Hさんのサービス精神
今回の激論のパネリスト選定はほぼ私がした。今回は私がするよりなかった。というのも、多くのスタッフが、今回の激論の大枠をイメージできていなかったこともあったが、ある意味、静岡中央高校という公共空間に位置する人間は私しかいないと思ったからだ。そういう意味では私の人脈のすべてを探って今回の選定をした。
話はすこし飛ぶが、激論といえば、テレビ朝日系列の「朝まで生テレビ」(以下「朝生」と略)が有名で、もちろん、今回の企画は、朝生をかなり意識して企画した。ボランティアのSさんが
「朝生のパネリスト入場音楽がダウンロードできそうですよ」
といってくれたけど、そこまでパクるとねぇ(笑)、ま、やめたんです。今回は上品にモーツァルトでした(笑)。で、入場の仕方はパクったんだけどね。
その朝生でかつて有名なパネリストの一人であった野坂昭如が朝生を
「娯楽番組/お笑い番組」
と呼んだことがあった。今回の激論にそこまでを要求するのはお互いの〈余裕〉からいって無理だろうと思っていた。で、しかし、わたしなりにおもしろいことをいったり、中には少し、論点からずれるかもしれないが討論の刺激になるかも知れない、という方にもパネリストをお願いした。
そのなかで、本格的な
格闘技としての激論
をしてくれそうな人として去年の倫理の受講生のHさんをかなり前から口説いた。その論理構成力から、説得力から、パフォーマンスの力から、まちがいなくおもしろい、と思ってもらえるのではないか、と私なりに考えた。
事実、彼は、私から見て、故意に、論争を巻き起こそうと努力してくれた。ちょっとヒール(悪役)的な役をしてくれて、お陰で、客席にいた生徒さんから、
Hさんの横にいた彼(Sさん)が自分の意見を言いたそうにしていたのに、言えない姿をみて、応援したかった
という感想をいただいた。確実に、Hさんのパフォーマンスはウケていたのだ。私は、そういう意味で、Hさんのサービス精神に感謝したいと思った。彼は、今回の激論の筋がなかなかみえてこず、本番が近づいてきたとき、打ち合わせをしなくていいのか、と何度か声をかけてくれたのだった。私にとって、今回、そういうつながりをつくれたことが大変有意義だった。それは、ただHさんだけではない。
客の入り
今回のテーマがどこまで中央高校生に訴えたか、そして、どこまで、パネリストが一般の人たちにウケたか、私にはわからなかった。私は私なりに司会の任を全うすることを考えていただけだった。11時から2時30分までの約3時間30分、客が入ってはでていった。午前中の入りに比べ午後は悪いなと確実に思った。議論もなかなかうまくかみあわなかった。
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☆コメンテーターとして参加させていただきました。
☆まずは、こうした企画を実現させたことに敬意を表します。
☆観客の入りについては、初めての試みで、しかもお笑いでしなく、まじめな討論の企画としては、まずまずではなかったでしょうか。
☆私自身は、コメントを述べる立場として、①自分が率直に述べたいこと と、②今、自分がどんなことを述べたら受け入れられるか、ということ、また、③発言をする効果的なタイミング、などを考えながら参加させてもらいました。そういう意味で、良い経験、トレーニングの場となりました。
☆貴重な体験の場を与えてくださり、木村先生はじめスタッフの皆さん、どうもありがとうございました。
■このイベントは、私のある意味の、一つの到達点でした。ここまでくることを目指していたフシがあります。■50歳を過ぎた私の体力と気力では、現在の負担はあまりに加重です。先日風邪でダウンしましたが、限界という感じでした。■しかし、川嶋さんのような協力者がいなければ、この企画は成り立ち得ません。そういう意味では杉山氏と横地氏の協力もありがたかった。■私は、評議委員会をイメージしてこの企画を進めました。外部をいれつつ、内部を変えていく、これがどこまで具体的にできるか、いやはや大変です。■授業評価制度を生徒の主導で行っていくこととともに、現在の私の到達点でした。