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岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

『ストリート・オーケストラ』 観ました。

2016-10-03 19:23:27 | 映画・DVD 

この週末は母の介護で終日自宅にいました。

逆流性食道炎を再発したので夜も気を抜けませんでした。

食物はもちろん水分もなかなか摂りません。

それでも、今朝は快復してきて無事施設に行きました。

見送った後、洗濯や後片付(これが結構大変でした)をして一段落後、街に出かけました。

ストレス解消は映画を観ることと決めています。

あまり重くないものを観ますが、意外と重かったりします。

 

さて、『ストリート・オーケストラ』についてです。

「ストリート・オーケストラ」という題名からは「街のオーケストラ」という軽い感じですが、

どっこい。街の人々の描写がするどい。

ブラジル・サンパウロで起こった実話です。

サンパウロもリオ同様に貧富の差が激しい街です。

スラムでの生活や教育環境は劣悪と言っていいでしょう。

主人公はかつて神童といわれたヴァイオリニストのラエルチ。

しかしサンパウロ交響楽団のオーディションに落ちてしまいます。

食つなぐためにスラムにある学校のヴァイオリンの教師になります。

しかし楽器を弾く生徒は楽譜も読めず演奏技術もありません。

スラムはギャングが仕切っています。

生徒の一人はなんとギャングから金を借りています。

偽のカードを造る資金です。まるでチンピラ。

 が、生徒たちはあまり罪悪感がありません。

ギャングはギャング。借金の取り立てが厳しく日々脅かされています。すぐに拳銃が出てくる世界です。

そんな生徒ですが、音楽が持つ力に気が付くようになります。

一人の生徒は「音楽は心の中に棲む獣を癒してくれる」といった意味のことを話します。

この音楽の力は、全編を通して流れる名曲の数々で観客に届きます。

フルオーケストラの迫力は映画館の音響ならではです。

映像も素晴らしい。

夜のシーンが多いのですが暗闇の中の街の明かり。

暗闇を見つめる人々。

スラム街には煌々たる灯りはありません。

この映画の原題は「ヴァイオリン教師」。

教師自身も交響楽団の奏者を目指します。

生徒たちの憧れです。

彼らがスラムから抜け出すのは「狭き門」です。

 

【作品情報】
『ストリート・オーケストラ』
公開日:2016年8月13日(土)より全国順次公開
監督・脚本:セルジオ・マシャード
出演:ラザロ・ハーモス、カイケ・ジェズース、サンドラ・コルベローニ 
特別出演:サンパウロ交響楽団、エリオポリス交響楽団


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