この本、鈴木翔著『教室内(スクール)カースト』(光文社新書)は、一度通読している。2012年12月に出版されているのだが、著者鈴木翔は当時、東京大学の大学院生、教育社会学専攻となっている。私がかねてから注目している本田由紀のゼミの所属のようである。本田が解説を書いている。
鈴木によればこのスクールカーストという用語は森口朗の『いじめの構造 (新潮新書)』のなかで展開されていた用語である。
カーストというのは、インドの階級制度の名前だが、いわば身分制度というのが彼らがこの言葉で言おうとしていることだ。学校には、明確な身分が存在している、それが彼らの主張だ。私も学校で教員をしていてその存在は間違いなく確認している。このカーストといじめを関連させることは容易に想像できる。
こうしたスクールカーストを映像化したのが、映画『桐島、部活やめるってよ』だ。時間の余裕があったら、小説(桐島、部活やめるってよ (集英社文庫))のほうもみてみたいが、映画はおすすめである。高校生を読み解く上ではきわめて示唆に富む映画だ。こうした、スクールカーストを正面からとりあげ、いじめと強く関連させたドラマが米倉涼子主演の『35歳の高校生』(下写真)だ。もしよければTSUTAYAでレンタルされるといいと思う。
映画『桐島、部活やめるってよ』予告編
『教室内(スクール)カースト』鈴木 翔さんライブトーク!!