月刊 きのこ人

【ゲッカン・キノコビト】キノコ栽培しながらキノコ撮影を趣味とする、きのこ人のキノコな日常

やけあとつむたけ?

2013-10-30 20:24:43 | キノコ
秋のキャンプ場。肌寒く、人の姿はない。

ただ、たき火の焼け跡だけはキノコで賑わっていた。

特別な場所に生えてくるキノコはいろいろ知られているけど、焼け跡に発生するキノコもその一つ。山火事や焼き畑、たき火など、火が起こった場所は熱で菌類があらかた死滅していて空白域になっている。そういった場所にいち早く進出するよう適応したのだろう。



傘や柄など、全体の雰囲気はヤケアトツムタケかな、って感じなんだけど、ヒダを見るとなんとなく違う気もする。



それこそ、うじゃうじゃと生えてた。ちなみにヤケアトツムタケは弱い毒を持ってるらしい。

にがくりたけ

2013-10-29 23:32:09 | キノコ
この日の登山道はどこもかしこもニガクリタケだらけ。

なぜか自然のままの倒木よりも、遊歩道の階段や橋に使われてる丸太の方が好きらしい。人間がボカボカ蹴とばすと菌糸の生育がいいのか?(笑)

食えたら嬉しいんだけどねえ。

ちしおたけ

2013-10-28 21:35:07 | キノコ
チシオタケ。クヌギタケの仲間の小型キノコ。傷をつけると赤い汁が出てくる。

今回、ひそかに狙ってた裏本命キノコだったけど、ちょっとしか生えてなかった。そんでも、たった2本でこの写真映えは反則レベル。群生してたら最高だろうな……また狙お。

つきよたけ

2013-10-27 22:30:10 | キノコ
今日は鈴鹿山系にあるブナ林に挑戦してみた。

朝、早く出て昼までに戻ってくる予定だったんだけど、登山口にいろいろキノコがあって、わーい!とか言って遊んでるうちに11時前に!

あわてて登った登山道も、橋が流れたり道が崩れたりで、しょっちゅうロスト。やっとこ13時過ぎに着いたブナ林は風がビュービュー吹いてて寒かった。

それでも三重県のレッドデータブック記載種・ツキヨタケを見つけられたからよしとしよう。雨吸ってぶよぶよのアンパンみたいだったけどね(^_^;)



まともなの一個だけあった。

アカン、脚が限界や。山道なめとった……

もえぎあみあしいぐちを食べてみた・番外編

2013-10-26 19:22:33 | キノコ料理
みそ汁だけでは消費しきれなかったモエギアミアシイグチで、いろいろ作ってみた。



モエギアミアシイグチのオムレツ。モエギさんの角切りをソテーしてオムレツに混ぜ込んでみた。奥にある黒いのがソテー。ほんとうにまっ黒……。

味はモエギ暗黒風味が強すぎて、バランスがとれない感じ。モエギさんは汁物系の方が合うかもしれない。



モエギアミアシイグチのホワイト灰色シチュー
ルーはホワイトシチューだったんだけど、キノコ汁が黒っぽかったせいで茶色に(-_-;)
味はよかった。モエギ暗黒風味もシチューならある程度は対抗できる。



みそ汁とシチューを大量に作って交互に食べていたが、さすがに食傷気味で「うわ、もーええわ」って感じになって来たので、残ったヤツは干すことにした。これで365日、食べたい時にモエギさんが食卓に!

洗濯バサミにはさんで外に吊るしとくと乾きやすいって聞いたからやってみたんだけど。はさんだところのキノコの肉がつぶれ、洗濯バサミにへばりついて取れなくなった。イグチでこれやるのはダメだねえ、はっはっは。
完成品、すげーにおいがするんだけど、食えるんだろーか(汗)

以上、ろくでもないものをお見せしました。

念のためにもう一度言っておくけど、安全性は保証しないからねっ!

続・モエギアミアシイグチを食べてみた

2013-10-25 21:00:10 | キノコ料理
前回より続き)

さて、調理。しかし、なんてマズそうなキノコなんだろう。外見で損しすぎ。

前回、オオオニテングタケを食べた時は、慎重に慎重を重ねたのだけど、今回は普通に食べてしまうことにする。それにはいちおう根拠があって。

神経毒がなければ、それはもうただのイグチである。当たっても腹を下すか嘔吐するかでたいていの場合は回復するだろう、と。たまーに毒性の強いイグチもあって、たとえばミカワクロアミアシイグチ(仮)などはなかなか強い毒性を持つ。でも実はこのミカワクロ、一回誤食したことがあるんだよね。あれは食べた途端に舌が痺れるのですぐにわかる。

モエギさんは、形がミカワクロさんに似てるので、仮に強い毒を持っていたらやっぱり舌が痺れるであろう、だからすぐに気付く、と。ちょっと無理があるかな?

ええい、もうゴチャゴチャ言わんと食ってしまえばいいんじゃ。



幸か不幸か、山ほど採れてしまったので鍋に山盛りにしてみた。大小取り混ぜて5本くらい。


茹だった。汁が黒く濁っている。キノコから闇が染み出した、みたいな感じ。



何はなくとも味噌汁を作ってみた。食うべし!食うべし!

……うむ。なかなかいける。
キノコが黒いせいで、合わせみそを使ったのに赤だしみたいになってしまったのはご愛敬として、かなり強い旨みを持っているのは間違いない。他のダシをいっさい使わなかったのにもかかわらず、おいしい味噌汁に仕上がっている。

けっこう煮縮みをおこしたが、歯触りはコリッとした感じがあって、そこそこの食べごたえがある。これも及第点だ。

問題は風味で、これがけっこう強く、気になると言えば気になる。どんな風味かと言われるとかなり困るが、しいて言うなら、5年前に賞味期限の切れた海鮮系インスタント味噌汁の風味?
けっして悪い風味ではないのだが、さりとて良い風味ではない。ちょっと闇世界の香りがする。なにせ緑色に黒の網目模様である。バンコクの漢方薬ショップに置いてありそうだ。それが生易しい風味であるはずがない。そんなこんなで、私はこの風味をこれから「モエギ暗黒風味」と呼びたいと思う。

ちなみに、体は何ともなかった。いたって普通のあやしいイグチであった。もちろん私が大丈夫だからと言って、安全性が保証できるものではないが、神経毒がないのは間違いなさそうである。

結果。モエギアミアシイグチは
味ランク:B(どちらかといえば美味しい)
安全かはわからんが、少なくとも神経毒はない

でございました。これで疑いは晴れましたな……

番外編

モエギアミアシイグチを食べてみた

2013-10-24 21:58:26 | キノコ料理
モエギアミアシイグチ。黒ベースのボディに、緑色がかった足を持つ、その不気味な風貌にふさわしく、彼らは有毒キノコとして扱われている。しかも、イグチとしては異例ともいえる、神経系の毒キノコとして!

図鑑にはこのように……

『モエギアミアシイグチ 夏~秋、ブナ科樹下に発生。中~大型。〈中略〉……網目は手で触れると黒変し、古い個体では全体が黒い網目となる。幻覚性毒?』(『山渓フィールドブックスきのこ』より)

ちょっと待て。なんだその『幻覚性毒』ってのは。

実はよくわからんのか?はっきりしてないんだな?そんな不確実な情報で、今までモエギさんがどれだけの苦渋に耐えてきたと思っている!イグチで幻覚なんて聞いたことないぞ?ぬれ衣だったらどうするんだ、確かめもせず!それが真のキノコ学徒のやることか!?

と、思うともなく、実際にこれっぽっちも思っていなかった私であったが……

見つけてしまったのだ。モエギアミアシイグチの大群生を!

これは長年の間、不確実な情報のまま幻覚キノコのレッテルを貼られていたモエギアミアシイグチの、汚名を晴らせ、真相を明らかにせよ、という神の啓示であろうか。

ということで、モエギアミアシイグチを食べてみた。


調べてみて驚いたのだが、このモエギアミアシイグチというのは、中毒症例がまだ一件もない。それでどうして毒キノコ、しかも幻覚性キノコ扱いされているのか。『日本の毒きのこ』(学研)には、『ニューギニアの原住民であるクマ族が儀式に使用して狂乱状態になる』と記されている。

なるほどなー。

ただ、成分分析では幻覚性毒成分は確認されておらず、したがって規制対象でもない。疑いだけが残ってしまっているかたちだ。

ちなみにイグチで幻覚を起こすものはきわめて珍しく、手元にある資料では海外に分布するBoletus manicusの一種のみで、他には見当たらない。しかも、これにしたってモエギアミアシイグチとは属するグループが違う。

やはりどう考えても、神経毒をもつことはありえない。成分分析に裏付けられているのだから、恐れる理由はないはずだ。消化器系の毒で下痢や嘔吐を起こすことはあるかもしれないけどね……

ん、まあ考えてたって始まらんな。実証あるのみ、っと。

次回へ続く≫


だいだいいぐち

2013-10-21 22:22:02 | キノコ
あと一週間くらいはキノコ写真を撮れそうもない気配なので、撮りためてた(たまってた)在庫を放出していよう。

ダイダイイグチはその名の通りだいだい色のイグチ。もはや、だいだいとしか言いようがないくらいだいだい。

西日本を中心に分布しているっぽい。数はあまり見ないなー。落ち葉にうずもれてることが多い。

きのこ観察会

2013-10-19 22:35:56 | イベント
今日は三重県民の森で一般参加のきのこ観察会があった。

天気はぎりぎりで雨があがり、曇り。キノコがほとんど生えていないことはわかってたので、いっそのこと雨で中止になった方が気楽かも……などと弱気になっていたが、たくさん参加者がいたのでちょっと勇気づけられた。



野外でのキノコ探しは予想通りの大苦戦。特に地上生のいわゆるキノコ型キノコはほとんどナシ。
そんでも子供たちは、なけなしのキノコをほじくったり、虫とかドングリとか関係ないものを見つけたりで、けっこう遊んでいた。やっぱ、いるだけで癒しになるわ子供たち。

写真は集団ツノフノリタケ。



戦果はこんな感じ。いつもいっぱいになるブルーシートがかなり寂しい感じに(-_-;)

大半が樹上生の硬質菌で、地上生のキノコは十種ほど、しかも1、2本ずつって有り様。

それでも子供たちの活躍で三十数種が集まった。

目立ったのはマツオウジとチャツムタケに、ツチグリ。テングツルタケが敢闘賞。

とりあえず恰好はついたし、よかったよかった。

こつぶたけ

2013-10-17 19:16:25 | キノコ
ちょっとキノコ探してみたんだけど……

なんにもない!

生えてんのは松の倒木に生えてるマツオウジとチャツムタケ。地上にキノコの姿ほぼなし。いつまでも夏みたいな気温が続くからだよぉ。土曜日の一般参加の観察会どうしよ。間が持たん(-_-;)

昨日あたりからようやく朝冷え込むようになったから、それに賭けるしかないかー。

コツブタケは松の木の下によく生える石ころみたいなキノコ。というか、石ころにしか見えん。こんなでもマツにとっては頼りになる重要なパートナー。

コガネキヌカラカサタケの炊き込みご飯

2013-10-15 19:50:58 | キノコ料理
ふたたびコガネキヌカラカサタケを入手できたので、今度は炊き込みご飯を作ってみた。

ただご飯に炊き込むだけでも良かったんだけど、「ご飯がコガネ色に染まらないだろうか」というささやかな期待があったので、一度鍋で煮立ててから、その煮汁を使ってご飯を炊いてみた。



鍋。濃縮3K汁。きわめてアヤシイ。魔女が「ヒッヘッヘッヘ……」とか言いながら、かきまぜていそうである。

こうして五分ほど煮たてて冷ましたのを、といだお米に汁ごとそそぎ入れ、お酒を少し、塩を少しと、分量に足りない水を足して、お釜にセット。さーて、どんなになるかなー?



できた!名付けて3K飯(サンケーめし)!思ったほど黄色にはならんかったけど、おいしそうだからまあいいや!

お味の方は……うほー!すごいダシの濃さ!っていうかちょっと濃すぎ?(笑)
おいしいんだけど、おかずも含めたトータルバランスを考えると、かなり無謀な味と言わざるをえない。普通の炊き込みご飯の脇役として働いた方がいいかも。

刻んで冷凍保存などして、ダシとして少しずつ使うのが3Kの正しい使い方だろうなあ。

おっと忘れてた。安全性についての責任は負いかねますヨー。


参考
コガネキヌカラカサを食べてみた
コガネキヌカラカサタケ料理