しでも節約したい人は、おくすり手帳への情報提供は省くのもひとつの手段だ。だが、希望者は、これまでと変わらない価格でおくすり手帳への情報提供を受けられるので、持病があって定期的に薬を服用している人やアレルギーがある人などは、自分の身を守るために引き続きおくすり手帳を持つことを勧めたい。
 せっかく医療費を支払って情報提供してもらうのだから、おくすり手帳は健康管理に役立つように最大限に活用したいもの。ときおり、医療機関ごとにおくすり手帳を分けている人を見かけるが、過去の服用履歴をまとめておくものなので、手帳は1冊にまとめるのがポインだ。
 また、アレルギーの有無、過去に飲んだ薬による副作用、ふだんよく使う市販薬やサプリメントなども記入しておくと、思わぬ健康被害を防いでくれて、薬剤師から適切なアドバイスも受けやすくなる。
 おくすり手帳を「持つ」「持たない」の判断は、家計の節約だけではなく、自分の身体の健康を考えた上で決めるようにしたい。

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引用終わり

 実は、医療従事者に対しては 薬剤服用歴管理指導料は取れないことになっているようです。
従って、我々は自分が医業についていることを薬局に申し上げれば、お薬手帳の点数が掛かりません。
(管理人は今のところ、定期的に飲んでる薬もないのと、いちいち自分が医師だなど外部の薬剤師に言いませんので おとなしく払っています。)

 以前に比べると、外来で他院で出されている薬の内容が分からなくて困ることは
お薬手帳のおかげで随分減りました。
それでも外来患者さんに、「えーと、あの...ピンク色の...」とか「白くて、えーと...丸い薬!」と言われることは決して珍しくありません。ピンク色の薬も白くて丸い薬もたくさんある上、錠剤の色ではなく、薬の入っているヒートの色だったりするので、色や形ではわからないのです。。。

 困ったので、この本を買う羽目になりました。当院のは2014年版です。
買ってから知りましたが、この本に写真が載っていない薬も結構ありました・・。

http://www.amazon.co.jp/%E8%96%AC%E3%81%AE%E4%BA%8B%E5%85%B8-%E3%83%94%E3%83%AB%E3%83%96%E3%83%83%E3%82%AF%E3%80%882015%E5%B9%B4%E7%89%88%E3%80%89-%E6%A9%98-%E6%95%8F%E4%B9%9F/dp/4883379329/ref=sr_1_2?ie=UTF8&qid=1403168430&sr=8-2&keywords=%E3%83%94%E3%83%AB%E3%83%96%E3%83%83%E3%82%AF

 何を内服しているか不明の方は、仕方がないのでどこの調剤薬局かお伺いして連絡したり、
了承を得てかかりつけに直接電話したりして、出来るだけ何を飲んでおられるか把握するように努めています。が、患者さんによってはかかりつけ医に気兼ねされ、(治らないからという理由で来院された方は特に)電話ができないこともしばしばあります。調剤薬局はかかりつけ医に比して、気軽に答えて頂けるので、非常に助かります。

 とどのつまり患者さんに薬の内容を把握して頂ければいいことで、お薬手帳でなくてもいいから、例えば処方箋や薬そのものを携帯カメラで撮るとか、日付とともに手帳にメモるとか(薬品名だけでも良いです)していただければ結構です。一回20円の節約になりますし(3割負担での話ですから、保険者負担では残り7割で40円強となり医療費削減にも効果はあるでしょう)薬も自身で把握できますし、管理能力があって医療費の支払いを少なくしたい方には、お勧めの方法だと思います。

 この話題は次回も続きます。


 古森病院ホームページ  http://komori-hp.cloud-line.com/

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