月刊 きのこ人

【ゲッカン・キノコビト】キノコ栽培しながらキノコ撮影を趣味とする、きのこ人のキノコな日常

光るキノコを見に行った1

2009-06-29 20:51:34 | イベント
長年の念願だったシイノトモシビタケツアーに参加することになった。

シイノトモシビタケとは知る人ぞ知る「発光キノコ」。奄美や八丈島、紀伊半島の一部など、日本のごく一部でしか確認されていない珍しいキノコだ。しんと静まりかえる夜の森、漆黒の闇にぼんやりと浮かびあがる神秘的なランプ……キャー、ステキ!(暴走)

キノコの質・量ともに東日本に圧倒的に劣る三重地方だけど、このキノコに対する立地だけはゆずれないもんね~

ということで、出動、出動!

威勢だけはいいけど、基本的には金魚の糞みたいにくっついていくだけ。長い道のりなのに車まで乗せてもらってホント申し訳ありません。お世話になります。

尾鷲の旅館で夕食後、キノコ観察に出発、終わったらそのまま旅館で宿泊、という計画。

宿泊先の尾鷲シーサイドビュー。



豪華とは言えないけど、よそよそしくない清潔さ、っていうんだろうか、親近感を感じる。安心して泊まれそうだ。



旅館の名前にもあるとおり、海の眺めが良い。沖縄の海みたいに美しいってわけじゃないけど、釣り船や湾奥の街並みに人のにおいが感じられ、とても落ち着く。時間帯や天候によって刻々と表情が変わる水面を眺めているだけで時間が過ぎていく。宿泊客には釣り人も多い。



さかな、うめー。

げふっ、食いすぎた。ヤバイ、動けない……


慈雨・延長戦

2009-06-26 19:21:54 | キノコ
よし、せっかく新しい所に来たんだし、グルッと一回りしてこよう。とりあえずはあの竹林のあたりから……



うげっ、大ラッキー!いきなりキヌガサタケ発見。さえてるなー。

1、2、3……7本も生えている。普通は朝早くじゃないとダメなキノコだけど、まだなんとか頑張っているな。う~ん、でも白い網レースがしなび気味で、だらんと垂れ下がっているし、光の状態も平凡、イマイチだね……

それでも緑の竹林をバックにすれば、なかなかの絵になる。「キノコの女王」の称号は買いかぶりだと個人的には思うけど、竹林とセットになっていることに、このキノコの被写体としての旨味があるよね。



さー、次、次。遊歩道沿いに攻め上がると、出ました定番のウッドチップ。なんだかよくわからないキノコが輪を描いて踊っている。特徴が少なくてわかりにくいけど、ツバナシフミヅキタケ、かな?
怪訝(けげん)な目の犬散歩おじさんが目の前を通過。「エヘヘ、こんにちは」と照れ隠しの挨拶もほどほどに撮影。ん、思ったよりいいね。でも残念、ちょっとピント甘い。



こりゃお見事。このキノコはあれだな、えーと、あれ?なんだっけ?しまった、わからん……ぬめりはなし、柄は強靭でささくれ気味、つばは(多分)なし。ひだは褐色、胞子紋も褐色だからモエギタケ系だと思うんだけど……不覚。ちゃんと調べとくんだった。

空の白トビで大減点だけど、絵としちゃ悪くないな。



カレバキツネタケで〆。地味だけど群生するので撮りやすいキノコだ。……う~ん、曇りの日は失敗がないけど傑作もないね。ストロボとかうまく使えないかな……このままじゃ、のっぺりしてて面白くないもんねー。今後の宿題。

以上、足でかせいだ4カットでした。

慈雨5

2009-06-25 19:12:00 | キノコ


今回の戦果。採取したのは40種ほどだった。ハナオチバタケやサクラタケなどの小型キシメジ類をはじめ、ベニタケ系(クロハツ近縁、ニオイコベニ、チョウジチチなど)イッポンシメジ系(シロイボ、ヒメコン似など)あとは硬質菌(ハチノス、センベイなど)、他にナヨタケ系とか腹菌とかがチョロっと。大物ではツエタケ近縁種とヌメリニガイグチが。テングタケ類は皆無だった。

そういえばこんなのも採れた。



珍菌・ヒメカンムリツチグリ。

ていうか、小さっ!珍しいというより、見つけられないだけなのでは……これを最初に見つけた人は神の目を持っていると思う。ちなみにこれは去年の残骸で、今年の発生はこれからだそうな。

……さてと、これにて本日は解散。おつかれさまでした。

ムム、まだ時間があるぞ……

慈雨4

2009-06-24 19:03:09 | キノコ
「おーい」

遠くから声がする。本隊からずいぶん離れてしまったようだ。でも、はぐれたくらいで呼んだりはしないのが習わし……もしかして大物が見つかったのか?

ノボリリュウをかなぐり捨てて直行する。



おほー、いたいた。倒木の上、硬質菌の類だ。

大きい。ろうと状のキノコが根元でくっつき合うようにして重なっており、そのひとつひとつは15センチほどの広がりを持っている。う~ん、見たことないキノコだなぁ。

広葉樹の倒木上。肉は1~2㎝ほどの厚みがあり白色、しっとりしており、柔軟だけど強靭。ゴムみたいだ。孔口は小さく多角形~不定形、大きく乱れる場所もある。管孔の長さは5mm強、傘の肉と半々くらいの長さ。形はまったく違うけど全体的な印象はシロカイメンタケに似た感じ。香りも温和でマスタケに似る。ひょっとしたら食えるかも……

このあと散々調べたけど手がかりまったくなし。こんなにデカイのに属名すらわからないなんて~。

この日、家に帰ったあと、リベンジと称してコイツをすまし汁に入れて食ってみた。包丁で切れない時点で食べることはあきらめていたが(噛み切れない)、濃厚なダシが出て、なかなかのお味。
しかもこのダシがら、天日で干したらすごいいい香りがするぞ……まるで干しシイタケのような……こりゃ、とんだ拾いものをしたかも。

キノコはいろいろな発見があって、ほんに面白いですな~(良い子はマネしない)

慈雨3

2009-06-23 19:27:58 | キノコ
専属カメラマンのあまりの迷走ぶりに見かねたのか、きのこ会の方がヒメカバイロタケを恵んでくだすったので、それで遊ぶ。朽木から剥がれ落ちた状態だったので、思案したあげく、適当なところに置いてキノコの真下から撮ることにした。



ムフフ、お試し撮りでこの写り、役者が違うね。ヒメカバでいつかベストショット撮ってやる。

おっと、ようやくキノコっぽいのを発見。あやうく踏んづけるところだった。



ノボリリュウ系統だ。マニア好きのしそうな姿形だが、あいにく私の趣味ではない。ナガエノケノボリリュウとの鑑定だが……ナガエノチャワンとどう違うのか……う~む、手に負えん。

とてもきれいな鞍型をしている。ナポレオン・ハット型と言ってもいいのかな?ちと違うか。


慈雨2

2009-06-22 20:36:34 | 動物
この日集まったキノコ会の方々の後ろにくっついて、さっそく林内に進入。

おおっこれは! ていうかキノコなんにもない!

目を凝らして見るとチビッちょいキノコが微妙に生えてるけど、一本ずつ、ちょちょちょいと。う~ん、撮影にはちょっと……
作戦変更。「撮れるものは何でも撮る」これだ!ま、カメラの練習も兼ねて、ね。まだ使いこなせないのよね、今のカメラ。

お、イトトンボ発見!すかさず撮影だ!



持ってきた三脚が短足なので、《使えないヤツだ》などと一人つぶやきながら手持ち撮影。望遠レンズ装着でちょっと遅めのシャッター速度(1/15秒)なのがかなりつらかったけど……まあまあなんでないの?
帰ってから調べたところオオアオイトトンボらしい。そっくりのアオイトトンボは目がブルーだそうで。

さあ、お次は……



おわー、出たー!マ、マムシ~

なんちゃって、実は極小サイズの子マムシ。ほぼ手のひらサイズ。子どもの分際でいっぱしに警戒態勢をとっていたけど、私は完全にナメきって30センチまで近寄って撮影。これって危険?

いやー、それよりも。マムシの出現にわずかの動揺も見せないキノコ会の面々に感心いたした次第でござりまする。

いけね、ちゃんとキノコさがそ……

慈雨1

2009-06-21 21:56:37 | キノコ
蒸し蒸しして万人に嫌われる梅雨もキノコ撮りにとっては恵みの雨。

まさしく梅雨といった見事なドンヨリ空模様の下、今週末も出撃。基本的にあんまり期待しちゃいないけど、先週よりマシだろう。

今回は某公園内の林地。個人的には初めての場所だ。竹林もまじえた典型的な雑木林だが、ここも下草が茂って随分荒れている。今度から鎌も持っていくことにしよう、ひどすぎる……

……とりあえずヒナノヒガサ(性懲りもなく)


今年度初のきのこ観察会4

2009-06-18 21:11:04 | キノコ
今回の戦果。

不作ながらも30種類以上が集まった。しかし量的に言えばやはり寂しい。

定番の硬質菌をのぞけば、メインは地上生の小型菌(モリノカレバタケ、キツネタケなど)とベニタケ類(ドクベニダマシ)、ニセショウロの仲間などだったが、それでも量的には知れている。
テングタケ類やイグチ類はさすがにまだ早いらしく、アミタケをのぞき、ほぼ見られなかった。

ここの林は下草が多くて撮影が難しく、あんまり好きではないのだが、これだけアカマツが生き残っている場所はなかなかないので、ちょくちょく見ておきたい。

でもここの松もだいぶ弱ってんな……あと10年持つかどうか。

今年度初のきのこ観察会3

2009-06-16 22:56:44 | キノコ
腹菌発見。いやー、あいかわらず撮りようがないな。え?どこにあるかわからない?右下の石コロみたいなやつだって。存在感うすくてゴメンね。
直径3~4センチ。この類は色や形だけで種類まで絞りこむのは不可能。だいたいの見当をつけて満足するしかない。これはニセショウロの仲間らしい。

ちょっとアカデミックな話なんだけど、分類学上の腹菌類というグループは最近、解体されたんだそうで。今まで、いっしょくたにしていたキノコたちが、じつは全然ちがう来歴を持っていたということが遺伝子解析でわかったらしい。ホコリタケがハラタケ目、ショウロがイグチ目、てな具合で。

そういえば私の卒業論文も遺伝子の系統分析だったな……正直、遺伝の細かい原理がチンプンカンプンでも、系統分析だけなら手を動かしていればできる。いやー、ウルトラ地味な作業だよ。よく重大事件の犯行現場なんかで捜査員がピンセットで髪の毛とか探しているけど、あんな感じ。「こんな作業、他のヤツにやらしとけよ」と心では思うけど、そんな物好きな「他のヤツ」がどこにもいないので、しょうがなく自分でやっている、というところか。
バイオテクノロジーにもっとも有効なのが人海戦術だということに、逆にリアリティを感じてしまうな、私の場合。

それにしても緑色の彩度がやけに高いな……設定間違えたか?

今年度初のきのこ観察会2

2009-06-15 20:38:38 | キノコ
う~ん、予想通り、キノコの当たり、ほとんどなし。

探せば小型のキノコがチラホラとは見つかるのだが、すでに乾き気味で被写体としては条件悪すぎ。やっぱ撮影はムリさね……

一ヶ所だけ極小キノコが群生しているところを見つけた。キツネタケとヒナノヒガサ、かな?谷筋のせいか、ここにだけはまだ湿り気が残っていてキノコの状態もいい。しょうがないからコレ撮っとこ。

あまりにも芸がない写真だったので、切抜きで変化つけてみました……だから何って言われたらそれまでだけど。極小だから(直径5ミリくらい)かわいいと言えばかわいい。アレ、でもこれってヒナノヒガサか?全然違うような気が……

今年度初のきのこ観察会1

2009-06-14 22:18:39 | キノコ
今年度最初のきのこ観察会に参加した。

天気は薄曇り、日差しは強くない。強くないけど…暑い。部屋の窓をみんなふさがれて、むっとした空気が立ちこめているような感じだ。五月のさわやかな日々はもう過去のものか……

集合場所に着くと見慣れた顔ぶれが並んでおり、少しホッとする。みんな元気そうだ。問題はキノコか……梅雨入りしたにもかかわらず、三日前に一度雨が降ったきり。キノコの状態うんぬん以前に、発生そのものが期待できない状況だ。ここんとこ「梅雨入り後に雨が降らない」ってのが恒例になってるのでしょうがない。

観察場所はまだアカマツが多く残る混交林。起伏に富んでいるのはよいが、遊歩道から少し離れるとササが多く、キノコを探せる場所は限られる。ま、この際、撮影はあきらめて、なんでもいいから生えてれば良しとしようかね…

インフル対策

2009-06-09 22:42:09 | キノコ創作
「おい、かるし、マスクなんてしてどうしたんだい、花粉症か?」

「バカ言え、新型インフルエンザ対策だって。巷で流行ってるだろ?」

「ん、もう収まったと思うけど……キノコがウイルスに罹るのか?」

「そりゃもう。こう見えてもデリケートなキノコなんだから。」

「ひとつ聞いていい?」

「なに?」

「そのマスクのゴム、どこに引っ掛けてんの?」

「ギク……それはその、えーと……ウッ」(かるし、感染したフリ)

「コイツ……滅菌してやろうか……」




マスコットキャラ紹介

2009-06-06 19:32:42 | キノコ創作
まだヒマなうちにプロフィールのとこで使用してるキモカワ系キャラクターを紹介する。

その名も「かるし」!

この妙な名前はアイヌ語でキノコの意。ホントは「タケシ」「タケゾー」あたりが無難なんだけど、ま、名前くらいはひとひねり欲しいからね……

キャラそのものはパクリ。縄文か弥生かの遺跡で発掘された土器の類で、民俗学系の本(『松茸』だったかな?)に載ってたのをコピーした。著作権は時効だと思う(作った本人2000年くらい前に死んでるし)。よくよく見るとかなりアヤシイ形をしているが、見ようによってはカワイイ……かも。

時々いじくって遊ぶので、お楽しみに。(なんちゃって、楽しんでるの自分だけか…)

ビギナーズラック

2009-06-03 19:45:05 | キノコ
特にネタがないので、昔の話を。

キノコの撮影をはじめたのは6年前の5月ごろだった。初購入したデジカメを持って軽い気持ちで近所の林に入ったその日、最初に見つけたのはアカマツの倒木に生えていたヒメカバイロタケの大群だった。
直径1メートル近くはあろうかという巨大な倒木に、一万本ちかくあろうかというほどびっしりと小さなキノコが。木漏れ日を透かしただいだい色の傘が美しく、木の葉やコケの緑色とひきたてあって、それはもう壮観だった。

ヒメカバイロタケは雑木林で見かけるごく普通のキノコだけど、これほどの群落にはそれ以来、一度も会っていない。

ビギナーズラックというのを素直に信じる。


……ヒメカバイロタケは「普通に生える・たくさん生える・緑に映える」の条件を満たす数少ない撮影向きのキノコ。ひとつひとつが小さいので、撮影にもさまざまなバリエーションが楽しめる。個人的にはやっぱりボケ味を効かせて撮るのが理想だな……こんな感じ