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『炭と菌根でよみがえる松』 小川真 著
ショウロというキノコをご存知?
直径3センチくらい、まんじゅう型の地味ぃ~なキノコで、海岸沿いの松林で採れるんだけど……先日、初めて食べました。ちょっと鼻につくくらいの豊かすぎるキノコ臭とショリショリとした食感が奇妙にアンバランスで、ほほえましい感じ。薄く切って、すまし汁なんかに浮かべたら結構おいしいだろうなー、などと思えるモノだったけど……今はこのキノコ、滅多に手に入らず、『幻の食材』あつかいされているみたい。
それもそのはず、全国的な松枯れで、海岸の松林そのものが瀕死になっているからなんだそう。そういえば、白砂青松なんて風景、最近ほとんど見ないですもんね。
――背景暗転、どこからともなく人の声――
S:ハッハッハ、それは違うよそこのキミ!
K:はっ、この声はいったい?
S:僕の名前はショウロマン!まあ、ショウロの精みたいなものかな?松がなくなったからショウロが消えたなんて、そんな一面的な見方では真実は見えないよ!
K:えっ、ショウロの精?一面的な見方?
S:そう!確かにショウロは松の根にとりついて栄養を集める。松がなければショウロは生えられないんだ。でもそのかわり、松の根の生長を助けてあげることができる。だから……
K:だから?
S:僕たちショウロがとりついた松はとても元気になる。松枯れ病にだって負けない木になるんだ!すごいだろ?松がなくなったからショウロが消えたんじゃない。僕たちがいないから松がダメになっちゃったんだ。
K:え?そうなの?じゃあキミたちをあちこちの松にとりつかせれば、海辺の松は生き返るんだね?
S:うん、それがね……
K:ダメなの?
S:そうなんだ。僕たちは落ち葉やゴミの少ない栄養の乏しい砂地じゃないと、すぐ他のキノコやカビに負けちゃうんだ。これまでは、キミたち人間が、燃やすための松葉や枯れ木をせっせと集めてくれたから、僕たちも長いこと生えていられたんだ。でも今じゃ、誰も松林の手入れなんかしてくれない。僕たちも松も今や風前の灯だよ……
K:そんな……なんとかならないの?
S:うん。まず手入れだね。茂った草や木を取り除いて、土をはぎ取り、きれいな砂といれかえて、若い松を植えてもらえれば。
K:うへぇ、なんだかすごく大変そう。
S:あと、炭だね。
K:炭?あの、バーベキューとかに使う?
S:うん。僕たちが菌糸を広げるのにとても都合のいい構造をしているんだ。他の菌を遠ざけるアルカリの成分も入ってるしね。どう?できる?
K:うん、時間と手間がすごいけど……何とかやってみる。
S:たのんだからね!それじゃ!
―――って、どんな展開や!ま、それはさておき。
海辺の松を取り戻したいと願う人にはもちろん、キノコをはじめとした生き物に関心がある人にも、経験と実践に裏付けられた生きた知識がタップリの一冊。
現在の日本の自然というものは、長い長い人間たちの活動の末に作り上げられたものであって、けっして自然のみによって成されたものじゃない。古くからの風景が失われいくのを、ただ黙って見守るのか、それとも手を加えて守るのか……。
手つかずの自然というものが必ずしも豊かでないということを。人間もまた自然の一部であるということを。私たちが学ばなければならないことは、あまりにも多い。
……やや学術的で分厚いけど、キノコの生態を知りたい向きにはイチオシの本。ナラ枯れも扱う続編『森とカビ・キノコ』もおススメ。
ショウロというキノコをご存知?
直径3センチくらい、まんじゅう型の地味ぃ~なキノコで、海岸沿いの松林で採れるんだけど……先日、初めて食べました。ちょっと鼻につくくらいの豊かすぎるキノコ臭とショリショリとした食感が奇妙にアンバランスで、ほほえましい感じ。薄く切って、すまし汁なんかに浮かべたら結構おいしいだろうなー、などと思えるモノだったけど……今はこのキノコ、滅多に手に入らず、『幻の食材』あつかいされているみたい。
それもそのはず、全国的な松枯れで、海岸の松林そのものが瀕死になっているからなんだそう。そういえば、白砂青松なんて風景、最近ほとんど見ないですもんね。
――背景暗転、どこからともなく人の声――
S:ハッハッハ、それは違うよそこのキミ!
K:はっ、この声はいったい?
S:僕の名前はショウロマン!まあ、ショウロの精みたいなものかな?松がなくなったからショウロが消えたなんて、そんな一面的な見方では真実は見えないよ!
K:えっ、ショウロの精?一面的な見方?
S:そう!確かにショウロは松の根にとりついて栄養を集める。松がなければショウロは生えられないんだ。でもそのかわり、松の根の生長を助けてあげることができる。だから……
K:だから?
S:僕たちショウロがとりついた松はとても元気になる。松枯れ病にだって負けない木になるんだ!すごいだろ?松がなくなったからショウロが消えたんじゃない。僕たちがいないから松がダメになっちゃったんだ。
K:え?そうなの?じゃあキミたちをあちこちの松にとりつかせれば、海辺の松は生き返るんだね?
S:うん、それがね……
K:ダメなの?
S:そうなんだ。僕たちは落ち葉やゴミの少ない栄養の乏しい砂地じゃないと、すぐ他のキノコやカビに負けちゃうんだ。これまでは、キミたち人間が、燃やすための松葉や枯れ木をせっせと集めてくれたから、僕たちも長いこと生えていられたんだ。でも今じゃ、誰も松林の手入れなんかしてくれない。僕たちも松も今や風前の灯だよ……
K:そんな……なんとかならないの?
S:うん。まず手入れだね。茂った草や木を取り除いて、土をはぎ取り、きれいな砂といれかえて、若い松を植えてもらえれば。
K:うへぇ、なんだかすごく大変そう。
S:あと、炭だね。
K:炭?あの、バーベキューとかに使う?
S:うん。僕たちが菌糸を広げるのにとても都合のいい構造をしているんだ。他の菌を遠ざけるアルカリの成分も入ってるしね。どう?できる?
K:うん、時間と手間がすごいけど……何とかやってみる。
S:たのんだからね!それじゃ!
―――って、どんな展開や!ま、それはさておき。
海辺の松を取り戻したいと願う人にはもちろん、キノコをはじめとした生き物に関心がある人にも、経験と実践に裏付けられた生きた知識がタップリの一冊。
現在の日本の自然というものは、長い長い人間たちの活動の末に作り上げられたものであって、けっして自然のみによって成されたものじゃない。古くからの風景が失われいくのを、ただ黙って見守るのか、それとも手を加えて守るのか……。
手つかずの自然というものが必ずしも豊かでないということを。人間もまた自然の一部であるということを。私たちが学ばなければならないことは、あまりにも多い。
……やや学術的で分厚いけど、キノコの生態を知りたい向きにはイチオシの本。ナラ枯れも扱う続編『森とカビ・キノコ』もおススメ。
海とは遠く離れたところ(ほとんど山の中)なんだけど、秋から冬にかけて苔を破って松露が顔を出す。
名前を一生懸命調べたんだけど、まず手もとに資料が少ない。顕微鏡や試薬なんかに手を出すとすごい事になりそうだし、
きのこの会も時間の都合で参加してない。
なのでとりあえず「オオショウロ」。(ほんとに?)
しかし、きのこ人さんのアンテナ凄いっすね。
また勉強させてもらいました。
正直、ボール型キノコの判別方法、自分も知らんです(^_^;)
ただショウロの場合、特有のいい香りがする(かなり強いにおい)ので、それでなんとなくショウロだと思ってます。ニセショウロ(毒)とかもあるんで、食べるのは気をつけてくださいね。
小川真さんの著書はキノコ学術系の中でも特におすすめですよ。