月刊 きのこ人

【ゲッカン・キノコビト】キノコ栽培しながらキノコ撮影を趣味とする、きのこ人のキノコな日常

おおきのこむし

2014-05-30 20:33:13 | 動物
カイガラタケを訪れたオオキノコムシの仲間。

キノコを食べる昆虫はたくさんいる。オオキノコムシはその中でも大型で、模様も美しいので昆虫採集の対象になるようだ。

黒に赤の四つ星は、なぜかわからないけど木に集まる甲虫のフォーマルスタイル。よく似た毒虫に偽装してんのか・・・?

かたつむり

2014-05-28 22:56:14 | 動物
でんでんむしむしカタツムリっと。

実はカタツムリってすごいたくさんの種類があって、貝殻の収集家とは別に、カタツムリの収集家というのがいるくらい。同じ種類のカタツムリでも模様に個性があって……とかで、すごく奥深いとか。

でんでんむしってのろいからすごく撮りやすいかと思いきや、実は難易度高し。たいてい暗いとこにいるのでシャッター時間が長くなる、そうすると……一番のチャームポイントであるお目々がピンぼけしてしまうのだ!

とか言っても、あんまり共感されないんだろうなぁ(いろんな意味で)。

ちなみにこの写真のは種類わかんない。クチベニマイマイ?

とんぼ

2014-05-26 23:05:54 | 動物
トンボは昆虫の中ではかなり撮りやすい方だ。明るいところに出て来て、何かにとまったら、じっとしていてくれるので。物陰にいるような虫は、シャッター時間が長くなっちゃうから、ちょっと動いただけでもピンぼけになっちゃうんだな、これが。

サナエトンボの分類、難しすぎだろ・・・かろうじて特定。えーと、アオサナエのメス、かな?




ついでに。ヒイロタケとシオヤトンボ。

えごのき

2014-05-25 23:01:54 | 植物
エゴノキ、今あちこちで白い花を咲かせる。初夏の陽光を浴びて美しい。

毒があって、かつては川魚をマヒさせて浮き上がったのを捕まえる漁に使ったとか。

キノコ関係ではエゴノキ専用のキノコ、エゴノキタケがある。

ぬまがえる

2014-05-24 21:21:40 | 動物
ツチガエル。いわゆるイボガエルと言われているヤツで、アオガエルのような美しさはない。

逃げないのをいいことに超接写したった。意外にも目がかわいい。

→よく調べたら、この子はツチガエルじゃなくてヌマガエルでした。ゴメンナサイ<(_ _)>


『山渓フィールドブックス きのこ』

2014-05-19 19:12:17 | キノコ本
コトッ。金属部品を置くときの湿った物音が、静かな倉庫に響く。男は次の部品を手に取ると、油の臭いのする布で、ふたたびそれを磨きはじめた。
男はひとり木箱に腰掛け、武器の手入れをしている。その手つきは、なめらかで寸分の狂いもない。平穏の日も、激戦の日も。毎日積み重ねた現役兵としての修練の帰結が、その所作に凝集されているようだった。

……ふいに男は動きを止める。その眼は闇夜の獲物に狙いを定めるフクロウさながら、薄暗い倉庫のドアに焦点を定めると、微動することすらなかった。

コツ、コツ。

「いるか?」

ノックの後に扉の外から、控えめに様子をうかがう男の声がした。聞きなれた声だ。ひさしく聞かなかった戦友の声……

「ああ、入ってくれ。」

手を止めたまま男がぶっきらぼうに言うと、ゆっくりと開いた扉から、堂々とした体躯が現れた。倉庫内は暗く、逆光になって顔が見えないが、確かめるまでもない。

「いつもこんな陰気くさいところで武器の手入れを?“ガレージ・ウルフ”ってあだ名はダテじゃないようだな。」
「やあ、将軍。直々のお出ましとは、こりゃ明日の配給にはワインが出るな?」
「茶化すのはよせ、アガリクス。寂しがってるだろうと思ってこうして来てやったのに。」
「フン、ぬかせ。そんなものは誰も頼まん。」

ぞんざいな口のきき方とは裏腹に、顔は笑いながら、“アガリクス”と呼ばれた男は続けた。

「で、今日はどのような御用向きかな?ボレトゥス司令官。」

男は、沈黙を答えにすると、手近な木箱を見つけてゆっくりとそれに腰かけた。

「“ボル”でいい。こんな戦況では肩書きは重くてな。せめてお前だけは昔のまま俺と向き合ってくれないと……」
「ふふん、ずいぶんと弱っているようだな、ボル。『戦場の鬼』のふたつ名が泣くぜ?」
「そう言ってくれるな。こう毎日机の上で煮詰められては、鬼だって泣き言を言いたくなる。」

男はそう言うとアガリクスの手元の武器に目を止めた。

「山渓フィールドブックス、YKFか。お前まだそれ使ってたのか?」
「文句あるか?掲載種数1155種は全図鑑の中でもトップクラス、それでいてこの取り回しの良さ。写真がいいうえに解説は簡にして要を得ているし、植物寄生菌や変形菌まで網羅するカバー範囲の広さは……」
「ああ、わかったわかった。まあそいつのスペックもお前の経験と知識があってこそだけどな。新兵のあいだじゃいい評判は聞かんぞ?だいたいそれ初版だろ。新装版は使わないのか?」
「あれは外装が手抜きだ。湿気に弱い。そんなものに命は預けられん。」

ボレトゥスは一つため息をつくと、顔をうつむけ、ひとり言のようにつぶやいた。

「あいかわらず直截だな。その物言いがなければ、もうちょっと出世できたものを……」
「フン、またそれか。悪いが俺は好きで前線にいる。出世に興味はない。」
「お前がそばにいれば助かるのに、ということを言っているんだ、わからず屋が。」
「頑固はお互い様だろう。……覚えてるか?ボル。同じチームにいた頃。あんた39度の高熱でぶっ倒れそうなのに、夜の見張りに立つって聞かなくて。結局俺があんたの見張りやらされる羽目になったんだよな。俺は必死に抗議したよ、なんで見張りの兵隊を見張らなきゃなんねえんだって。」
「違う、あれは!フロッグの奴も風邪だったから!負担かけたくなくてだな……」
「俺だったら負担かけてもいいのかよ!」
「お前、見張りったって、ほとんど居眠りしてたじゃないか!」
「あ?そうだったっけな?」

他愛のない会話で、束の間笑いあう。共に死線をくぐり抜け、無条件に信頼しあうふたりだからこその空気。だがそれも、戦時下という状況にあっては、ほんの息抜きでしかない。アガリクスは、ふいに笑いを止めると真顔に戻り、戦友の目を覗きこむようにして言った。

「今日はこんなバカ話をするために来たんじゃないだろ?ボル。」

「……ああ。」

男は、一度顔をそらして答えると、一呼吸おいてから司令官の顔を取り戻して向き直った。
「アガリクス、君に頼みたい任務がある。君にしか頼めない仕事だ。」
「危険な任務なんだろう?」
「この戦いの勝敗を左右するほど重要な作戦だ。」

ふふん、とアガリクスは鼻で笑うと、彼は立ちあがった。

「水くせえな。ボル、あんたは司令官だ。お茶くみだろうと特攻だろうと、部下には傲慢に命令を下せばそれでいい。あんたの言うことならば、俺は何だって聞く。」
「すまない。」
「だから、それが水くせえって言ってんじゃないか。」

司令官はいくぶん表情を和らげ、かなわないな、といったふうに首をかるく振ると、話を続けた。

「作戦は少数で敵地に乗り込んでの潜入工作になる。まだ詳しくは話せん。詳細は追って伝える。」
「潜入工作……隠密行動か。……ひとついいか?人選は俺に任せてくれ。フロッグがほしい。」
「フロッグ?あいつでいいのか?」
「ああ、精鋭って感じじゃないけどな。話に出たら急にヤツと組みたくなった。」
「あいつならお前になついてたからな、いいだろう。頼む。」

立ちあがって差しのべられたボルの手をアガリクスが握る。これ以上の言葉はいらない。

戦友が立ち去るのを見届けると、男は再び武器の手入れを始めた。その手つきは、なめらかで、寸分の狂いもなかった。


(きのこ戦記シリーズ 『北陸のきのこ図鑑』




『山渓フィールドブックス きのこ』
その質実剛健さがたまらない、携帯フィールドきのこ図鑑の古参にして、今なおハイクオリティな一冊。

掲載種数は大量1155種!
シンプル&コンパクト、まったくムダのないお堅い構成!
冬虫夏草・粘菌・サビキン マイナー菌類大活躍!

まさしくキノコを観て調べるだけで幸せになれる観察屋さんのためにあるような図鑑である。しかもジメジメした野外でも使用に耐えられる防水仕様の表紙(ただし、旧版)、これがなめらかで触っているだけで気持ちよく!軽すぎず重すぎず、このサイズがまた絶妙で!井沢さんの写真もキレイだし!用もないのについついめくってしまう。

ただし、掲載種が多すぎて、キノコひとつひとつの解説が極端に短いので、「日本のきのこ」(山渓)や「原色日本新菌類図鑑」(保育社)などの巨大図鑑と組み合わせて使うことをおすすめする。フィールドで見たわからないキノコにだいたいの目星をつける、あるいは見たことのあるキノコを確認するなどの場面で真価を発揮するだろう。



なお、2006年発行、カバー表紙がドクツルタケの新装版は内容が多少新しくなっているものの、表紙に防水仕様になっておらず、雨の日に持ち歩いたりするとヨレヨレになるのでご注意。

やまとしじみ

2014-05-18 23:15:56 | 動物
数あるチョウのなかでも超ド普通種。どんなとこにもいる。

たしかに幼虫の食草のカタバミはどこにだって生えてるし、体が小さいからエサも少量でいいんだろうか。

シジミチョウは似てる種類が多くて、見分けるのが大変。