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福岡教育大前駅から見る城山
10月10日はかつて体育の日、晴れる確率の高い日で東京オリンピック開催日になった日である。
宗像四塚連峰を全部歩こうと鹿児島本線、福岡教育大前駅に降り立った。
宗像四塚連峰は、城山、金山、孔大寺山、湯川山の四つであり、標高はそれぞれ369、317、499、471m。
城山入口の水場
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岩窪の水のさざなみ秋澄めり
城山名物のウスキキヌガサダケ
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土地の人が「これを見たから今日は幸せ」と言う。なかなか見ることはむつかしいらしい。スッポンタケ目スッポンタケ科スッポンタケ属。絶滅危惧II類。
城山の頂上で昼飯を食い、金山へ歩いたまではよかった。その下山で道を失った。
蜘蛛の巣を棒もて払ひ山の奥
藪を掻き分け蜘蛛の巣やゴミまみれでやっと日の差す娑婆に出た。孔大寺山、湯川山登山はきっぱり諦め車道を歩き宿をめざす。
途中数少ないバスに乗ることができた。
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さつき松原近くにある国民宿舎ひびき。4階からの海の眺め。
秋濤の浜に錆たる外厠
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翌日、鐘崎漁港へ行く。湯川山を背後に仰ぐひっそりした小さな漁港。市場の天井に燕の巣があり燕が盛んに出入りしている。が、巣はほとんど残骸で子がいるはずもない。燕は帰るための準備行動をしているのか。
まもなく燕はすべて消えた。
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老人が3人、釣り糸を垂れている。3人は会話するでなく一人の時間に没頭している。暇な老人を容れてくれる海である。
見えてゐて釣れぬ魚や秋うらら
秋の日や老が雑魚釣る船溜
老の手に銀鱗はねる爽気かな
秋の日や老が雑魚釣る船溜
老の手に銀鱗はねる爽気かな
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我も老人ボラードに座し海見れば
ボラード(bollard)は、岸壁に設置して船を繋留したり、道路や広場などに設置して自動車の進入を阻止したりする目的で設置される、地面から突き出した杭のこと。
いつかこの言葉を知ったのだが思い出すのに難渋した。しかし俳句に入れてみると生硬の感強し。和語だと「もやい柱」だがイメージが立って来ない。
わがはいの老いもイメージが立たなければいいが……。
お忘れかもしれませんが、梯寛先生と能古島吟行にご一緒した大津英世です。
貴兄のブログは毎回拝読しています。
福岡には時々いらっしゃっているようですね。低山とはいえ宗像の山は魅力いっぱいです。城山はもう何年も登っていませんが、ブログを読んでまた登りたくなりました。
一度お会いして先生とも一杯飲みたいものです。