月刊 きのこ人

【ゲッカン・キノコビト】キノコ栽培しながらキノコ撮影を趣味とする、きのこ人のキノコな日常

くろはなびらにかわたけ

2014-11-30 20:22:16 | キノコ
6人は下山を始めた。

ナラタケの前を通り、昼食をとった場所を通り、ミズナラの林を抜け、そして今日、最初に見た老ナメコの木の前を通り過ぎ……なかった。どうやらどこかで道を間違えたらしい。朝登ってきたのとは別の尾根筋を下ってしまったのだ。

気づいた時にはもう遅かった。後戻りするには時間と体力が足りない。横方向へ迂回しようにも、両側を谷筋に挟まれ渡るのは不可能。傾斜はだんだんときつくなり、進むのが厳しくなっていく。KとM、それにマニア組はわりと山猿なので、なんとでもなるのだが、山初心者のT夫妻の足もとがおぼつかなくなってきた。特にT夫人は登りでかなり筋力を使って、踏ん張りがきかなくなっているらしい。

「右手でその木をつかんで、そうそう、で、左足をその岩に!」
T旦那がしきりに指示をとばして誘導する。が、その足取りは遅々として進まない。Kの顔に少し焦りの色が浮かんできた。まだ3時半、日没まで時間はある。とにかくケガはしないように……

そして事態をいまひとつ把握していなかった私は、のんきにクロハナビラニカワタケを撮るのだった。

なめこ

2014-11-28 21:00:57 | キノコ
だいぶ置いてけぼりを食ったが、どうにかこうにかT夫妻には追いついて、4人で先行した2人を探していると、先の方で声がした。

声の方へ行ってみると、2人が得意げな顔で立っていた。ナメコの群生する立ち木!どうやらMが見つけたらしい。さすが「キノコ探知機」のあだ名はダテではないようだ。

この木には頭上のはるか上の方までナメコが生えている。話によく聞く“手の届かないナメコ”だ。アレを採るのはムリだろうなぁ、と言っていたら、チャレンジ大好きのKが「アレ採りたい」とか言い出した。枝切りばさみかなんかで採るんだっけ……そういえば、ジャマな笹を刈りはらうために、安物の小さな鎌を持ってきていたんだった。鎌とロープを渡すと、Kは適当に拾ってきた長い枝に、器用に結わえつけはじめた。

じゃじゃーん、完成。鎌は100円ショップ、枝は現地調達のすごいあやしい出来ばえ。こんなんで採れるンかな……?

レッツチャレンジ!高さ4メートル、鎌の刃わたり10センチ。かなり厳しいかと思われたが、ここでKは絶妙な手さばきを見せる。鎌がナメコの根元に華麗にヒット!

うわー!ナメコが地面にぼとぼとと落ちてきた。落ちてきたはしから落ち葉に埋もれて見失う。T夫妻はきのこカゴを持って右往左往。マニア相棒は「キノコシャワー!キノコシャワー!」とか言って、はしゃいでいる。

キノコで遊ぶ人たち。なかなか面白い光景だな(^_^)


さて、そろそろお時間。下山しなくちゃね。

きひらたけ

2014-11-27 22:41:07 | キノコ
次のポイントに到達。みんな散り散りになってキノコを探す。

マッチョで好奇心旺盛な冒険野郎のKと、人並み外れた視力と嗅覚を持つ山ガールのMは、目の色が変わって完全に突撃モードになっている。初心者のT夫妻と、セコい雑キノコでもいちいち引っかかるマニア組はまったく追いつけない。

「キノコ博士~!」

呼んだ声がしたと思ったら、なにやら群生したキノコの前でKとMが待っていた。

「このキノコ何かわかる?食えるヤツ?」

おお、これはキヒラタケ!見たことのないほどの大群生だ。やったー!とか言って自分は喜んでいたが、食えないとわかって二人はすごすごと先へ行ってしまった。二人とも普段はもうちょっと食えないキノコにも優しい人たちなんだけどなぁ。ナメコ見た後だからって、そんなに冷たくしなくたっていいじゃないの~(~_~)

キヒラタケは名前にヒラタケと付いているが、どちらかというと硬質菌に近い仲間。


くりたけ

2014-11-26 23:26:11 | キノコ
あっ!クリタケ!

すでにナメコとナラタケの大群生を見てしまい、かなりその存在がかすんでしまったが、秋の代表的な食用キノコ・クリタケを見つけた。赤茶色の傘と、まるまるっとした傘が押し合うようにして生える姿がなかなかキュートなキノコだ。

「こっちにもある!」すぐ後ろにいたマニア相棒も見つけたらしい。クリタケは朽ち木の地際に生えることが多いので、落ち葉に埋もれやすく、見つけるのは簡単じゃない。見つけたら見つけたで、かわいくて収穫するのをためらってしまうクセモノだ。


しまった。そうこう言ってる間に、他のみんなにおいていかれた。

今日に限らず、グループでキノコを探すと、だいたいまあいつもそんな感じだ(笑)


ならたけ

2014-11-25 23:08:18 | キノコ
食事の後は、ふたたび一列になって次のポイントを目指す。ここはまだ道のようなものがあって歩きやすい。

途中、遠目からでもわかるほどのキノコの塊が見えた。

ボリボリ!ナラタケ様だ~!

これは群がって生えると、ものすごい生え方をすることがある。木に対して侵食力が強く、林業上の害菌としても名を馳せるほどだ。


ナラタケにはいろんな種類があると聞くけど、私はノーマルナラタケしか見たことがない(というか、それ以外わからない)

なめこ

2014-11-23 00:24:23 | キノコ
この一カ所だけでじゅうぶんな戦果をあげた。ハンターのKやMはほくほく顔。ここでお昼ごはん。

食事場所ですぐ上を見上げると開きナメコがあった。

キノコ観賞しながらおにぎりをほおばる。満悦満悦。

なめこ

2014-11-22 20:30:11 | キノコ
尾根へ出てからは、メンバー6人が散らばって探索していたが、しばらくして、少し離れたところから呼ぶ声が聞こえた。もしや・・・?
慌てて駆けつけると、尾根から下の斜面を見おろすようなかたちで、みんなが同じ方向を見ていた。

「あれ、あれ!」

指をさしている方向には、急斜面に立っているミズナラの枯れ木と・・・その根元に群がっている茶色のかたまり。ほっほー!老菌なんかじゃない!生えたてのマメなめこだ!

急斜面にあることもあって最初みんな遠巻きに眺めていたが、きのこマニア2人組がさっそく接近して撮影会を始めた。2人してワーキャーうるさい。さすがに壮観だったので他のメンバーもつられてスマホ撮り。


はー、ナメコったらやっぱりこうでなくちゃね~~~

ちゃなめつむたけ

2014-11-21 20:41:10 | キノコ
ナメコがあるとなれば足は軽い。気がつくと、薄暗い斜面から、明るい尾根へと出ていた。

そこにはミズナラの林が広がっていた。黄色く染まっている葉が、折から差しはじめた陽光とあいまって、美しく輝いている。

ナメコがあるとは言っても、立ち枯れの木がそんなにたくさんあるわけでもない。周囲を見回すかぎりでは、なにも見当たらなかった。

ふと足もとにチャナメツムタケを見つけた。しっとりとぬれた傘はきれいな赤茶色をしていた。

なめこ

2014-11-20 21:00:05 | キノコ
やみくもに斜面を登ること一時間。隊長は立ち止まると「このへんからミズナラありますんでー!気をつけて探してってくださーい!」と叫んだ。

やけに引率の先生っぽいのは自然公園でイベント管理してる職業柄か。

里山にあるコナラと色や雰囲気が似ているけど、ひび割れ方が明らかに違う樹皮が見える。あれがミズナラだ。多くのキノコと菌根をつくる重要な樹種で、その枯れ木にも、食用を含むさまざまなキノコが生えるステキな樹。歩みをゆるめてゆっくり探しながら進む。去年Kと共にこの地を訪れた隊長補佐のMが言うには「たしかこの辺にあった……」そうだが。

「あれ!そうじゃない?あったあった!」

目立つところの枯れ木に茶色いキノコが群がって生えていた。おー、おーー。これぞナメコだ。ちょっと古めだけど、間違いない。自分にとっては15年ぶりの再会!!

被写体としてはイマイチだったけど、撮影会が始まる。

「いやいや、まだ序の口ですんで。」Kは余裕の表情でそう言って、今回キノコ狩り初体験のT夫妻にナイフを渡すと、練習もかねて、若いのだけを選んで収穫するよう促した。

「いいヤツだけでいいですわ。帰りにここもう一度通るんで、もし上行ってあんまなかったら、残りはそんとき採りましょう」

実は、ある理由で帰りにここを通ることはなかったんだが、それはさておき。

キノコ部隊は再び進む。


かごたけ

2014-11-19 20:26:13 | キノコ
山あいの遊歩道はもう紅葉がすすみはじめていた。すがすがしい空気の中を歩くこと十数分。道を知る隊長挌のKがGPSを確認しながらおもむろに立ちどまると、「このへんから登り始めますんで」と言った。しかし……

道あらへんやん!ただの急斜面やん!!

いやあ、話には聞いていたがまさしく道なき道を行くというヤツだなぁ。
「ここを稜線沿いにいけばオッケーですんで」と。かなりアバウトだ。

ふだん肉体労働しているとはいえ、急坂を登るのは久しぶりなので自信はない。とにかくペースを守って呼吸を乱さないように行こう。

雨上がりで少し足場が悪いが、そこまでドロドロでもない。下草が少ないので助かる。低木の枝をつかんだりしてバランスをとりながらゆっくり進んだ。

進むこと30分。ナメコどころか、雑キノコの姿すら少ない。「まだ半分」と言われて少し心が萎えそうになっていたそのとき、同行者のひとりが叫びだした。何事か!?あわてて駆けつける。

「カゴタケ!カゴタケ!」

そこでは、今回飛び入りでついてきていたキノコマニア(私ではない)が叫んでいた。珍菌を発見したようだ。おおお、カゴタケ!タマゴは見たことがあるがこれは完品!

私もいっしょになってパシャパシャ撮っていると、さっきまで曇っていた空から日の光が差し込んだ。いい日になりそうだ。

それにしても写真に撮ると微妙に冴えねえなあ(^_^;)


あかちしおたけ

2014-11-18 20:36:39 | キノコ
キノコ仲間の誘いを受けてナメコ探しへと向かうことになった。

ナメコといえばもちろんあの食用キノコなんだけど、「森の宝石」と呼ぶ人もいるほどの美しいキノコなのは意外に知られていない。ぜひとも写真を撮りたいとは思いながら、三重では高い山に登らないと見られないブナ・ミズナラ林にしか出ないために、果たせずにいた。待望のナメコ撮影!生えてるといいけどな~。

場所は県外某所。天気は曇り。朝方に雨がぱらついたが、なんとか持ってくれそうだ。車を降りると山は秋の空気に満ち満ちていた。すがすがしい気持ちになる。完全装備を身にまとい出発!

しょっぱなの道端に枯れ枝が山盛りになっていた。うううん!?アカチシオタケが生えてる!

雨上がりのアカチシオなんて超高ポイント!テンション上昇!本来ならここで20分は撮影したいところ!とか思ってたらさっそく仲間においていかれる。あああ、待って~。

ともかくも二枚だけ写真に収めて、仲間の後を追った。

あしながたけ

2014-11-17 20:39:02 | キノコ
え~、おひさしぶりです。長らく更新せずにスイマセン。

PCの不調によりネットに接続できない状況でございました。そのあいだもキノコ活動を続けていたため、キノコ写真がたまってたまって……しかも記事に上げるタイミングを完全に逸してしまってるという(-_-;)

またバリバリ更新していきますのでよろしくお願いします。

とりあえず先日行ってきたナメコの報告をですね、えへへ、していきましょうかね、えへへ(にやけ顔)


すっぽんたけ

2014-11-04 22:01:51 | キノコ
スッポンタケ!

じつは今まできれいに生えてるのを見たことがなかったのだよ~。グニャリとしててやる気ない(なくした)ヤツとしか出会えてなくて。

卵は長いこと転がってても、伸びて枯れるのは一瞬だから、けっこう一期一会だ。

はなびらだくりおきん

2014-11-03 21:13:45 | キノコ
ひらがなで書くとわけわからんハナビラダクリオキン。
ごめん、カタカナでもわけわからんかった(笑)

「花びら・ダクリオ菌」だそうだ。なるほど~、そうだったのか……って、ちょっと待て、なんだそのダクリオ菌ってのは!?腸内細菌か?
キノコなのに、菌なんて!……いや、間違いじゃないけど。まったく納得のいかないネーミングである。


「花弁田 栗男菌」という当て字を広めようとひそかに目論んでいる。



これはなんか違うっぽいなぁ。おもろい。

→絵合わせで見るかぎり、ハナビラダクリオキンに近縁のDacrymyces capitatus(ダクリミケス・カピタトゥス)らしい。