なんだか巨大なフウセンタケが株になってるのを発見した。
フウセンタケが株になってるって……なんかヘンだな。近寄って見てみると、やっぱりフウセンタケとはどことなしに違う。柄にはっきりとしたツバがあって、そっから下がケバケバしてる。あれ?これはもしかすると……!?
古くなってひっくり返ってるのが近くに一つ落ちてたので、拾ってにおいをかいでみた。やっぱり!ナガエノスギタケだ!
ナガエノスギタケはとっても地味だけど、キノコ界では知る人ぞ知る存在。別名を「もぐらのせっちんたけ」と呼ぶ、モグラの便所に生えてくるという珍しい生態を持つキノコなのだ。
モグラは地中に作った巣の周りに便所をつくる。その養分を求めて木の根が伸びてくるが、その根っこに菌根を作って育つのがナガエノスギタケだ。トイレの浄化という役割を果たすので、モグラと共生していると言えなくもない。
このキノコ、独特のにおいがあって、図鑑には「独特の臭気」とか「せっけん臭」とか書いてある。しかし、今回においを嗅いだものは、不自然なくらい強いフローラルの香りがした。せっけんのにおいと言えなくもないが、これはやっぱり芳香剤の香りだと思うんよ。
古くなったナガエノスギタケから香るこのにおいを、私は「さわやかサワデー臭」と命名したい。ホラ、便所に生えるわけだし(笑)
それにしてもこんなに大株になるのは珍しい。掘り返すと地中深く柄がのびてるはずなんだけど、そこまで根性はないので掘らなかった。