月刊 きのこ人

【ゲッカン・キノコビト】キノコ栽培しながらキノコ撮影を趣味とする、きのこ人のキノコな日常

彼岸花 日没コールド

2009-09-23 20:05:29 | 動物
彼岸花を秋の青空と組み合わせるのもよくあるパターン。普通は田んぼなどの季節感あふれる風物と組み合わせて三点セットにするんだけど、ま、ありきたりと言えばありきたりなので、どうでもいいことにする。彼岸花は葉っぱがないので、キノコ的見上げアングルで撮ってみた……ちと色抜けが悪いな。レフがいるんか?そもそも今年の彼岸花の茎は妙に黄色っぽいのが気になる(被写体にケチつけて撮影技術のなさを隠蔽)。

そうこうしてるうちに撮るのがつらい暗さになってきた。刻一刻と光線の具合が変わる夕暮れの撮影はスリリング。もたもたしていると時間はまたたく間に過ぎる。ふー、結局満足いくのが撮れずじまいだ。ま、今日はあきらめるか。また来週(ことによればまた来年)。



たそがれの空がステキだったので最後に1枚。あれま、これが一番きれいだ。彼岸花はシルエットだけでも十分に美しい。でもこれって彼岸花を撮ったことになるんだろうか……

彼岸花

2009-09-21 20:58:42 | 植物
雨は全く降らない。カラッとした天気は快適なことこの上ないけど、キノコはまったく生えないね、こりゃ。でも、なまじ期待して探し回ったあげく、くたびれ儲けになるよりはマシかな、と考えることにする。

田んぼのあぜ道に彼岸花が咲き始めた。何にもない所からニョキッと生えてきて花咲かすあたり、キノコ的と言えなくもない。場違いな真紅の花なんかは綺麗なのを通り越して妖しい感じだし、ついでに有毒植物だそうで、その辺もポイント高い。どことなく死のにおいのする植物だ。しかもこれが彼岸の頃にいっせいに生えるっていうんだから話ができすぎている。三途の川のほとりはコイツで埋め尽くされてるんじゃないかなどと想像もしたり……

そんなこんなで彼岸花をうまく撮ってみたいなと思い、去年から挑戦しているんだけど、これが意外に難しい。

まず花がデカイこと。マクロ撮影を試みようと接近すると、画面からいきなりはみ出てしまう。

次にかたまりあって咲くこと。彼岸花は数十本が重なり合って生えることが多いけれど、一本一本の花が複雑な形をしているのがアダになって、花をいくつも画面に入れるとゴチャゴチャになってしまう。(上の写真がその見本)

もう一つ、花が赤すぎること。あまり光の強い状態で撮ると、デジタルの表現できる限界を越えてしまい、花がペンキで塗ったような赤になってしまう(通称・色飽和)。ま、今回は夕方撮りにいくから、その心配はあんまりないけど。



ゴチャゴチャ回避のためのセオリーとして、カタマリからはみ出た独り者の花を見つけて主役にし、背景に群落を入れるって手がある。でね、探したんだけどね……全然ないし。
こんなにたくさん生えているというのに……なかなか都合よく生えてはくれないんだよねー。ついてないな。

逆光気味に撮影。花は入りきらないので3分の1カット。本当は背景に山か田んぼを生かしたかったんだけど……それ以前に花が全然きれいじゃないな。チッ、失敗か……

メッカ巡礼6

2009-09-14 21:54:52 | キノコ
例年にくらべキノコの発生量は少ないとはいえ、真打ちの登場もあり、そこそこの戦果をあげて、富士山でのキノコ採集はお開きとなった。関東の皆さんとはここでお別れ。お世話になりました。

さてと、ドライバーはこっからひと仕事。富士から今度は伊豆の温泉宿にむかってひとっ走りするのだ。眠い……

この後、少々の紆余曲折があったけど省略。無事にホテル・ニュー八景園にたどり着くことができた。疲れたー。

屋上の大露天風呂を満喫し、ご馳走をたらふく食う。まさしく極楽とはこのことだが、この後のキノコ鑑定を前にしてあえなくKO。まあ無理ないかー。おかげでキノコのことなんも覚えてないけど……

翌日、帰途へ。

途中で観光などしながら、ゆったりと帰った。

焼津のおさかなセンター。

マグロ一輪ざし?



渋滞もうまく避けてゴール!みなさま、お疲れ様でした。





メッカ巡礼5

2009-09-11 21:21:58 | キノコ
ずいぶんと歩き、日もだいぶ昇ってきたところで休憩……のつもりが、誰が言うでもなく昼食になってしまった。まだ10時だけど……朝めしを食ったのが4時だからねぇ。腹が減ってしょうがない。これほど午前が長く感じたことはないよ……

食後、近くにベニテンがあると教えてもらった。ホントだ。生えてる。

ここまでくる途中でもチラホラとはあったんだけど、ここのはまとまって生えてる。ベニテンを見るのは今日が初めてだ。美しさはキノコの中でも別格と言っていいほどだけど、意外に撮るのは難しいね……シラビソ林にも生えるんだ、初めて知った。

昼食後、なおもキノコ捜索は続く。

写真の方がイマイチだったせいもあるが、いつしかターゲットは食えるキノコになっていた。とりあえずクロカワを狙う。クロカワは……ほとんど石か落ち葉かにしか見えない超地味キノコ。苦味が日本酒にあうといってマツタケより珍重する人もあるキノコだそうだけど……いや、ホントに見つからん。シロウトにゃ無理だって。

とかなんとか言ってるうちにオオモミタケを発見したとの報が。

駆けつけて見ると……



え?これっスか?このモコッとしたのが?大喜びのIさんを横目に見ながら、私はちょっとした絶望感を感じていた。「こんなん絶対ムリや……難易度高すぎる……」


……発掘中。

「おお?これは?」今度はT氏が声を上げた。ちらっとのぞくとまたもやモコッとしたのが。ベニタケかなんかだろ、どうせ……などと思っていたら、「やったー!」と、さらなる歓声が富士の山中にコダマした。え?Mタケ?マジで?

どうもオオモミタケが出たあたりから目の色が違うとは思っていたが、どうやらT氏自慢のキノコセンサーがスーパーアクティブ・モードに切り替わっていたらしい。以後「ゴッド・ハンド」T氏が賞賛をほしいままにしたのは言うまでもない。



左が例のブツ。こんな地味なモンを。う~む……まさしく神の業。




メッカ巡礼4

2009-09-10 00:45:36 | キノコ
ヒメカバ。っていうかココで撮る必要のないもんばっか撮ってどうすんだ……

よく探して見ると、生えているのはまだ小さなキノコか腐りかけのキノコかのどちらか。大きめのキノコは方々にコロコロと転がっており、すでに何者かが訪れた後だということが見てとれる。やっぱり競争激しいんだねぇ。個人的には毒キノコでいいから残しておいて欲しいんだけど、それすらも少ないんだからしょうがない。

「おーい」

遠くの方で声がする。「~~があったぞ~」と言ってるような気がする。さては大物か?



ホウキタケだ。多分ノーマルホウキタケ。初めて見るなー。

三重の地元で食べられるキノコの話をすると、マツタケ、スドーシ(アミタケ)と並んでネズミアシ(ホウキタケ)の名が出てくるけれど、もう今では珍種の部類に入ってしまうほど減ってしまったそうだ。うん、なかなかきれいなキノコだな。



つづけて見つかったのは、またもやホウキタケ。ハナホウキタケの類縁種のようだ。この辺は類似種が多すぎて判別不能、というか分類自体がまだ固まっていないので、とてもシロウトの手には負えない。それにしてもホウキタケってピント合わせラクチンで撮りやすいなー。


メッカ巡礼3

2009-09-09 00:47:14 | キノコ
キノコ採りはいざ知らず、キノコ撮りにとって亜高山帯で何がステキかと言えば、それはコケだ。里山では沢沿いや日陰にちょろっとしか見られないコケが、それこそもう、どこもかしこもという具合に広がっている。地味なキノコにとってコケは定番アイテムと言ってもいいほど。背景にコケが広がっているだけで、キノコの魅力を3倍にも4倍にも見せてくれる。

さて……と。コケはいいんだけど……キノコがない。困ったな。キノコ狩りの人々の話によれば、今年はキノコの発生が遅いとのこと。あまり考えたくはないが、単純に発生量が少ないという可能性もある。単なるタイミングの問題なのか。それとも昨年来の異常気象の影響があるんだろうか。わからんな……

お、美菌だ。



富士くんだりまでやって来てドクツル撮ることもないか。

あ、クヌギタケぽいの見っけ。



やや、背景に変なモノが映りこんでしまったぞ。私としたことが。


いかんいかん、このままでは凡作だけで終わってしまう……


メッカ巡礼2

2009-09-08 12:36:35 | キノコ
各々乗り合わせて、金曜日の夜9時半に御在所SA集合。そこから夜道を静岡へ。

深夜でも意外に多いトラックの間を縫いながら、それでも途中トラブルもなく午前1時に富士川SAに到着した。ここで3時間ほど車で仮眠をとり、朝食を食べて富士山へ向かう。
朝メシは目玉丼400円。あまりの男らしさについ注文してしまったが、本当に一分のスキもなく目玉丼だった。味付けも客まかせ。しょうゆと七味かけてね……

夜明けの東名高速からは、白みかける空を背景にした富士のシルエットがかいま見えた。さすがに美しい。写真撮りたかったけどドライバーには無理さね。ちらちら横目に見るだけで我慢の子。

富士山に到着したのは朝6時半。関東の精鋭5名と現地で合流して、総勢15名の大部隊になった。さあて、準備も整ったところで、全軍、とつげきー。



道中並々ならぬ存在感のフジアザミ


メッカ巡礼1

2009-09-06 23:25:52 | キノコ
キノコ会の企画で富士山へ出かけることになった。

富士山といえば自殺の名所……じゃなかった、キノコ採りをする者にとっては聖地ともいえるほどのキノコのメッカ。ここはひとつ富士のご尊顔を拝しがてら、秋のキノコ開きといこうじゃありませんか。

渋滞を避け、なおかつ土日に繰り出してくると思われるキノコ採りの人々の先手を打つ意味も込めて、出発は金曜の夜。日付をまたいで富士の足もとまで迫り、仮眠のあと朝駆けを仕掛ける計画。お熱いスケジュールだ。しかも今回はドライバーの役目をおおせつかった。はりきって行こー!

写真コンテストに応募してみた2

2009-09-03 21:14:01 | 撮影
乾いた。さすが高級用紙、キレイに仕上がったな。少しずつ彩度や色みを変えて何枚か刷っといたんだけど……全然違いがわからん。あ~、プリントの良し悪しなんて全然わからないよ~、もう適当でいいや。

いちばん良さそうなのを勘で選んで、それぞれに応募票を貼りつける。この時、写真にはそれぞれタイトルをつけなきゃならない。撮影は得意でもタイトルつけるのが苦手って人が多いらしく、『写真タイトルのつけ方』なんて本もあるくらいなんだけど、私は得意なんよね、こういうの。

本命のオオオニテングタケの写真に「神殿、現る」
今年のヒトヨタケの写真に「青空よ、コンニチハ」
5年前の干からびたヤナギマツタケに「時は流れ…」

とそれぞれタイトルをつけた。いやーすばらしいねー……タイトルだけは。

1枚ずつをビニール袋に収め、曲ったり傷ついたりしないように厚紙にはさんで封筒に収める。最後に封をしてっと。

さぁー、頑張るんだよーあんた達。いってらっしゃーい。結果のでるのは12月号。楽しみだな。

写真コンテストに応募してみた1

2009-09-02 21:09:48 | 撮影
前からやってみようかなー、とは思ってたんだけど、キノコ写真を写真雑誌に投稿してみることにした。

狙うのは月刊『フォトコン』の月例写真コンテスト。写真雑誌の良し悪しなんて全然わからないけど、少なくともこのコンテストに入選する作品のレベルはかなり高いように思う。ちなみに『初級コース』と『中・上級コース』の二つがある。

どっちにするか?そんなの決まってるじゃないか、初級なんてヌルくてやってらんないよ。断固、中・上級コースに……すんません、ウソです。初級でいいです。

というか、このコンテスト、初級でも十分レベルが高い。絶対初級者じゃねーだろオマエ、ってのが大量に混じってるように感じる。私のような風まかせ運まかせのヘッポコカメラマンでは初級コースでも選に入るのは難しいだろう。ま、とにかく腕試しといこうか。

さっそく、エプソンの上級写真用紙、クリスピアとかいうのを買い求める。募集要項によれば、2L判でいいようなので、それを。と思ったけど、プリントの色を確かめようと思うと小さいのもないと不便だな、と思い、L判も買った。なんだかプリンタ会社の謀略にはめられている気がする。あと、写真1枚1枚を入れるためのビニール袋も買い求めた。

んで、応募する写真なんだけど……6年間キノコの写真を撮りつづけて、このコンテストに勝てそうな写真は何枚あるかといえば……

1枚

1枚しかないんス。いや、ホントに。キノコとしては上手に撮れたな、って写真ならなんとか撮れるんだけど、花とか滝とか紅葉とか、名だたるモチーフと対等に戦おうとなると、絶望的に不利なのよね、キノコって。まあでもそれだけ未開拓な分野であるわけで、そこが狙い目でもあるんだけど。

さすがに1枚だけってのもなんだな、と思ったので、枯れ木も山のにぎわい、5年前のベストと今年のベストを1枚ずつ足して3枚にしておいた。今年のベストは露出が甘くて傑作には程遠いし、5年前のベストは構図こそ完璧だが画質が悪すぎる。万に一つも選ばれることはないだろうが、審査員にキノコ写真家なるものもいるんだと認識してもらえればそれでいいことにしよう。

画像をレタッチ(画像処理)しなおして印刷する。あまり加工し過ぎるのは反則になるので控えめに、とは思っていたのだけれど、不思議なことに、出来のいい写真というのはほとんど画像処理を必要としない。結局トリミング(切り抜き)だけして、あとはほとんどいじらずに印刷した。

インクが乾くまでは色が落ち着かず、正確な仕上がりが分からない。一晩待っててね。