古美術 崎陽

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長崎で活躍した人~シーボルト関連補足~川原慶賀

2010-02-17 12:25:13 | 長崎の歴史

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シーボルトお抱え絵師

「川原慶賀」~5


慶賀は伝統的な日本画法に西洋画法を取り入れていた。

また、精細な動植物図については

シーボルトの指導もあった。

シーボルトは植物研究のための標本デッサンを

正確に描くためには

どうしても西洋画法に精通した絵師が必要であった。

そのためヴァタビア総督に画家の派遣を要請している。

この要請に応えて文政8年(1825)来日したのが

薬剤師のビュルガーと

専門の画家ではないものの絵心のあった

デ・フィレニューフェであった。

慶賀は、このデ・フィレニューフェから

西洋画法の手ほどきを受けることとなる。

日本に現存する作品は約100点だが、

オランダに送られヨーロッパ各地に分散した絵図は

6000-7000点ともいわれている。

慶賀が描いた動植物図のほとんどはオランダに送られ、

シーボルトらの著作である

『日本動物誌』等の図として利用された。

標本がなく、慶賀の写生図をもとに

記載されたウミヒゴイなどの例もある。

これらはライデン国立自然史博物館に所蔵されているが、

その精密な図は

今猶生物学者の使用に耐える標本図となっている。

動植物図以外にも

長崎をはじめ日本各地の風俗画、風景画、

肖像画などが多数残されている。

唐蘭館図は長崎歴史文化博物館所蔵で、

国の重要文化財に指定されている。


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