月刊 きのこ人

【ゲッカン・キノコビト】キノコ栽培しながらキノコ撮影を趣味とする、きのこ人のキノコな日常

『コンパクト版6 原色きのこ図鑑』

2012-03-30 00:10:13 | キノコ本
『コンパクト版6 原色きのこ図鑑』 印東弘玄 成田傳蔵 監修

お、旦那さん、その図鑑が気になるってんですかい?こりゃまたお目が高い。ええ、じっくりとご覧になってくだせぇ。

掲載種数800以上はキノコ図鑑の中でもトップクラス、しかもコンパクトで持ち運び可能、と、こう来りゃメインにすえて使っても良さそうな図鑑なんでやすが、少々難点がございやして……。

1986年発行のこの本の内容はちょいと古い。いまだによくわかっちゃいない菌類のこと、年々新事実が発見されるような状態でありやして……へぇ。まあそこんとこ、勘弁してくだせぇ。

もう一つ、キノコの並び方が普通と違うんでさ。ほら、ページめくるといきなりテングタケ科。普通はヒラタケ科ヌメリガサ科キシメジ科と来て、次にテングタケ科が来るんでやすが……え? 大して違わないじゃないかって? いやいや旦那さん、あっしらのようにキノコ図鑑をくびっぴきで眺めるようになると、なんですかね、英和辞典をA・B・C…と調べるのと同じように、キノコ図鑑を調べられるようになるんでさ。マツタケはシメジの次のこのあたり……ってな具合にね。それが、C・A・B・D…なんて具合になってたら、旦那は辞書引く時に困るでしょ。それと同じなんでさ。ま、普通の人が使うんなら、どうってことはないんですがね。

え? キノコの図版が全部イラストじゃないかって? さすが旦那さん、鋭いとこを突く。なに、写真図鑑は値が張る上にかさばっていけねえ。手描きのイラストだって逆に写真より調べやすいことがあるって言うし、気にするこたァありませんや。この図鑑のイラストはそっちの「原色日本新菌類図鑑」のに比べると少々見劣りがするんで、それをどうこう言うお客さんもいらっしゃるんですが、ありゃあ、あっちが良すぎるんです、他の図鑑と比べるのは気の毒ってもんで。旦那さんも分かってくだせぇ、いつどこで生えるかもわからない800のキノコのスケッチをするその苦労を。

いかがですか。こっちにゃ他で載ってないキノコだってたくさんあるし、巻末にくっついている「きのこ概説」は力作、ついでのおまけに読みやすい。えぇ、あっしの名にかけてもいい、旦那に損はさせませんよ……。


……図鑑出版の老舗、北隆館から1986年に刊行されたイラストきのこ図鑑。きのこ写真家・井沢正名を中心とした後発のカラー写真図鑑の質があまりに良かったために陰に隠れてしまったけど、掲載種数800で携帯可能というのはかなりの労作、もっと評価していいように思う。各キノコの記述がちょっと物足りないのと、イラストの出来不出来に多少バラつきがあるのが難点だけど、定価5000円弱を払うだけの価値はある。



これ裏表紙。どっちが表かちょっと考えてしまう。キノコの彩色がちょっと派手すぎるのは気のせい……じゃないよな。モエギタケそんな真緑じゃないって。もしかして「原色図鑑」ってそういう意味なわけ?



図版はおそらく複数人数で描いていて、テイストにかなりバラつきがみられる。そんでもイラスト図鑑ってのが個人的に大好きなので、評価甘めになっちゃうんだけどね。見るの楽しー。



このへんのキノコ図版……子供のころの愛読書だった旺文社の『貝と水の生物』を思い出す。キノコの形もそうなんだけど、画が大味なあたりとか特に。



巻末の『きのこ概説』をはじめとした文が50ページほどあって、これがかなりリキが入っている。簡単なキノコ料理レシピまで。食べ方まで指導してくれる図鑑ってすごいよな。っていうかやり過ぎじゃ?


コレクター的には◎だが、実用性はかなりあやしい、というのはここだけの秘密。「これどう見ても違うだろ」ってのがかなり混じってる。ミダレアミイグチが緑色なのには笑った。

つばききんかくちゃわんたけ

2012-03-27 21:10:35 | キノコ
今日は天気に恵まれ、お散歩日和。ようやっと春らしい日が訪れた。撮影にももってこいの日だ。

腕が相当鈍っているので、とりあえず何でもいいから撮ろうと思って歩いていると、ツバキの木が目に入った。そういえばツバキの下に生えるツバキキンカクチャワンタケなるものを見たことがないのを思い出した。「小さいし地味すぎる」という理由で今まで無視してたんだよな……探してみるか。

あ、あった。

開始5秒で見つかった。探すのもっと面倒かと思ってたら、なんだ、全然普通に生えてるんじゃないか。ちょっと干からび加減のものが多かったけど、新鮮なのもある。バックの花びらは、まあお約束ってやつだよなー。



この後、ツバキンが佃煮にできるほどワサワサ生えてる場所を発見。うへー、何者だおまえら。

ふきのとう

2012-03-26 21:13:57 | 植物
暑さ寒さも彼岸まで……とはいうものの、春の足取りは遅々として進まない感じが。昨日なぞは雪が舞う始末。

フキノトウは顔を出してずいぶんになるけれど、いまだに思案顔。「どうしよ、寒いよ……」

『街で見つける山の幸図鑑』

2012-03-24 12:54:12 | キノコ本
『街で見つける山の幸図鑑』  井口潔

都会でも天然の食材が手に入る!なんて心踊ったりするのは私だけだろうか。山菜だとどこ探しに行ったらいいかわからない上に、遠くまで出かけても採れる保証がなかったりする。でもこの本で扱っているものは、街中でも探せばけっこう手に入るものばかり。しかもライバル不在で採り放題。もちろんタダで手に入るだけに、味は万人向けとは言い難いけれども、間違いなく新鮮でしかも旬、目新しさにくわえ、自分で採ってきたという実感がいいスパイスになって、意外とあなどれない味なのだな、これが。

『街で見つける山の幸図鑑』、著者はきのこ人として名が通っていて、いくつかのキノコ著作もある井口潔氏。

ボリュームたっぷりの本で、A5サイズに300ページもあってずっしりと重い。この本でとり上げるのはキノコ・野草・樹木からそれぞれ約30種類ずつ。その特徴から採取時期、場所、利用方法まで、ちょっとしたエピソードもくわえてたっぷりと紹介してくれるのがありがたいところ。しかもそのほとんどが身近でありふれた種類であるうえ、特徴が多くて判別しやすい種類を優先しているあたりもgood。さらにその利用法は、食べるばかりでなく果実酒やジャム、薬草、草木染めにまでおよんでいる。

巻頭にカラー写真ページがあるなど、情報がたっぷり詰まっているので定価2400円は妥当価格。装丁デザインは見て見ぬフリをするとして、内容の本気度は並大抵のものではない。


≪飼育しているダンゴムシにケヤキの落ち葉を与えてみると、餓死ぎりぎりになって、やっとしぶしぶかじり始めるというありさまである。葉は細かいガラス状の結晶を含んでおり、これが口に合わないということらしい。ちなみに、飢え死にしても食べなかったのはクスノキとイチョウの葉であった。≫

井口さん。あなたすごーくヒマ人でしょ。



えー、カレエダタケ食うのー?

小林路子作品展

2012-03-21 01:05:06 | イベント
東京のギャラリー0 (オーツー)で行われていた小林路子作品展を見に行った。

小林さんといえば日本のきのこ画の第一人者。写実的ながらメルヘンティックで美しい作品は画集や絵本にもなっていて、見ているとうっとりしてしまう。原画を見る機会はめったにないので、三重から遠い東京で、しかも3月17~23日(しかも22日は休)の短い会期というちょっとキビシイ条件に、ゴリ押しで予定を合わせて訪れることにした。

場所は東京でもややはずれに位置する馬込。地図を頼りに訪ねてみたのだが……



えーと、ここでいーのか?ただの民家の玄関だと思うんだけど。あ。「自由にお入りください」って張り紙が。



ギャラリーは本当に民家だった。一階のピアノ室と和室の二間にわたって、障子の明かりを活かした展示がなされている。

ピアノ室にはハッピーオウル社『きのこの絵本』の原画など、きのこの水彩画10点ほどと、関内重男さんの手がけた木彫りキノコに小林さんが彩色を施したものが20点ほど。和間には小林さん自身、初の展示とおっしゃる植物と、ご自宅で飼ってらっしゃる金魚の水彩画が10点ほど、それに、小林さんの著作や絵葉書などが展示されていた。

展示作品数は少なく、小じんまりとした展示会場だったのだけど、まとまりがあって落ち着いた雰囲気。和間ではお茶とお菓子をふるまってくださり、座ってくつろげるようになっている。しかもこの日は小林路子さん本人がご在廊!一緒に居合わせた他のお客さんと一緒に小林さんを囲んで、キノコやその他の森の生き物、あるいはキノコ作品なんかのよもやま話を聞くことができ、とても楽しい時間が過ごせた。話せても5分か10分くらいのもんだろうと思ってた私には完全予想外の大ボーナス。結局2時間以上も長居してしまった……。

小林さん、いっしょに居合わせて話をしてくださった方々、それにギャラリーの方々、楽しい時をくださり、ほんとうにありがとうございました。



購入した絵葉書。ハルシメジとウサギのなんかもう!

『キノコ・ワールド最前線』

2012-03-16 12:36:08 | キノコ本
『キノコ・ワールド最前線』 山中勝次


キノコは動物でも植物でもないとか、キノコの含有成分は有用であるとか、そういう細かいことはさておき、フツーの人々にとってのキノコとは、圧倒的に食べ物である。

マツタケ!(8年間食ってない)

トリュフ!(見たことすらない)

ポルチーニ!(なんだそりゃ)

見せましょうじゃありませんか高級キノコの裏舞台。なかにはニセモノ騒動やら産地詐称なんてスキャンダラスな話題もありまして、なにやら楽しみじゃありませんか。

そして、本書のもう一つの目玉が、名づけて「キノコビジネス『仁義なき闘い』」。栽培キノコ大手二社のエリンギマイタケブナシメジをかけた闘いだ。のんきなシーエムソング流しといて、裏ではライバルとビンタの応酬! ああ楽しい。本当はこのまきぞえを食って討ち死にするのは日本各地の小規模キノコ農家なんだろうけど、もうおかまいなしだね。

純真無垢に見えるキノコたちも人間サマの手にかかりゃ一転、金のなる木。アガリクスだかメシマコブだかマジック・キノコだか知らねぇが、今日もキノコ鍋と行こうじゃありませんか、ねえ、奥さん。

あ、シイタケは国産ね。


……以上、昔書いた一般向けレビューの流用。妙にテンション高いが、これはこれで簡潔に完結してるので形を崩せない。ってことで、そんまま載せてみた。

『キノコ・ワールド最前線』……商業的食用キノコの裏話を中心とした異色のキノコ本。キノコスキーな人はともかく、きのこの生産・販売に関わる人ならば是非とも読んでおきたい内容だ。

○「刷り込み」によって決まる好き嫌い
……地域によってキノコの好みが違う
○世界三大キノコ・ブランドの威力とからくり
……マツタケ・トリュフ・ポルチーニの国境を超えた産地秘話
○繰り返される、「贋マツタケ」騒動
……人工栽培マツタケ詐称事件
○マツ林にはない中国西部のマツタケ
……常緑広葉樹林に生えるという中国マツタケの産地ルポ
○キノコとはなにか、意外にむずかしいその答え
……キノコってどんな生き物?
○摩訶不思議な知られざる生態
……奇妙な生態のキノコたち、冬虫夏草など
○味・旨みを確かめられるおいしい、おいしい食べ方
……キノコのおいしさを引き出すためには
○キノコ好きの調理法
……各キノコの具体的調理法
○美容と健康におよぼす多くの機能
……健康食品としてのキノコとその実際
○ついに「仁義なき戦い」に突入した巨大生産ビジネス
……大企業のキノコビジネス闘争

以上、概要ナリ。キノコ読物トシテ価値高シ。




みえ菌輪の会・総会&きのこde宴会

2012-03-13 22:00:52 | キノコ料理
私の所属しているきのこサークルの総会&宴会が行われた。どちらかというと総会はオマケで、メインは宴会のような気がする。その証拠に、宴会が先で、総会は後回しなんだよな(^^ゞ



今回のメインはたこ焼き。具はタコだけじゃなくて、キノコやエビやチーズやで盛りだくさんだった。具を入れすぎて丸くするのに大苦戦?



毎度恒例、なんちゃってきのこ料理。プチトマトを使ったタマゴタケ、きれいでかわいい!



オオゴムタケ風わらびもち。もにゅもにゅとした食感がいい。



芸が細かいケシボウズ。知る人ぞ知るマイナーキノコだけど、完成度高い!



バナナケーキ。キノコとはあまり関係ないけど、おいしそうだから撮った。現においしい。

その他、きのこご飯にきのこ汁、きのこの白和え、カニノツメサラダ、きのこ印まんじゅう、ぼんたん煮のココアまぶし?などなど(まだあったような気がする)きのこメニューの目白押しで大満足。
料理に腕をふるってくださった女性陣のみなさん、ありがとうございました。



食いもの撮るのに一生懸命で人あんまり撮ってない(-_-;)
人撮るの下手なんだよねー。

『きのこ組の本』

2012-03-10 12:41:28 | キノコ本
『きのこ組の本』 すずきさちこ

きのこっのっこ~のこげんきのこ えりん~ぎまいたけぶなしめじ♪のCMソングできのこメーカー「ホクト」の名を全国に知らしめることになったマスコットキャラ「きのこ組」が、とうとう漫画になっちゃった!という、変形メディアミックス、もとい便乗商売的な本。

漫画は若年層、特に女性向けで、四コマ、ないし五コマ。ときおりイラストや写真などを挿入させつつ、キャラクターの個性を重視した……

ああもう面倒くさい。ウン、この際だからはっきり言おう。

この本、中身スッカスカ

そこそこかわいきゃそれでいいと思ってる!キノコへの愛情がまったく感じられん!個人的にそーいうのは許せん!

そもそもがキノコ的になっちゃおらんのよ。ご当地キャラとかイメージガールとか、性質上、あたりさわりないよーにするのが定石だっていうのはわかるんだけど。キノコは植物でもあり動物でもある存在。ときに薬として、ときに毒として「生」も「死」も招く存在。さらに言えば「正邪」「聖俗」ごたまぜな存在であるわけなのよ。

そいつらが全員仲良し一色でどーするよ!ぜんぜん混ざんないじゃん!卵の入ってない卵かけご飯じゃん!いくら混ぜてもただのご飯じゃん!

……はあはあ。ゴメン、ちょっと取り乱してしまった。今のは聞かなかったことにしてくれ。ああでもマイタケ・エリンギ組とホクト・ブナピ組が対立して、中立のブナシメジがあいだをかきまわす的な愛憎ドロドロストーリーだったら良かったのになって(そりゃムリだろ)。

それにしてもこの本、やけに高いなー(1300円)と思ってたら、届いて納得、製本が良すぎる。なにやら余裕らしきものが感じられてちょっと嫌味だ。あとブナシメジちゃんはどう見ても男の子にしか見えん。無理やり女性比率上げようとしてないか?それとホクト君は黄緑色をしているが、カビでも生えたのか。


注:この書評は客観的かつ公平な見地にもとづいており、ライバル企業を誹謗・中傷および嫉妬・羨望するものでは多分ありません。


『東京きのこ!』

2012-03-07 22:08:51 | キノコ本
『東京きのこ!』 西野剛

『都会のキノコ図鑑』の前に東京ローカルのキノコ図鑑が存在していた!知らんかったぞな。

1993年発行、タイトルは『東京きのこ!』。お尻にくっついてる「!」マークは、愛嬌ってやつかな?ウン。

職業カメラマン歴を持つ著者なので、写真の腕はいい。当時はまだフィルムカメラの時代だったから、特にキノコのような撮りづらい被写体を狙うには、装備と技術が必要だったはずだ。今じゃ性能のいいデジカメが安価でゴロゴロしてるので、数撃ちゃ当たる式でいって、あとは画像処理でも使えば、私みたいなシロートでもそこそこやれるようになったけど。

ただ、自費出版の本らしく、装丁を含めて、本そのものの作りが安っぽく見えるのは致し方ないところか。定価1900円も100ページちょいの本としては高め。
掲載種数は170種、これもまた制約上、物足りないのは仕方がないが、一番惜しいのは記述の量が少なすぎる点だ。一種のキノコに対して多くて100字程度。図鑑としての実用性は多くをのぞめない。なにゆえ東京なのか、という著者のこだわりがうかがえるような文章がまったくないのも残念。せめてあとがきは欲しかった。



図鑑という道を捨てて、もっと写真点数をしぼってキノコ鑑賞専用にするという道もあったと思う。自費出版のわりには頑張って作ってあるので、見て楽しむ分にはOK。ちなみに、キノコの形ごとに分類してあるのが我流って感じがしておもしろい。ついでに言っとくと種類の同定がちょっとあやしい。

公開シンポジウム『菌類のふしぎと他の生物との関わり合い』

2012-03-04 22:32:37 | イベント
大阪市立自然史博物館で行われたシンポジウムを見に行った。

写真は当日配布のパンフレット。これが異常にいい出来で、「なんだ、これがあれば講演聞く必要ないじゃん」と一瞬だけ思ってしまった。もちろんそんなことはない。



会場は盛況と言っていいんじゃなかろうか、ざっと100人くらいは来場していたように思う。

将来性の高い研究の取組みに対して国が重点的に支援を行う「グローバルCOEプログラム」のひとつとして採択された、鳥取大学の「持続性社会構築に向けた菌類きのこ資源活用」の研究チームがこの公開シンポの主催者。講演のラインナップはいずれも興味が持てて難解過ぎない内容で、なおかつバランスがいいのがうれしかった。

講演は6題。

『クロマツと一緒に生活するきのこ「ショウロ」の栽培』霜村典宏

ショウロ人工栽培技術の開発の話。クロマツの根に効率よくショウロ菌を感染させて菌根を作らせる。品種の選抜と必殺テクニックにより、播種後3~4ヶ月でキノコが形成されるようになった。

『きのこ栽培の悩みの解決を目指す!』松本晃幸

きのこ栽培の現場の職業病として、胞子による肺疾患(きのこ肺)がある。それを未然に防ぐものとして、胞子を作らない品種を開発している。紫外線照射による突然変異体から、特にエリンギで実用レベルの品種開発に成功した。

『「分解者」としてのきのこは「生産者」になれるのか?』會見忠則

バイオエタノールの生産にキノコを活用しようという研究。リグニンやセルロースを分解できるキノコなら、独力で廃材からエタノールを作っちゃうことだってできるかも。代謝経路は見つけたが、今のところ、その経路を活性化させる方法がない。

『光合成をしない植物(菌従属栄養植物)の菌根共生』大和政秀

ギンリョウソウやタシロランといった、菌類に栄養を依存する植物の研究。これらの植物の多くは、相手の菌類を選り好みする傾向がある。菌根をうまく培養すれば、種の保存、園芸などへの応用も可能。

『昆虫に栽培される菌類の生態』梶村恒

カビを栽培して幼虫の餌として利用する昆虫の話。キクイムシは木に穴を開けて卵を産むが、その際、穴の壁面にカビの胞子を植え付ける仕組みを持っている。ナラ枯れの元凶とされる虫もその一種だが、ハチやハエ、オトシブミといった昆虫にも同じ仕組みを持つものがある。

『里山の生態系変化の中での菌類』佐久間大輔

里山は人間の活動の中で大きく変化してきた。キノコの分布もそれに歩調を合わせている。大阪でも、草地、柴山、マツ林、ナラ林など、それぞれのサイクルで利用されていたことが知られ、マツタケも産していた。戦後の燃料革命の後に放棄された里山とキノコの今後の姿に注目したい。

以上、超要約で。盛りだくさんでおなかいっぱい。キノコでエタノール生産ってのは、難しいと思うけど、かなり野心的な取り組みなので頑張ってほしい。「食べると酔っ払っちゃうキノコ」という間違った想像をして楽しむ私のような人間は捨ておいて、研究に没頭してほしい。



博物館の展示を見る時間がなかったのは残念!



わーい、きょーりゅーだー\(^o^)/



こっ!この展示はかなりヤバい!





『gdgd妖精s』

2012-03-01 01:13:51 | キノコ本
『gdgd妖精s(ぐだぐだフェアリーズ)』 アニメーション

今、巷で話題沸騰中のキノコアニメ……ではない。ぜんぜんない。

宣伝なし、スポンサーなし、こんなもんよくテレビ放映できたなっていうレベルのセコい作りをした低予算CGアニメ。

ストーリーなんてものはナシ。三頭身がかわいい三匹の妖精「ピクピク」「シルシル」「コロコロ」が喋ったり遊んだりするっていうそんだけ。どっかのデザイン学校の学生が夏休みの課題で作ってきたような安っぽいCGでつくってあるんだけど、そのへんに無料でころがってそうなCG素材をあえて多用してるあたり、ほとんど確信犯的。声優たった3人!スタッフロールが1画面に収まる!いわく「業界もびっくりの低予算」。それを反映してDVDが一枚1600円というのは偉い。

このアニメのすごいところは本当に「ぐだぐだ」に作ってあるとこ。マジメに作ってたけど最終的に息切れしてぐだぐだになっちゃうことはよくあるけど、第一話のしょっぱなから妖精たちが全力で「ぐだぐだ」な会話を始めるので、こちらはもう脱力・お手上げ・再起不能になるしかない。そこへもってシュールかつ意味不明なネタをねじ込んでくるので、観ているとけっこうダメージがデカい。ごめんなさい、実はけっこオモシロいっす。

一話は15分で、基本的に三部構成。
3匹がただひたすらくだらない会話をする「gdgdティータイム」
3匹が魔法を使ってくだらない遊びをする「メンタルとタイムのルーム」
3匹が音声なしのくだらないCG映像に無理やりセリフをつける「アフレ湖」

どれもまあヒドいが、「メンタルとタイムのルーム」では「飼いたくない動物しりとり」「バンジー・パン食い競争」などでマトリックスも登校拒否になりそうな投げやりなCGが楽しめるし、「アフレ湖」では、声優が本当に脚本なしのアドリブでやっている(おいおい)その微妙な空気感が楽しめる。

キノコ的には妖精「コロコロ」がキノコ帽子にキノコワンピで登場。彼女は無口なのだが、たまに喋ったと思ったら、とんでもなくブラックな話や意味不明な妄想を口走る。まあこんだけならなんともないんだけど、彼女の魔法のステッキがなんとエノキタケ(5本)!

これがかなりカワイイ。



ちなみにブルーレイディスクの初週売上げで最新ガンダム(不人気)に勝利したそうだ。メジャー昇格の日は近い?

公式サイト