月刊 きのこ人

【ゲッカン・キノコビト】キノコ栽培しながらキノコ撮影を趣味とする、きのこ人のキノコな日常

カンゾウタケを食べる(恒例)

2018-06-09 22:40:50 | キノコ料理
カンゾウタケのレアステーキ
今年もカンゾウタケを食べたぞっ!

いい感じの牛タン型を見つけちゃったので、衝動的にステーキにしてみた。

今回の工夫点。見た目がここまで肉に似てるんだから、作り方もビーフステーキに似せてみよう!ということで

①焼く数時間前に塩をすりこんでおく
②中は生焼けのレア状態

でやってみたぞ!



結果おいしくない

やっぱりレアはあかんねー。ぜんぜんおいしくない。特にこのカンゾウタケは古い成菌(裏側がすこし褐色を帯びはじめてる)だったから、いよいよ生食はおいしくなかった。きちんと焼いて食べれば幼菌より断然おいしい上物だったのに、もったいないことをしたわ~。
塩味も内側までぜんぜん浸透していなかったので、この点でも失格。

結論として、ステーキはアカンってことやねー。やっぱりスライスしてソテーが鉄板ですわ。

おいしいカンゾウタケソテー(※)の作り方
①カンゾウタケはやや古めの成菌(裏が真っ白か、少し褐色がかるくらい)を使います。
②カンゾウタケは表面のゴミを洗い流し、包丁を斜めに寝かせるようにして厚さ8ミリ~1センチ程度の薄切りにします。
③塩をふりかけ、コショウを少々、さらに片栗粉を軽くまぶします。
【最重要ポイント】塩味を強めに効かせて酸味に負けないようバランスをとること!
④中火で熱したフライパンにバターを入れ、カンゾウタケを1枚ずつ重ならないように並べていきます。
⑤軽く焦げ目がついたら裏返し、もう片面も軽く焦げ目がついたくらいで皿に移します。手早く焼き、肉汁がしみ出てくる前に引き上げるのがポイント。
⑥カンゾウタケを焼いた後のフライパンでしょうゆとみりんを煮つめてソースにしてもいい感じ。温かいうちに食べましょう。冷めると酸味が勝ってしまいます。

※この料理をおいしいと感じられるのは10人中2人くらいです。おいしくないと思った人はあきらめましょう。






コメント (4)

さけつばたけ

2016-05-31 21:09:33 | キノコ料理
サケツバタケ、食べれるということなので試してみた。

日本ではなじみがないが、ヨーロッパでは栽培して食べる人もいるらしい。

一本だけ拝借。すごいボリュームだ。某ゲームのスーパーキノコ原寸大といった感じ。北米では「庭の巨人」の異名があるそうな。この場所では去年、ベニヒダタケが直径10センチのオバケサイズになっていたので、特別栄養が豊富ってのもあるのかも。

とりあえずスタンダードに野菜炒めに入れてみた。
ヒダが黒いので少し見栄えは悪いが、市販のキノコと違わない雰囲気。笠はシイタケのようで、柄はエリンギっぽい。

食べてみると、まったくクセがない。
笠はやわらかく、フニャッとしているが、とても食べやすい。
柄は噛むとほどよい歯ごたえがあり、さすがにエリンギと比べれば劣るけど、つるんとした舌触りも楽しめる。

旨みは特筆するほどではないながら、これもそこそこ。
香りは傘にマッシュルーム系のキノコ臭があるが、さほど強くはない。

ということで、旨み・歯ごたえ、舌触り、いずれも及第点。香りは苦手な人もいるかもしれないけど、これまた無難。

味ランクは 安定の(普通にうまい)

ボリュームがあるという以外、特別な取り柄がないかわり、大きな失点もないキノコ。
なんにでも使えるが、油との相性がよさそうだ。

ただ、「世界のきのこ大図鑑」によれば、人によって胃腸障害を起こすことがある、ということなのでご注意を。



コメント (4)

カンゾウタケ餃子

2016-05-23 23:07:43 | キノコ料理
カンゾウタケ料理の新機軸!今回はギョウザにチャレンジだ!

ここまでのカンゾウタケの研究でわかったことは

・火を通すことで旨みとプリッとした食感が生きる
・油とは相性が良い
・塩味がきちんと効かないと酸味が勝っておいしくない

ギョウザならこの条件をすべてクリアできる・・・ハズ!

しかもカンゾウタケから染み出るおいしいカンゾウタケ汁をもれなく食べることができるなんて……ファンタスティック!!

さてさて、調理法はシンプル。
サイコロ状に刻んだカンゾウタケと豚ひき肉に、塩とコショウを加えて混ぜ、それを餃子皮に包んでフライパンで蒸し焼きにする。

出来たぁ!

途中までは普通のギョウザだったが、焼いてるうちに皮から透けたカンゾウタケが見えるようになり、なにやら赤黒い。まるで内出血を起こしたようで、とてもおいしそうだ。

試食!

うむ?アレ?

なんと!ぜんぜん普通だ!

その原因はすぐにわかった。ギョウザは普通、酢じょうゆにつけて食べる。つまり、ギョウザに酸っぱいカンゾウタケが入っていても全く違和感がないのだ!それにくわえて、火を通したカンゾウタケは生レバーのような肉っぽい食感になるため、噛みしめてもひき肉と区別がつかない。なんと見事な肉擬態!

うむ!うむ!

でも普通ってだけで、特別旨くもないかなぁ……

今回はキャベツやニンニク等をくわえずに作ったからね。水餃子にしてみたほうがおいしいかもしれないし!

今回のカンゾウタケ餃子は、大成功とは言えないものの、組み合わせや調理法次第で大化けするポテンシャルを十分に感じさせるものであった。

コメント

カンゾウタケ料理 「貧乏人ステーキ」

2015-05-19 19:44:09 | キノコ料理
カンゾウタケでステーキ!

普通なら包丁で切ってソテーするところを、豪快に丸々焼いてみた。
これぞ、アメリカでカンゾウタケのあだ名となっている“The poor man's beefsteak”(貧乏人のステーキ)そのものだ!


ナイフで切ってみる。おお、見た目がまるで肉!これがキノコだと思う人がどこにいようか!
口に入れると、ぷりっとした食感とともに、独特の酸味が口に広がる。ん~、ウマい。

実はこの酸味がダメと言う人が多くて、カンゾウタケを美味しいという人はかなりの少数派。しかし!料理法次第では、万人がおいしいといってくれるカンゾウタケ料理がきっとあるはず!そう信じて、目下研究中である。


【カンゾウタケの貧乏人ステーキ】
①カンゾウタケは裏が桃色~白のものを使う。できるだけ平らで厚みが均一のものがよい
②表面を軽く洗い、塩を強めに降る。さらに、ナベに接しそうな部分にだけ軽く片栗粉をふる。
③フライパンを熱して、バター(サラダ油でもよい)をひき、カンゾウタケを入れる
④ある程度焼いたら裏返し、ワイン(もしくは料理酒)を入れてフタをし、蒸し焼きにする。
⑤程よいところで、付け合わせの野菜とともに皿に盛りつける。

・カンゾウタケは塩味を強めにつけないと酸味が勝ってしまい、おいしくない。ステーキは味がからみにくいので、ソースを工夫する必要があるかもしれない。とりあえず、食べる時に卓上塩をふりつつ調整する。

・正直、切り身のソテーの方が味がからみやすく、簡単で美味。刺身を切るように包丁を斜めに傾けて、キノコの繊維方向に対して垂直に切る。厚め(1センチ)がよい。塩と片栗粉を降り、強火で手ぎわよく両面を焼く。焼きすぎないのがコツ。
コメント

ひめきくらげ料理

2015-04-23 20:37:50 | キノコ料理
いまだかつて見たことがないほど巨大に膨れ上がったヒメキクラゲの群落を発見!今年の冬は例年になく雨が多く、キクラゲ類がよく育ったのだろう。いっつもチョロチョロ枝にへばりついてるだけの「どうでもいいキノコ」扱いだったが、これだけデカくなれば食材として利用可能だ!

かつて、C級判定をくだしたこともあるキノコだが、今回はきちんと料理してみることにしよう。

さてと。突然だが、ピーターラビットの生みの親の絵本作家、ビアトリクス・ポターをご存知だろうか?実は彼女は菌類学者を志していたことがあるのだが、その彼女が描いた絵本の一節、ヒキガエルが集まってお茶会をする場面で「魔女のバター黒キノコ」というものを登場させている。このモチーフがヒメキクラゲだというのだ。

「魔女のバター黒キノコ」。うーむ、黒くて妖しいイメージと、木の枝にべっとり塗りつけたような形状が的確に表現されている。よし、今回のコンセプトは、「魔女のバターを作る」!これで行こう!

さて、問題の料理法。ここでいうバターは、バターそのものじゃなくて、バターっぽいものを指すんだろうけど、とにもかくにも油分が欲しい。バターを使うと冷めたときに固まってしまうので、ここはオリーブオイルを使って炒めてみることにした。


イメージ的には、とろけてソース状になるようなモノを作りたかったんだが・・・むしろ固くなってプリプリしてきた??なんかいきなり選択肢を間違ったんじゃないかという疑心暗鬼に襲われる。いや、しかしこのままやるしかあるまい!

味付けはピーナツバターみたいな甘いものにする案もあったが、魔女つながりってことで「マジックソルト」を選択した。


とりあえず完成。いや、見た目ぜんぜん変わってないんですけど……
油はあまり馴染んでくれなかったので、見事に分離している。キクラゲもカタマリのまんまだ。どう考えても「魔女のバター」のイメージには程遠い。やっぱりなんか間違ったかもしれん(-_-;)

いや、それでも……味はいいのかも!試食してみよう。

トーストに塗ってみた。う、うーーーん、見た目はちょっとアレな(^_^;)
食べるか……。

かぶりつくと、オリーブオイルとマジックソルトの地中海風味が口に広がる。

おお、なんと!サクッとしたトーストの香ばしさと、瑞々しいヒメキクラゲのプリプリとした食感が・・・
ぜんぜん合わん

これはアカンわ。甘かろうが辛かろうがパンにプルプルはミスマッチすぎる。
そう即断した私は、完成したばかりの「魔女のバターもどき」をふたたびナベに戻し、再調理にとりかかった。


おー!これよこれ!! 

見よ!この安定のつくだ煮っぷりを!もうつくだ煮以外の選択肢が浮かばないほどだ!

ウム。プリとろ食感が食べてもうまい。ご飯がススムわ~~

ということで。ヒメキクラゲはつくだ煮にすべし!以上!ヒメキクラゲ試食レポートでした~!

コメント (5)

ドクヤマドリを食べてみた

2014-09-12 21:13:55 | キノコ料理
はい、今回の「C級キノコを食べてみた」は富士山で手に入れたコレだ!
ドクヤマドリ。
C級、っていうか思いっきり毒キノコなんだが。
山と渓谷社『日本のきのこ』では、中毒した際の経験談が詳しくつづられている。ドクヤマドリ一本をつけ焼きにして5人で食べたところ、食後4~5時間後、腹部に強い不快感を抱き、やがて下痢・嘔吐が続き、やがて快方に向かった、とのことである。なかなか強力だ。

本来、興味本位で毒キノコを食べるなど愚骨頂、ろくでなし三太夫、アホバカ間抜けのパープリンのすることだが、私は、いずれにも当てはまるので試してみることにする。良識ある一般の方々はくれぐれもマネしてはならない。こんなことをするヤツはアフリカ象の鼻クソにも劣ると肝に銘じるべきである。

さて、イグチで唯一「ドク」の名を冠するドクヤマドリだが、猛毒イグチと言われるバライロウラベニイロガワリやミカワクロアミアシイグチにくらべれば、まだかわいい方である(悶え苦しむことはあっても)。「少量なら茹でこぼせば食べられる」という言葉もどこかで聞いた(気がする)。食毒不明で全く情報のないキノコを試すことを考えれば、最初から毒とわかっているのだから、いくらかとっつきやすい、と考えられなくもない。何をされるかわからない歯医者に行くのは怖いが、始めから歯を抜くと分かっていれば安心して行ける、それと同じである。(そうか?)


さて、やるぜよ。

本日のサンプルは身のしまった幼菌。わりと持ち重みがする。重量にして200g弱ほどありそうだ。これの半分を調理する。普通に食べたら中毒するのが確実なので、毒抜きとしてスライスしたものを茹でこぼすことにする。キノコの毒素は基本的に水溶性のものが多いので、多少は軽減できるはずである。さらに、できるだけ毒素を吸収しにくい状態にするため、胃に内容物のある状態(要するに食事のあと)で食した。効果のほどは不明であるが、これもすきっ腹で食べるよりいくらかマシであろう。


スライスすると、わずかに、薬品っぽい少し不快なニオイがする。ただ、これは気になるほどではない。ナベに放り込んで、いつもより少し念入りに、2分ほど茹でてみた。


完成。
見た目は普通のキノコだ。香りはあまり強くはないが、旨みの存在を知らせてくれるような、どちらかというと良い香りを漂わせている。

本来の味や旨みを見るため、塩のみでいただくことにする。

さて、柄を食べてみよう。ふむ。コリコリ、というほどではないものの、やわらかいながらに歯ごたえを感じさせるものがあり、食感は良し。食べてしばらくして、こんどは旨みが口に広がる。うむむ、これはなかなかいけるのでは……。

つづいて、傘。うほっ。こちらもやわらかめながら、シコシコと優しい歯触りがあり、続いて広がるのが強い旨みだ。これは柄の旨みを凌駕する。やべぇ、これウマいわ・・・。

ちょっとでやめるつもりがやめられなくなり、茹でたドクヤマドリをけっきょく全部食べてしまった。「茹でこぼせば少量なら食べられる」……100グラムって、少量……じゃないわなぁ。ちょっとヤバいかも……(-_-;)


以降、ドクヤマドリを摂食してからの経過を記す

20:30 摂食

21:30 以後、就寝まで異状は見られず。ただ、妙にのどが渇く、それと口の中がねばつく。口のねばつきは過去、食中毒したときに経験がある。

00:30 就寝

4:30 寝苦しくて目覚める。呼吸が浅くなり心拍数も上がっている。
下腹部全体をやんわり締めつけるような圧迫感。ただし痛みはない。消化不良で発生したガスがお腹にたまっているような感覚。胃には多少むかつきを覚える。意識にはまったく支障がないが、頭が多少クラクラする。下痢や嘔吐の兆候はなく、いずれも漠然と不快なだけなので様子を見る。

5:00 呼吸・脈拍、いずれも落ち着く。寝なおす。

7:00 起床。日常生活に支障はないが、下腹部と頭に不快感が残る。ちょうど二日酔いに似た感覚。以後、昼過ぎになってようやく不快感が消える。


……このまま「ドクヤマドリはおいしかった」で済んでしまうと、試そうというバカが大量に現れるのではないかと懸念していたが、さすがドクヤマドリ。直撃にはいたらぬものの、その毒は、私の脇をかすめていった。これで追随するバカも現れないであろう、ヨカッタヨカッタ。

とゆーことで。ドクヤマドリは、旨みだけならヤマドリタケモドキに匹敵するほどのうまさ
味ランク:A-(普通にうまい)
ただし、もれなく当たるでした。

※当ブログはキノコ食に関して一切の責任を負いません。あしからず。


(沙村広明『ハルシオン・ランチ』より)
コメント (6)

キイロイグチの炊き込みご飯

2014-07-26 20:26:14 | キノコ料理
なにを主張したいのか蛍光イエローの柄に蛍光イエローの傘、あげく、さわると指が黄色になってしまうほどの派手派手きのこ・キイロイグチ。数々のキノコ図鑑で「食」となっているその実力を確かめてみた。

キイロイグチは梅雨時のキノコ。ごく普通に見られる種類なので、試すのは簡単なはずなのだが、いかんせん食欲がわかない。たしか昔に一度、みそ汁に入れて、汁がやたら黄色くなった記憶があるような……

ダイダイイグチで味をしめたわけではないが、やはりその色を活かすべく、炊き込みご飯にしてみた。


管孔がまだ美しい、かなり若いものを厳選して数本採取してきた。まずはこれを小さく刻み、小鍋で煮て色を出す。

このキノコもダイダイイグチと同じで、表面に傷をつけるとすみやかに青く変色するので、切ったらすぐにお湯にたたきこむ。切ってみると、黄色いのは表面だけで、内部は白。ちょっと意外だ。ただ、イグチにつきものの虫はほぼ皆無で、肉質も詰まっている感じがした。

できるだけ少なめの水で10分ほど煮る。おっ、煮汁が黄色くなってきたぞ~。


具が完成。
黄色いのが表面だけなせいか、思ったほど黄色が出なかった。なんかもう、かき氷のシロップ(レモン味?)みたいなのを期待してたのに。
気をとりなおして、といだお米に煮汁ごとキイロイグチを加え、足りない分量だけ水を加えて、ふつうに炊き上げる。


できた!キイロイグチの炊き込みご飯!

ダイダイイグチと比べるとずいぶん控えめだな。不満、不満ぞよ!

いやいや、勘違いしてはいかん。肝心なのは味だ。さてと・・・

まず、においを嗅いでみる。これはなかなか強烈である。例によって表現不能なニオイだ。無理に表現すると、チョークの粉まみれになった小学生のうわばき?あるいは、新築の体育館の器具倉庫?みたいなニオイだ。
正直、これは食べもののニオイではない。

この時点でかなり悩む。えーーー?これって……しょうがねえ、食うか……。

モグモグ……

んんん??

なんと、苦い。確かに苦い。「ちょっとすっぱい」と図鑑には書いてあったけど、キイロイグチが苦いなんて情報はどこにもなかったぞ?どーいうことや……。
とりあえずみそ汁と食べればごまかせる程度の苦みなので、ここは我慢しておこう。

うーむ。噛めば噛むほどに微妙である。

歯触りはコリッとしていて、イグチとしては上等だったものの、旨みはさして強くなく、けっきょく、弱い苦みと変なニオイだけが強調されてしまう残念なご飯になってしまった。

結論。ぜんぜんダメ。

せめて色が「もうハンパじゃなく黄色い!バナナの山に隠したら見えないくらい黄色い!」くらいなら、多少マズくてもパンチ力のあるメニューになったのになあ。

キイロイグチ
味ランク:C-(食べようと思えば食べれる)

コメント

ダイダイイグチの炊き込みご飯

2014-07-24 21:53:34 | キノコ料理
特上ダイダイイグチを見つけたので、前から一度試してみたかったダイダイイグチ料理にチャレンジしてみた。

ダイダイイグチは中型のイグチで、その名の通り全身がオレンジ色。おそらく西日本を中心に分布している。ただ、数はあんまり見つからない。

わりと背が低くて、そのかわりにずっしりと持ち重みがする。特に悪い臭いもなく、雰囲気はいい。いくつかの図鑑で「可食」となっているので、安全性に問題はなさそうだ。

ダイダイイグチは、煮るとだいだい色が煮汁に溶けだすと言う。普通の料理に使ってだいだい色に染まったら、それはただ迷惑なだけだが、今回は、ぜひともそれを生かそうと思う。メニューはズバリ、炊き込みご飯だ。

作り方は赤飯に準ずる。
少なめのお湯で小さく刻んだダイダイイグチを煮込み、色を出してから、汁ごとお米にくわえて炊きあげる、という寸法だ。
この時に気をつけることがある。ダイダイイグチは切り口が空気に触れるとすぐに青く変わってしまうので、切ったらすぐにお湯に放りこまねばならない。



うわー、ちょっと煮ただけでさっそく黄色くなってきた。味にメリハリをつけたいので塩で味付けをして、このまま弱火で10分ほど煮込む。今回はオマケで蓮根を加えてみた。

研いだお米を入れた炊飯器の内釜に、具を煮汁ごとそそぎ、分量に足りない分、水を足してセット。あとは待つだけっと。



できた!ダイダイイグチのだいだいご飯!予想以上にオレンジ色(笑)

まるでサフランライス!これだけの発色の良さを見せてくれたらそれだけで満点だ。

しばらくご飯を眺めるだけで悦に入っていたが、見るだけで満足するわけにもいかんので、食べてみる。
……ふむ、イグチの中でもトップクラスの緻密な肉質を持っているだけあって、細かく刻んで加熱したにもかかわらず、コリコリとした、しっかりとした食感がある。そのかわり、旨みや香りは強くなく、クセもない、まあ普通って感じ。総合的に見て、ダイダイイグチは、予想以上に普通の食材だった(色素を除いて)。

おいしく食べたいのならば、刻んだ鶏肉を少量足して、具を少し濃いめに味付けするといいだろう。ご飯を炊くときお酒を入れるといい感じになりそうだ。

ダイダイイグチ 味ランク:B (どちらかといえば美味しい)
コメント (2)

カンゾウタケ料理

2014-06-13 20:59:50 | キノコ料理
ということで、毎年恒例のカンゾウタケ料理。

誰に聞いても「あの味はちょっと」とか言われるので、せめて見た目だけはおいしそうにしたった。いや、おいしいんですよ、実際。(注.味覚には個人差があります)


写真は王道のソテー。
ソテーは身を厚めに切る。刺身みたいに包丁を斜めに寝かせるようにしてして切ると、一切れにボリュームを持たせられるし、見た目もきれい。そして両面を軽く焼く。中が生っぽいくらいでよい。味は塩だけでじゅうぶん。酸味をごまかしたい向きにはしょうゆやチーズも合う。付け合わせにズッキーニやスナップエンドウ。ふかしたジャガイモもいいと思う。

カンゾウタケらしい旨みと香りがあり、ソテーすることで舌触りも良くなるうえ、油によってコクもでる。別名「貧乏人のステーキ」の名に恥じぬ味わい。ま、すっぱいけどね。


生食できる、という触れ込みなので、サラダもやってみた。前回やった時は量が少なすぎてドレッシングに負けてしまったので、今回は盛り付けを豪快にしてみた。ほぼ刺身。ドレッシングも和風に。

結論。ソテーの方が断然うまい。

さわやかな酸味があるといえばあるが、いまひとつ存在感が感じられない。旨み・香りともに活かしきれないのも残念だが、特に、舌触りの面で大きく劣る。ソテーすることで得られる生レバーにも似たプルッとした食感は、生のときのポソッとした食感とは比べ物にならない。ちなみに、ドレッシングは和風だとうまくなじまないようだ。

チーズやツナなどと一緒にレタスで巻いて食べればおいしそうだが、ソテーなら主役級の存在感が出せるのだから、そっちで使わない手はない。やっぱりカンゾウタケはソテー……!

一度、切らずに丸のまま焼いてステーキを作ってみたい。

コメント (2)

ヒメキクラゲを食べてみた

2014-03-13 22:22:01 | キノコ料理
図鑑では「食」となってるが、実際に食べたという話をいっこうに聞かないキクラゲの一種・ヒメキクラゲ。

その秘められた魅力を発掘するべく、食べてみた。

ヒメキクラゲは普通のキクラゲのように、キノコ的な外観をしていない。小枝なんかに岩ノリみたいにへばりついて、ぷにゅぷにゅしていてあやしい物体だ。たとえばこれを「コケの一種だ」とか「へっぴり虫のフンだ」とか言っても納得してしまう人がいるんじゃなかろうか。そしてこのキノコは乾くと海苔みたいに黒く薄っぺらくなって、とうとう存在すらわからなくなる。きのこ観察会で見つけられてもシカトされる、そういう悲しい存在でもある。

冬に桜やなんかの枯れ枝を片付けているとけっこう見つかるので、それを採ることにしよう。乾いた状態では採取不能なので、雨を吸い込んでぷにゅぷにゅになった状態のところを採る。キノコはぺりぺりときれいにはがれて、意外にも採りやすい。


採れたブツ。やはりキノコには見えないが、それ以上に食いものには見えない。


茹でた。見た目がまったくが変わらんというツッコミはこの際だから言わないでおいてくれ。

ほのかに香りがする。どこかで嗅いだニオイ……そう、別のキノコのにおいだ。コカブイヌシメジ、あの「桜餅臭」とも言われる(でもやっぱり桜餅とも違う)微妙なニオイと同じニオイがかすかに香っている。

塩だけふって、口に含んでみた。
ふむ。口当たりは見た目通り、ぷにぷにだ。コリコリのアラゲキクラゲではなく、プルプルのノーマルキクラゲと同じ、あの食感。ただ、キクラゲと違うのは、噛むとこまごまに分裂してしまうこと。ヒメキクラゲは、普通のキクラゲのような一体型ではなくて、多数のつぶつぶが寄り集まったような構造をしているので、噛むとすぐにつぶつぶに分解してしまう。
別にそれがおいしいわけでもなく、まずいわけでもない。ただ面白いとしか言いようがないんだけど、つぶつぶになった後は噛むとき歯からするりと逃げるために、歯触りが楽しみたくても噛めそうで噛めない。少しイラッとする。

味は、まあキクラゲ。旨みとかはあんまりない。キノコらしい香りもない。ただ桜餅の香りがするだけ。

うーん、トータルでは可も不可もない味だな。すなわち、どうでもいい味(-_-;)
せめて量が採れれば利用価値があるかもしれないけど、それも厳しいしなぁ。

それにしてもなんで桜餅……あっ!そうか!サクラの枝から剥がしたからだ!

味ランク:C(食いたきゃ食えば?)
コメント

もえぎあみあしいぐちを食べてみた・番外編

2013-10-26 19:22:33 | キノコ料理
みそ汁だけでは消費しきれなかったモエギアミアシイグチで、いろいろ作ってみた。



モエギアミアシイグチのオムレツ。モエギさんの角切りをソテーしてオムレツに混ぜ込んでみた。奥にある黒いのがソテー。ほんとうにまっ黒……。

味はモエギ暗黒風味が強すぎて、バランスがとれない感じ。モエギさんは汁物系の方が合うかもしれない。



モエギアミアシイグチのホワイト灰色シチュー
ルーはホワイトシチューだったんだけど、キノコ汁が黒っぽかったせいで茶色に(-_-;)
味はよかった。モエギ暗黒風味もシチューならある程度は対抗できる。



みそ汁とシチューを大量に作って交互に食べていたが、さすがに食傷気味で「うわ、もーええわ」って感じになって来たので、残ったヤツは干すことにした。これで365日、食べたい時にモエギさんが食卓に!

洗濯バサミにはさんで外に吊るしとくと乾きやすいって聞いたからやってみたんだけど。はさんだところのキノコの肉がつぶれ、洗濯バサミにへばりついて取れなくなった。イグチでこれやるのはダメだねえ、はっはっは。
完成品、すげーにおいがするんだけど、食えるんだろーか(汗)

以上、ろくでもないものをお見せしました。

念のためにもう一度言っておくけど、安全性は保証しないからねっ!
コメント (4)

続・モエギアミアシイグチを食べてみた

2013-10-25 21:00:10 | キノコ料理
前回より続き)

さて、調理。しかし、なんてマズそうなキノコなんだろう。外見で損しすぎ。

前回、オオオニテングタケを食べた時は、慎重に慎重を重ねたのだけど、今回は普通に食べてしまうことにする。それにはいちおう根拠があって。

神経毒がなければ、それはもうただのイグチである。当たっても腹を下すか嘔吐するかでたいていの場合は回復するだろう、と。たまーに毒性の強いイグチもあって、たとえばミカワクロアミアシイグチ(仮)などはなかなか強い毒性を持つ。でも実はこのミカワクロ、一回誤食したことがあるんだよね。あれは食べた途端に舌が痺れるのですぐにわかる。

モエギさんは、形がミカワクロさんに似てるので、仮に強い毒を持っていたらやっぱり舌が痺れるであろう、だからすぐに気付く、と。ちょっと無理があるかな?

ええい、もうゴチャゴチャ言わんと食ってしまえばいいんじゃ。



幸か不幸か、山ほど採れてしまったので鍋に山盛りにしてみた。大小取り混ぜて5本くらい。


茹だった。汁が黒く濁っている。キノコから闇が染み出した、みたいな感じ。



何はなくとも味噌汁を作ってみた。食うべし!食うべし!

……うむ。なかなかいける。
キノコが黒いせいで、合わせみそを使ったのに赤だしみたいになってしまったのはご愛敬として、かなり強い旨みを持っているのは間違いない。他のダシをいっさい使わなかったのにもかかわらず、おいしい味噌汁に仕上がっている。

けっこう煮縮みをおこしたが、歯触りはコリッとした感じがあって、そこそこの食べごたえがある。これも及第点だ。

問題は風味で、これがけっこう強く、気になると言えば気になる。どんな風味かと言われるとかなり困るが、しいて言うなら、5年前に賞味期限の切れた海鮮系インスタント味噌汁の風味?
けっして悪い風味ではないのだが、さりとて良い風味ではない。ちょっと闇世界の香りがする。なにせ緑色に黒の網目模様である。バンコクの漢方薬ショップに置いてありそうだ。それが生易しい風味であるはずがない。そんなこんなで、私はこの風味をこれから「モエギ暗黒風味」と呼びたいと思う。

ちなみに、体は何ともなかった。いたって普通のあやしいイグチであった。もちろん私が大丈夫だからと言って、安全性が保証できるものではないが、神経毒がないのは間違いなさそうである。

結果。モエギアミアシイグチは
味ランク:B(どちらかといえば美味しい)
安全かはわからんが、少なくとも神経毒はない

でございました。これで疑いは晴れましたな……

番外編
コメント (6)

モエギアミアシイグチを食べてみた

2013-10-24 21:58:26 | キノコ料理
モエギアミアシイグチ。黒ベースのボディに、緑色がかった足を持つ、その不気味な風貌にふさわしく、彼らは有毒キノコとして扱われている。しかも、イグチとしては異例ともいえる、神経系の毒キノコとして!

図鑑にはこのように……

『モエギアミアシイグチ 夏~秋、ブナ科樹下に発生。中~大型。〈中略〉……網目は手で触れると黒変し、古い個体では全体が黒い網目となる。幻覚性毒?』(『山渓フィールドブックスきのこ』より)

ちょっと待て。なんだその『幻覚性毒』ってのは。

実はよくわからんのか?はっきりしてないんだな?そんな不確実な情報で、今までモエギさんがどれだけの苦渋に耐えてきたと思っている!イグチで幻覚なんて聞いたことないぞ?ぬれ衣だったらどうするんだ、確かめもせず!それが真のキノコ学徒のやることか!?

と、思うともなく、実際にこれっぽっちも思っていなかった私であったが……

見つけてしまったのだ。モエギアミアシイグチの大群生を!

これは長年の間、不確実な情報のまま幻覚キノコのレッテルを貼られていたモエギアミアシイグチの、汚名を晴らせ、真相を明らかにせよ、という神の啓示であろうか。

ということで、モエギアミアシイグチを食べてみた。


調べてみて驚いたのだが、このモエギアミアシイグチというのは、中毒症例がまだ一件もない。それでどうして毒キノコ、しかも幻覚性キノコ扱いされているのか。『日本の毒きのこ』(学研)には、『ニューギニアの原住民であるクマ族が儀式に使用して狂乱状態になる』と記されている。

なるほどなー。

ただ、成分分析では幻覚性毒成分は確認されておらず、したがって規制対象でもない。疑いだけが残ってしまっているかたちだ。

ちなみにイグチで幻覚を起こすものはきわめて珍しく、手元にある資料では海外に分布するBoletus manicusの一種のみで、他には見当たらない。しかも、これにしたってモエギアミアシイグチとは属するグループが違う。

やはりどう考えても、神経毒をもつことはありえない。成分分析に裏付けられているのだから、恐れる理由はないはずだ。消化器系の毒で下痢や嘔吐を起こすことはあるかもしれないけどね……

ん、まあ考えてたって始まらんな。実証あるのみ、っと。

次回へ続く≫

コメント

コガネキヌカラカサタケの炊き込みご飯

2013-10-15 19:50:58 | キノコ料理
ふたたびコガネキヌカラカサタケを入手できたので、今度は炊き込みご飯を作ってみた。

ただご飯に炊き込むだけでも良かったんだけど、「ご飯がコガネ色に染まらないだろうか」というささやかな期待があったので、一度鍋で煮立ててから、その煮汁を使ってご飯を炊いてみた。



鍋。濃縮3K汁。きわめてアヤシイ。魔女が「ヒッヘッヘッヘ……」とか言いながら、かきまぜていそうである。

こうして五分ほど煮たてて冷ましたのを、といだお米に汁ごとそそぎ入れ、お酒を少し、塩を少しと、分量に足りない水を足して、お釜にセット。さーて、どんなになるかなー?



できた!名付けて3K飯(サンケーめし)!思ったほど黄色にはならんかったけど、おいしそうだからまあいいや!

お味の方は……うほー!すごいダシの濃さ!っていうかちょっと濃すぎ?(笑)
おいしいんだけど、おかずも含めたトータルバランスを考えると、かなり無謀な味と言わざるをえない。普通の炊き込みご飯の脇役として働いた方がいいかも。

刻んで冷凍保存などして、ダシとして少しずつ使うのが3Kの正しい使い方だろうなあ。

おっと忘れてた。安全性についての責任は負いかねますヨー。


参考
コガネキヌカラカサを食べてみた
コガネキヌカラカサタケ料理
コメント (10)

ベニイグチの味噌汁

2013-09-25 22:06:07 | キノコ料理
ベニイグチ
東日本では珍しいが、西日本には多いキノコ。目立つ色にくわえ、背が高くすらりと伸びる姿が印象的。カビに侵されやすいため、傷みやすさはイグチの中でもトップクラス。
食毒不明とする図鑑が多いが、少なくとも中毒例は報告されていないようだ。

「フィールド版 キノコの本」(松川仁 著)では『食用になるのではないかと考えてはいるが、試していない』としている。私自身、無知な頃に他のイグチとごちゃまぜにして食べた記憶があるが、よく覚えていない。

ということで、カビの入っていないものを選び、味噌汁にしてみた。

とにかく歯触りがいい。肉質が柔らかく、とろんとした感じなのにもかかわらず、管孔部分のしゃきしゃきとした食感はしっかりとしていて心地よい。歯触りだけならイグチ類でもかなり上位に入ると思う。

香りや旨みはイグチとしては凡庸だが、クセがなく使い勝手は良さそう。とはいえ、味噌汁との相性は抜群で、他のレパートリーは不要な気がする。食べ頃のものを手に入れるのが難しいのが難点。

味ランク:A- (あったら食べたい)

例によって安全性は保証しないが、死ぬことはなさそうだ。

コメント (4)