月刊 きのこ人

【ゲッカン・キノコビト】キノコ栽培しながらキノコ撮影を趣味とする、きのこ人のキノコな日常

うつろべにはないぐち

2015-09-30 23:55:18 | キノコ
けっきょく、念願のMタケは見つけられなかった。

もうひとつ、ひそかに目標にしていた”本家ポルチーニ”ヤマドリタケも見られなかったのは残念だったが、最高の状態のオオキノボリイグチをはじめ、三重ではめったに見られない針葉樹林のキノコをたくさん見られたので大満足である。
そもそも、キノコの聖地・富士山で、雨上がりのキノコ撮影ができた時点でもう満腹でお釣りが来そうなものだ。やっぱりここは特別だなぁ。

さて、トクさん。様子がおかしかったのは高山病(?)による頭痛と吐き気のせいで、私のせいではなかったらしい。よかった(全然よかない)。

クルマに乗せてもらうわ、道を案内してもらうわ、お弁当を用意してもらうわ、なにからなにまで世話になりっぱなしで、対する自分は何のお返しができたものか、ただただ頭が上がらないばかり。

とにもかくにも楽しかった。トクさん!ありがとうございました!

またいつかマツタケみつけましょうね!


おおうすむらさきふうせんたけ

2015-09-29 23:34:27 | キノコ
新ポイントは、ヤマイグチがやたら生えている他、シロヌメリイグチやハナイグチ、ショウゲンジなどがちらほら。

そんな時、離れたところを探していたトクさんが私を呼ぶ声が!もしや!?

あわてて駆けつけて、トクさんの指さす場所を見てみると、なんとそこにはMタケが……生えていた跡があった!!

ごめんなさい、正確にはMタケだかどうだかもわからないんだけど、何か大きめのキノコが根元から抜き取られてできたと思しき穴だったから、これはもうMタケに違いないと(^_^;)

その後、朽ち果てたホウキタケやハナビラタケなどを見つけたが、ついぞ大本命への足がかりはつかめないまま。

そうこうしているうち、どうもトクさんの状態がおかしいことに気付いた。午前中の積極的に歩き回ってキノコを探していたテンションはどこへやら、キノコ探しはそこそこに、口数も少なくとぼとぼと歩いている。

最初は機材が重くて疲れたのかなと思っていたが……さては私が何か重大な粗相をして機嫌を損ねたのかもしれない……などと頭の片隅では思いつつも、ついキノコ探しに夢中になってしまう悲しいサガよ(苦笑)

帰りの間際に、ひときわ巨大なフウセンタケを見つけた。傘の直径が15センチもある!こんな大きいフウセンタケ見たことないぞ!

食えるヤツかな・・・?そう思ってニオイをかいでみたら……っっ!くさい!これは、午前中に見つけたオオウスムラサキフウセンタケと同じ、「アセチレン臭」と言われてるニオイだ!

そっかー、最初あんなにきれいな薄紫色なのに、大きくなると茶色っぽくなるんかー。こんなん判別不能だわ。


若い菌。ちなみにオオウスムラサキフウセンタケは胃腸系の毒キノコ。



しょうげんじ

2015-09-28 23:42:03 | キノコ
林道からツガ林の中に入る。だが、暗い!

鬱蒼とした針葉樹は日光を完全にさえぎってしまうのかも。こんなでMタケを見つけられるんだろうか?仮に見つかっても写真を撮るのも苦労しそうだ。

Mタケ狩りも熟練者になると、日が出る前に懐中電灯を持って探しに行くというが……そんなで見つけるなんてとてもマネできませんわー。

トクさんはというと、Mタケといっしょに狙っていた(純正)ホウキタケも見つからず、やや落胆した様子。

私は暗い林で、とりあえずショウゲンジだけは見つけられるようになった。通称「コムソウ」。なるほど、幼菌の傘はその通り虚無僧のかぶり物にそっくりだ。


地味なキノコだが、かわいいツバがついている。
放射能を濃縮する性質があるらしいので、食べる方はご注意。

やまいぐち

2015-09-27 00:33:16 | キノコ
ここで遅めのお昼ご飯。なんとトクさんは私の分のお弁当も持ってきてくれていた!感謝感激!

下界で購入してあったコンビニおにぎりは持っていたが、やっぱり富士山まで来て食べるのは味気ない。手作りのごはんは何よりのごちそうだ。

……さて、午後の部。

トクさんがかつてMタケを見たことのある場所は午前中にあらかた回ってしまった。

ここはこの標高にとどまり、別の場所を開拓するか、それともMタケをあきらめ、標高を下げて違うキノコを探すか。

悩ましいところだが、ここはMタケにこだわろうではないか!

ということで、別の場所へ歩いて向かうことに。道中にはヤマイグチの姿がたくさん見られた。カンバの木が好きなキノコなので、寒い地域でしか見られない。
一見おいしそうだが、実は見かけだおしで、火を通すとふにゅふにゅになっていまい、味も水っぽい。しいて食べるなら小さいうちだけ。


傘の色は均一ではなく、独特なまだら模様が出ることが多い。


ぬめりささたけ

2015-09-25 23:02:09 | キノコ
「このあたりがMタケのポイントです」

とある場所でトクさんは立ち止まるとそう言った。4年前だかそこらに、この場所Mタケを見つけたことがあるらしい。といっても、おおよその方角と場所を覚えてるだけで、具体的に「あの木の下」とかではないので、かなり捜索範囲が広い。

「ちょっと待ってね、そんときの写真があるから」

と言って見せてくれた写真。

少し盛り上がったコブみたいな地形の足もと、そのちょっとくぼんだ場所、コブの奥には二股にわかれた木があって……これはかなりのヒントになるぞ。

しかしその考えは甘かった!4年もたてば木の形は変わる!そしてここは富士山、とにかく広い!似たような地形があちこちにある!ということで、ぜんぜん狙いを絞れないのだった(/_;)

30分ほど探してみたが、どうにもならず、後ろ髪をひかれつつ、すごすごと撤退した。


道中、ぬめぬめのヌメリササタケがちらほらと生えていた。


どくつるたけ

2015-09-24 20:29:18 | キノコ
たっぷりと時間をかけてキノコハイキングを楽しんだあと、休憩所で一息。

この休憩所ではドリンクやうどん、定食なども食べられるのだが、それはさておいて。この時期のこの店のカウンターには、かならずMタケとおぼしきものが鎮座ましましているという。どれどれ……

シーズン最盛期ならば特大の上物Mタケがこれ見よがしに並んでるはずなのだが……あれ?見当たらん?と思ってよく見たら、あった。ザルの上、折り取った針葉樹の枝葉にうずもれ、見えないような状態で置いてあった。店の人に葉をのけてもらうと、そこには、つつましく数本のMタケが。あらら。
「今年は出るのが遅れてるねえ」とのこと。いやいや、もしかしたらこれは自分たちのような“にわかMタケ採り”をケムに巻くためのブラフにちがいない、などと一瞬疑ったが、ブツがないのは紛れもない事実。

う~ん

トクさんと私、ふたりして意気消沈。

……しかし沈んでいても始まらん。休憩を終えると、次のポイントへ向かった。


写真は定番の猛毒菌・ドクツルタケ。森ではとにかく目立つ。あからさま過ぎてキノコ採りも手を出さないのか、必ずと言っていいほど見かける。


おおきのぼりいぐち

2015-09-23 10:18:55 | キノコ
なにかよくわからないフウセンタケの仲間がそこかしこに生えている。

トクさんはオオツガタケに撮影ターゲットを絞ってセッティングを始めた。ゴツい三脚、リモコン、レフ板、背景用の黒い板、さらにはタブレットをカメラと無線でつなげて撮影の仕上がりを即座にチェックができるという、超ハイテク装備。後で少し見せてもらったのだが、自前で作成している素敵なキノコ図鑑に使うそうだ。スゴイー

カメラとレンズを除けば、あとはポンコツ三脚と牛乳パック製レフ板しか残らないという私のヘボ装備とはえらい違いである。

しかし撮影スタイルは違えども、キノコへの思いは同じ。それぞれが思うさまキノコ撮影を楽しんだ。

撮影会を終え、再び移動を開始、トクさんの後をついて歩いていると、木の陰に生えてたキノコが目に入った。

「あーっ!」

思わず叫んでしまった。トクさんは声にビックリ。ゴメンナサイ(^_^;)


オオキノボリイグチ!今回の第一目標・Mタケにつぐターゲットとしてマークしていたキノコだ!

名前は似てるけどキノボリイグチとはぜんぜん雰囲気が違う。なんたって傘の水玉模様!


ヤバい!かわいすぎる!

夢中で写真をカシャカシャ。もはや思い残すことはない!!

あっアカン、Mタケ探しとるんやった。


富士山のイグチ

2015-09-22 10:00:07 | キノコ
最初の場所。Mタケを探したものの、それらしき姿は見当たらない。

それでも、遊歩道のわきには、たくさんのキノコが見られた。

目立ったのはイグチの仲間。傘の表面がけばけばしていて、背が低く薄っぺらい感じのキノコだ。アミハナイグチだろう。背が低すぎてほとんどが被写体にならんのでことごとくスルー。ベニタケやフウセンタケの仲間も多い、が、これも地味な上に種類がわからんのでスルー。

富士山まで行きながらスルーの鬼と化していたその時、なにやらキレイなキノコが。



むっ?ヌメリイグチ?ハナイグチ?なんかちょっと違うような……


傘の模様!思いだした!キノボリイグチだ!

木の根にとりつき、樹木と共生するものが多いイグチ類の中にあって、朽ち木に発生する珍しいキノコ。
図鑑には「腐生菌でなく菌根菌」とされているが、やっぱりある程度は朽ち木を分解すると考えた方が自然じゃないかなぁ。


すばらしきぬめり世界


富士山遠征

2015-09-20 22:59:42 | イベント
はい!今回は、本ブログのもっとも熱心な読者と思われるトクさんのお誘いを受け、富士山へ突撃してまいりました!

フフフ・・・今回のターゲットはズバリ!!Mタケだ!!

私、鳥居は、キノコマニアを自称して幾年か経つが、実は生えているMタケを見たことが一度もない。もちろん写真に撮ったこともない。「日本の国菌」の国民投票を行えば、5菌身以上の、いや、トラック半周ほどの圧倒的な差をつけて勝利すること間違いなしのこの国民的キノコを、実は見たことすらないというのでは、キノコマニアなどと自称しても鼻で笑われること請け合いである。そんな状態は早急に解消されねばならん!!

しかしだ。Mタケは発見することがきわめて難しく、キノコ探索能力の無さにおいては定評のある私だけが向かったところで
見つける可能性はゼロに近い。ましてや競合の激しいキノコである。本職のMタケ師ににらまれでもしたら、すくみあがってしまうに違いない。

そんな考えをめぐらしていたところの渡りに船!ここは超頼りになるプロフェッショナルの力を借りて、ぜひとも悲願を達成しようではないか!

当日朝。
前日の夜、猛烈な雨のなか、富士山のふもとに強行突入していた私は、落ち合う予定の場所で車中泊をしていた。紙一重のところで当日は曇り。「強力な雨男」から「直前まで雨雲を呼び寄せるが当日ギリギリで回避する雨男」に昇格したのは、努力のたまものであろう。

車の中で寝ぼけていると、どうやらトクさんらしき人物が到着した。第一印象が大事!すぐに出ていって挨拶すべきところだが、靴下と靴がどこに行ったのかわからない。「うむ、もともとそういうキャラではなかったな」といきなり開き直り、とりあえず窓から挨拶を返した。気さくそうな感じの人だったので安心した。

とにもかくにも出発。現地には自動車に乗りあわせて向かうことにした。

トクさんは関東在住の方。かつては富士山に足しげく通った時期もあったそうだが、諸事情により近頃は足が遠のいていたとのこと。重厚な撮影機材も抱えていて、キノコ好きとしては、きのこハンターと観察屋さんのハイブリッドなのであろうか。さすが軸足のはっきりしない当ブログの愛読者だけのことはあり、柔和に見えてかなりのクセモノに違いない。


目的地は針葉樹林帯。時おり雨がぱらつくような天気だったが、富士山の山頂がかいま見れる時間帯もあった。


コケモモ。雨上がりは瑞々しい写真が撮れる。

さて、探すっぺ。




わからんきのこ

2015-09-17 05:44:32 | キノコ
えー、現在、更新が滞っておりますが

わたくし、鳥居はキノコ遠征中に事故死したり、ましてや毒キノコに当たって死んだりしておりません。いまだ存命中ですので、ご心配なく。

すいません、無駄に予定が立て込んでいるだけ、ネタはありすぎてむしろパンク寸前ですわ(^_^;)

にほんひきがえる

2015-09-05 21:22:55 | 動物
雨上がりの雑木林。キノコポイントに向かおうと細いけもの道を下っていくと、足もとに茶色いカタマリがあるような気配が。

うぉっ、ヒキガエル!あやうく踏みそうになった。しかし当のカエルは澄ましたもの。微動だにしない。

動かないのをいいことに接近してパシャパシャ撮りまくっていたが、何かが近くのせせらぎにポチャッと落ちる音がした。

?? 

あっ!レンズ!

閉じ忘れたバッグから一眼のレンズが転がり出してしまったらしい。レンズとはいっても中身は精密電気機械。それが水の中にっ!!

拾い上げてみると、しっかり水の中に入って中まで浸水してるような有り様。うーむ。そこはそれ、慌ててもはじまらん。とりあえず別のアングルでもう一枚撮っておくか。



ちなみにヒキガエルには東日本に住むアズマヒキガエルと西日本に住むニホンヒキガエルがいて、三重県はちょうどその2種の境界線上に位置する。見た目はほとんど同じで、鼓膜の大きさが違うだけ。これはたぶんニホンヒキガエル……だと思う。


にせくろはつ

2015-09-04 23:57:19 | キノコ
ニセクロハツ!

ほとんど安全、あっても弱毒……と言われるベニタケ類の中にあってほぼ唯一、殺る気マンマンの猛毒きのこ。

私のように、怪しいキノコを食す者にとっては「ロシアンルーレットの実弾」みたいな存在である。本当にやめてほしい。

だが、キノコ経験の豊富な者なら、クロハツとはどことなく違うことを見破れるような気がする。変色性は確かめるのにかなり時間がかかるので、とりあえず柄が灰色っぽいのは大きい違いかもな……

基本的には西日本にしか発生しないそうだ。他にもニセクロハツによく似たキノコが何種類かあるらしい。

べにうすたけ

2015-09-02 20:57:06 | キノコ
ベニウスタケ……だと思う。アンズタケの仲間はよくわからんねん。

アンズタケとは形がそっくりで、しかもよく似た環境によく似た感じで生えてくる。ただ、アンズの香りはないのでアンズタケのバッタモン扱いを受けてる悲しい連中。食えなくはないらしい。

各地で畑キノコが大量発生中の報。コガネキヌカラカサタケが発生すると、このブログのアクセス数が急増するのでよくわかるという(笑)

イグチやソライロタケもきっとたくさん生えてるだろうに……休みがとれん(/_;)