"紅葉の美しい所は必ず新緑も美しい"の原則は外れることはありません。
嵯峨野で新緑の美しいお寺の一番はここ宝筐院だと思います。
駒札にあるように宝筐院の歴史は平安時代に白河天皇の創建によります。
南北朝時代に夢窓疎石の高弟・黙庵禅師が入寺し、室町幕府の保護のもと伽藍が整備されました。
新緑の苑路を進むと早くも紫陽花の開花が始まっていました。
本堂へ上がりご本尊の十一面千手観音さまにお詣りし、後ろを振り向くと緑の絶景が待っています。
嵯峨野には嵯峨釈迦堂(清涼寺)や二尊院、祇王寺、野宮神社など有名どころが有りますが、宝筐院は人も少なく穴場的な存在です。
嵐山で人力車をされている"ゑびすや"さんの車夫さんもここ宝筐院をよく案内されています。
庭園の西奥には墓石が二基あります。
向かって右の墓は"小楠公"と呼ばれる南北朝時代南朝方の武将・楠木正行(くすのき まさつら)の首塚です。
左は室町幕府二代将軍義詮(よしあきら)の墓です。
楠木正行は大阪四條畷(しじょうなわて)の戦いで北朝方の大軍と戦い23歳の若さで討ち死します。
黙庵禅師はその首級を持ち帰り生前の交流から当寺に葬りました。
正行の話を黙庵禅師から聞いた室町幕府二代将軍義詮は、正行の人柄を褒め称え、自身の死後、正行の首塚の傍らに葬るように命じたと伝わります。
そんな由緒で北朝方の足利義詮の墓と南北方の楠木正行の首塚とが並んでいる訳です。
苑路には草花も多く"花の寺"でもあり"苔の絨毯"も美しいです。
春と秋には必ず訪れるお寺です。
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