古美術 崎陽

古唐津 茶碗 他お茶道具等 古美術全般を取り扱う「古美術崎陽」のHP日記

長崎で活躍した人~シーボルト関連補足~川原慶賀

2010-02-18 11:45:26 | 長崎の歴史
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シーボルトお抱え絵師

「川原慶賀」~6



川原慶賀がどんな人物だったのかについては、

残された作品の数とは逆に、

資料も少なくたいへん謎が多い。

本人の肖像画もありません。

長崎画壇の中心的存在だった

地役人である唐絵目利の文献資料にも

慶賀の名は一切出てきません。

これは厳しい身分制度の時代、

慶賀の身分が一介の町絵師にすぎなかった

からだといわれています。

唐絵目利は日本側の絵師として西洋の文物を描き

慶賀は西洋側の絵師として日本を描いた

といえます。

シーボルトの注文に応じ、

踏絵、端午の節句、精霊流し、ハタ(凧)揚げなど

長崎の「年中行事」、

また出生から墓参りまでの「人の一生」、

「職人尽くし」、「動植物」など、

日本や長崎の姿を詳細に描きました。

シーボルトは、これらの資料で

日本をヨーロッパに紹介し、

日本研究の第一人者となりました。



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