2020年5月、香港の西九龍裁判法院に出頭した「蘋果日報」の創業者、黎智英(ジミー・ライ)氏(画像:Yung Chi Wai Derek / Shutterstock.com)。

 

《ニュース》

中国政府への批判的な論調で知られた香港の新聞「蘋果日報(アップルデイリー)」の創業者、黎智英(ジミー・ライ)氏が香港国家安全維持法(国安法)違反の罪などに問われている裁判で、2日、罪状認否が行われました。ライ氏は起訴された全ての内容を否定しました。3日付産経新聞や2日付サイス・チャイナ・モーニング・ポストなどが報じています。

 

《詳細》

ライ氏は、国安法で規定された「外国または域外勢力と結託し、国家の安全に危害を加える罪」2件と、刑事罪状条例違反の罪(煽動出版物発行などの共謀罪)1件に問われており、その裁判が昨年12月18日から始まっていました。

 

検察側は、ライ氏が蘋果日報の記事や海外メディアとのインタビュー、元米政府高官を含む海外のさまざまな関係者との接触などを通して、香港と中国本土の両方に対して、制裁や封鎖、その他の敵対的な活動への参加を働きかけたと非難しました。

 

陪審員なしで3人の裁判官に審理される同裁判は、今年3月上旬ごろまで続くと見られています。もしライ氏が有罪判決を受けた場合、最高刑である終身刑を言い渡される可能性があります。

 

ライ氏は2020年12月31日から身柄を拘束されており、政府系機関から借り受けた土地のオフィスを目的外に使用したとする詐欺罪で、すでに禁錮5年9カ月の刑に服しています。