月刊 きのこ人

【ゲッカン・キノコビト】キノコ栽培しながらキノコ撮影を趣味とする、きのこ人のキノコな日常

しろばなたんぽぽ

2013-03-30 19:04:42 | 植物
シロバナタンポポ。西日本でふつうに見られる白いタンポポ。

セイヨウタンポポにすっかり制圧されてしまったかのような在来タンポポにあって、ほぼ唯一、互角に渡り合っている。どうやらセイヨウタンポポと同じく、単為生殖ができる(受粉なしで種を作れる)らしい。

えー、それちょっとズルい。でも好きだから許す。

ひめおどりこそう

2013-03-24 21:48:14 | 植物
「早春の雑草五傑(自称)」ヒメオドリコソウ。

ちょっと古い帰化植物らしいけど、先行逃げ切り型のライフスタイルが見事に日本の植生で地位を勝ち得て、今の雑草界では早春の顔にもなっている。花は小さいけれど葉っぱの上の方が紫に染まるので、それで余計に目立つ。

今日はアミガサタケを探してみたが見つからなかった。でも好きな野草は大量に生えてるし、そこら中、野鳥だらけなので退屈はしない。

ほとけのざ

2013-03-21 21:17:06 | 植物
ホトケノザ。「早春の雑草五傑」のひとつ。(ごめん、いまオレが勝手に作った)

撮影場所はとっておきの場所。とかいって、実はシイタケ工場のドブだったりする。

雑草ってモジャモジャ生えてる所で撮ると写真もモジャモジャになっちゃうから、逆にこういうところの方が撮りやすいんよね。

つくし

2013-03-19 21:24:01 | 植物
つくし。キノコ的なるもの。食べられる。

畑の土手に生えてくるものは吹きっさらしなので、胞子を飛ばすには好都合、そんでもって背丈はあまり伸びてくれない。ハカマを取るのが面倒くさいので、そういうのはパスすることになる。

「そんなにウマいもんじゃないよなー」などと言いながら、でも食べそこなうと損した気分のする、そういう野草かもしれない。


この3月は急激に暖かくなったので、野草の生長が早いわけだけど、とうぜん野菜の生長も早くなる。特にホウレンソウや小松菜などの葉菜類は急激だ。農家の方々はあたふたしていることだろう。今、やけに大きいホウレンソウやブロッコリーが格安でスーパーに並んでいるのを見ることができる。値崩れを起こすので、農家としては歓迎できることではないが、消費者としてはうれしいことだ。

ただ、スーパーに並んでいるものは、青果市場で在庫をかかえすぎて放出するパターンもあるので、品質を見定める目が必要になる。地元の農家が野菜を直接納めるタイプの産直販売店でも、白菜や大根など、冬のアブラナ科の野菜は、トウが立ちかかっている場合が多いので、気をつけた方がいい。

野菜飽和市場では、キノコも当然、巻き添えを食らうのであった……

せいようあぶらな

2013-03-17 20:38:06 | 植物
つぼみ状態のセイヨウアブラナ。

この季節、河原などでみつけることができる。

採れたては市販のなばなに負けないぐらい甘くておいしい。しかもほぼ無尽蔵。

なんで誰も採らないんだろう?

さっとゆでて、ざるにあげ、少し冷まして塩オンリーでいただく。そんだけでウメー。


注意点が一つ。少し遅れて花を咲かすセイヨウカラシナには苦みがあるので、区別して収穫すること。

せつぶんそう

2013-03-10 20:32:21 | 植物
所属している「みえ・菌輪の会」の総会に参加してきた。

今回は恒例のキノコ料理立食会に加え、遠方からゲストを招いてのスライド勉強会も催され、にぎやかな集まりになった。ただ、にぎやかすぎて時間切れになり、総会ができなかった(笑)

会場になったМさんの庭には、急に訪れた春の陽気にせかされて一気に開花を始めた梅の樹下で、フクジュソウやセツブンソウが花を咲かせていた。


ふきのとう

2013-03-05 21:28:22 | 植物
ようやく春めいてきた。

ホトケノザやナズナが花を咲かせ始める。小さな虫たちが増え始めた。カラスやスズメも巣作りを始めたようだ。

フキノトウもふくらみつつある。

この季節特有のぼんやりした空気が全体を包むころには、山や野原はもっとにぎやかになっているだろう。


きのこ四択!きのこ検定模試4(きのこカルチャー) 解答

2013-03-01 22:49:51 | クイズ
問1 1.ビアトリクス・ポター
問2 3.カペリート
問3 2.マタンゴ
問4 1.キノコパワー
問5 3.ギター
問6 1.「なぜ物は燃えるのか」を知ろうとして、誤って納屋を全焼させてしまった
問7 4.光合成をおこなうものがある
問8 1.副業でシイタケ栽培をおこなっていた
問9 3.ヒョウタンツギ
問10 2.奇譚クラブ

注釈
問1 彼女が学者になれていたらピーター・ラビットは生まれなかったそうだ。余談だが、トーベ・ヤンソンの「ムーミン」に出てくる「ニョロニョロ」はキノコではないらしい。

問2 スペインで製作。鼻をつまむと傘が変化する魔法を使えるキノコが主人公。一話5分の超短編で、NHK教育テレビで繰り返し放送されている。他の選択肢デタラメ(笑)

問3 マタンゴ超有名。ちなみに「キノコ狩りの男、スパイダーマン!」は東映の実写版ヒーロー番組「スパイダーマン」第31話のタイトル。(どうでもいい話)

問4 キノコ・パワー!と熱唱。他に『マタンゴ』という曲もある。

問5 ギターにはキノコ飾りがついている。(やはりどうでもいい話)
問6 すさまじい記憶力を持つ、自然保護運動を先駆けるなど、超人的エピソードも多い。ちなみに1はエジソンの逸話。

問7 漫画版「風の谷のナウシカ」で、王蟲(オーム)の主食となる菌類「ムシゴヤシ」は、高さ50メルテ(≒メートル?)、光合成ができるという設定。菌類が物語の謎を解くカギとなる。

問8 ウソのような本当の話。当然のごとく倒産。(そしてどうでもいい話)

問9 手塚治虫は好奇心旺盛な人で、キノコにも関心があったようだ。森毅「キノコの不思議」にも寄稿している。

問10 ウミウシ、アマガエル、山菜などの他、「コップのフチ子」「土下座」など、意味のわからないキャラクターも量産中。海洋堂は「チョコエッグ」で名を全国に知らしめた模型メーカー。

『北陸のきのこ図鑑』

2013-03-01 22:07:10 | キノコ本
キノコの自由開放をめざす「キノコ連合」は現在、体制側にある最大勢力「真菌帝国」との交戦状態にあった。連合側、前線の部隊をまかされている名将、ボレトゥス・ファンガー大佐は、劣勢にある戦況を盛りかえすべく、考えうるあらゆる方策を検討していた。

そんなある日、大佐はルッスラ中尉の急報を受ける。

「たっ、大佐!たいへんです!」
「中尉か。どうした、そんなにとり乱して。」
「ハァ、ハァ、それがっ。高い評価をうけながら長らく絶版になっていたあの『石川のきのこ図鑑』がっ、再版されるそうなんです!」
「なに!数あるローカルきのこ図鑑の中でも最高の評価を受けていたあの図鑑がか!」
「はいッ。しかもそれだけじゃないんです!前作で扱っていなかった未登録種や未知の新種を大幅にくわえて、掲載種は倍以上、1403種!」
「!!」
「もちろん全種に精緻な手描きキノコ図版と胞子などの検鏡図がもれなくついて!その威力は、わが軍の主戦力『原色日本新菌類図鑑』(保育社)にならぶか、へたをすれば上回るのではないかと……!」
「なっ、バカな!最強クラス?まったく別物ではないか!」
「はい、タイトルも変わって、その名も『北陸のきのこ図鑑』……。」
「北陸の…!まさかそこまで強くなるとは……。よく報告してくれた、中尉。敵に気取られぬうちに今すぐ全部数をおさえるのだ!」
「それが……。こんな恐ろしく手の込んだものがなぜか自費出版らしく、高価な上に数が少なくて入手困難……しかも大多数がすでに資金潤沢な敵の手におちたかと……」
「くっ!またしても後手か!中尉!資金のことは私が上層部に掛けあう!ただちにっ、一部でも多く手に入れろ!行け!」
「ハッ!」

中尉があわただしく出るのを見届けると、大佐はソファーに腰かけた。白髪まじりの短髪をかき上げながら、大きくひとつため息をつくと、そのまま左手で両目を覆うようにして、背もたれに身をゆだねた。

彼のデスクには、読みかけの報告書が数枚と、それに昨晩のコーヒーがまだそのままになっていた。戦火の近づいた司令官室を静寂が覆う……。

「原色日本新菌類図鑑」(保育社)、「日本のきのこ」(山と渓谷社)の2大巨頭の発刊以来、十五年以上きのこフリークを待たせ続けてきた‘次の図鑑’がついに出た!大部「北陸のきのこ図鑑」。中身のないゴミ本が版を重ねて文庫まで出す一方で、これほど質の高いものが出版社に門前ばらいをくらうとは……物の値打ちが見ぬけんのか。たとえ自分が北陸に住んでいなくとも、この内容で15000円は安い。

現在熱心なキノコ仲間に口コミで広がっており、売り切れるのも時間の問題だろう。フリークの力あなどるなかれ!連合軍の反撃の日は近い。



『北陸のきのこ図鑑』  本郷次雄 監修  池田良幸 著

数あるきのこ図鑑の中でも最大最強を誇る化け物クラスのローカルきのこ図鑑。

「石川きのこ会」の設立メンバーであり、アマチュアながら地道に菌類の調査を続けてきた池田氏が、石川・富山・福井の北陸三県を中心とした地域で確認したキノコをまとめあげた労作である。

特に亜高山帯などで見つかった未知種、あるいは未登録種が「仮名称」の状態で多数掲載されているが、情報の量、さらに質の点でも申し分がなく、国内でも屈指の偉大なキノコ図鑑だと断言していい。むろん、全国的に分布する普通種も網羅していて、北陸在住でなくとも十分に利用価値がある。


イラスト図版150ページ弱とキノコ解説の300ページ強は本の前後で分けられていて、ちょうど「原色日本新菌類図鑑」と同じような形式。イラストは彩色こそ控えめだけれど、緻密で実用本位。解説も項目立てがなされており、硬派ながら使いやすい。

ふー。今、冷静に考えてみても、これで15000円は安いわ。


ちなみに本記事冒頭のレビューは8年ほど前の購入当時に書いたもの。図鑑が予想以上の出来だった上に、価格が当時の自分には法外な大金だったせいもあり、異常にハイテンションになっておりました。ははは……^_^;

きのこ四択!きのこ検定模試3(採る・食べる) 解答

2013-03-01 20:32:51 | クイズ
問1 1.カラマツ林
問2 2.ショウゲンジ
問3 2.スギヒラタケ
問4 3.チチタケ
問5 1.アミガサタケ
問6 2.アルゼンチン
問7 4.ほっとく
問8 3.ツキヨタケ・クサウラベニタケ・カキシメジ
問9 3.胃の中のものを吐き出したあと、大量のお茶を飲む
問10 3.国立公園の敷地内ではキノコの採取をしてはいけない

注釈
問1 ハナイグチはカラマツの菌根菌。信州では「りこぼー」「じこぼー」、北海道や東北で「らくよう」などの通り名があり愛されている。

問2 代表的な天然食用キノコ。「ショウゲンジ」の名は菌類学者の川村清一が長野県飯田地方の方言からとった。おそらく寺の名前だが、その由来はナゾ。

問3 2004年に急性脳症を発症させることがわかった。それまでは誰も気づいてなかったってことになる。

問4 日本のキノコ七不思議にカウントしてもよかろう。
問5 英名はモレル。他の欧米各国でも人気が高いようだ。
問6 南米の南部。キッタリアはグループ名で、いくつかの種類かある。「ゴルフボール茸」の名の通り、ボールにぼこぼこ穴をあけたような奇妙な形のキノコ。オーストラリアやニュージーランドにも分布する。

問7
「シロウトがやる処置にはあんまり意味がない。とにかく医者に診てもらえ」というのが最近の知見らしい。ひもで縛るにしても軽く。「ただの気休めでも、それで落ち着いて毒がまわるのが遅くなるんなら、それでいいじゃん」と言うならそれは一理ある。

問8 特にツキヨタケ・クサウラベニタケの二強で中毒件数の半数に達する。ニガクリタケは苦みのせいか中毒件数は少ない。

問9 とにかく吐く。お茶には利尿作用がある。粉末にした炭を飲むという方法もあるようだ。

問10 国立公園ではキノコはおろか、石ころや落ち葉も持ち出したらダメである。道に迷ったら高みに登るのがセオリー。最低でも若すぎるキノコや古いキノコは残す。


きのこ四択!きのこ検定模試5(博物学・生態学) 解答

2013-03-01 20:23:06 | クイズ
問1 2.ギンリョウソウ
問2 4.モグラ
問3 3.山の手入れをしなくなったため、松林から広葉樹林への遷移がすすんだ
問4 1.カシノナガキクイムシ
問5 3.カエンタケ
問6 3.10月15日
問7 3.ブクリョウ
問8 1.ツリガネタケ
問9 2.ヒキガエル
問10 4.カッパドキア

注釈
問1 他にナラタケに寄生するツチアケビややナヨタケ属に寄生するタシロランが知られている。ナンバンギセルはススキなどの根に寄生。

問2 別名モグラノセッチンタケ。モグラの便所跡から発生することで有名。

問3 もちろん直接的な破壊で失われた松林も多いが、激減したのはマツタケ菌が生育するのに適した環境が失われたため。弱った松にマツ枯れ病が追い討ちをかけた。ただ、なぜここまで急速に広がったか、マツ枯れの根本的な原因が解明されたわけではない気もする。

問4 通称カシナガ。木に穴をあけ、その穴の壁に菌類の胞子を植え付けて卵を産み、その菌糸を幼虫の餌にする。ナラ枯れは爆発的に広がるため、キノコのみならず、生態系の生物全体にとって脅威である。

問5 なぜかナラ枯れの木を好む。カエンタケが枯らすわけではない。

問6 キノコを一番食べそうな10月のまん中に制定。ひねりが全くない。毎週金(菌)曜日に変更だ!(多すぎる)

問7 「茯苓」の字をあてる。俗名マツホド。利尿に効果があるとされている。他に広葉樹の根につく「猪苓(ちょれい)」(チョレイマイタケの菌核)が知られている。

問8 カエンタケは見た目があったかそうである。

問9 “toadstool”(トウドストゥール)「ヒキガエルの椅子」。

問10 見たい。