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岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

【障がい者】就業支援事業の実践報告会を聞く。

2004-12-13 13:21:52 | 社会福祉士
障がい者の一般就労は、なかなか難しい。
特に今のような時代は本当に大変だ。

授産施設や作業所で働くことを、福祉就労、
民間企業で働くことを一般就労というが、
福祉就労から一般就労に移行することが
実際にはほとんどできていないのでは
ないだろうか。

そのため、ジョブコーチ(職場適応援助者)が
障害者の就業支援(就職活動、就職中の援助)を
行い始めた。
障がい者の場合、職場の理解がなければ仕事
をすることが困難なことが多い。就職できれば
なんとかなるというわけにはいかない。
そのため、ジョブコーチが就職後も職場を訪問し、
相談にのることになる。
この日も働く障がい者の方からの話をお聞きしたが、
大変である。特に、人間関係に悩み、ストレスが
たまって、帰宅後も部屋に閉じこもる、荒れると
いう話も聞いた。

私の感覚では、福祉就労の場合、職員の仕事の
7~8割は、人のことを考えている。ところが
一般就労では、人のことは2割程度しか考えて
いない。人のことを考えていては仕事にならない
という気持ちがある。効率を重視する。
当然、ストレスは溜まるが、なんとかやっていく。

ところが、障がい者はそれができない。
ストレスに弱い⇒続かない⇒意欲がない、
と思われ、人間関係もぎすぎすしてくる。
ストレスのはけ口になるケースも多い。

ところで、私は今の「民間企業の仕事、イコール
まともな仕事という考え」には頷けない。

授産施設や作業所の仕事や人間関係の方が
よほど、人間的なのである。
ストレスが溜まらない。
それは仕事が簡単ということもあるが、
それより、お互いを思いやり、助け合うという
人間本来の特性が発揮できるという点だと思う。
もちろん、人間関係でいろいろもめることも
ある。それもひっくるめて人間的だと思える。

そこでは人間にはいろいろな人がいると
いうことが前提である。これができなければ
必要ない、という世界ではない。

「人々の連帯」といった時に描くイメージは、
いろいろな人がいる、そしてそれを受け入れる
ことが
できるということが前提である。

私は企業の中ではなかなか連帯を感じることが
できなかったが、地域ではそれを強く感じる。

現代人の労働には大きな問題があると思う。

確かに、勤労は国民の義務である。しかし、
日本国憲法には、勤労の中身は書いていない。

「働くとはどのようなことか」。今でも、いや
今だからこそ、真剣に考えなくてはならない
と思う。

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