月刊 きのこ人

【ゲッカン・キノコビト】キノコ栽培しながらキノコ撮影を趣味とする、きのこ人のキノコな日常

くろのぼりりゅう

2018-11-14 21:38:57 | キノコ
キノコ界で一番カッコイイ名前という呼び声の高い「ノボリリュウ」の黒バージョン・クロノボリリュウ。

今まで出会ったことがなかったが、今年は当たり年だったのか、それとも今まで気づかなかっただけなのか、2回ほどお目にかかる機会があった。

クロアシボソノボリリュウには頻繁に会うけど、こちらはあまり見かけない。
こうして見るとなかなか美しい造形をしている。

無印のノボリリュウは白色で、形はさらに複雑、大きさもずっと大型になる。普通種のはずだが東海地方ではほぼ(まったく?)見られない。

すえひろたけ

2018-11-08 00:37:21 | キノコ
天下無敵のド普通種・スエヒロタケ(・・・だと思う)。

家の近くから山奥にいたるまでどこででも見かける。全世界的に見ても、もっともありふれたキノコのひとつのようだ。

もっとも特徴的なのはヒダ。乾燥すると一枚のヒダがパカッと割れて2枚になるのだ・・・が。
この写真のはまったくそのように見えない。そのへんがひっかかってスエヒロタケ「だと思う」になっちゃってるのよね。

生えたてフレッシュでしかも雨上がりだったからなのか?ほかの特徴はどう見てもスエヒロタケだしなぁ。当たり前のキノコすぎていちいち観察していないのがバレバレだぜい(´Д`)


ヒダは意外に美しい。

また、「スエヒロタケ感染症」を発症することでも有名だ。いわゆるキノコの仲間が人間に対して病原性を持つことは非常に珍しい。

肺の粘膜の損傷部分に胞子が入りこむことでアレルギー性の気管支炎や肺炎などの症状を引き起こし、これが長期間続く。
今のところ発見症例はたかだか数十例に過ぎず、スエヒロタケの発生頻度を考えればさほど恐れるレベルではない。ただ、いまのところ国内で診断できるのが千葉大のみであり、しかも診断が難しいことを考えると、潜在的な患者はずっと多いのかもしれない。気をつけるに越したことはない・・・
といっても、スエヒロタケの胞子なんてそれこそどこにだって浮遊しまくっているので、避けるなんて不可能だよねー。自身の抵抗力を高めるしかありませんな。


ちなみに、菌類は多くの動植物と違って4種類以上の性別を持つものがあると知られているが、スエヒロタケには28000以上の性があるらしい。どういうことなんだ??相手見つけるのがすんごい大変じゃないのか・・・?
でもそれでこの繁栄ぶりなんだから、余裕なんだろうなぁ。









くろはなびらたけ

2018-11-05 23:45:21 | キノコ
あまりにも写真映えがしないので記事にするべきか迷ったが、そんなことを言っていると永遠に取り上げなさそうなので・・・クロハナビラタケ。

見た目は乾いたキクラゲ類っぽい印象だけど、じつはビョウタケとかオオゴムタケとかと同じ子嚢菌の仲間。担子菌であるキクラゲ類とは根本的にグループが違う。
平たい皿型のキノコがこれでもかってくらいにそっくり返ってる、とイメージしてもらったらいい感じ。

こう見えても有毒種で、毒性はまあまあ強力らしい。中毒報告は調べても見つからないので、どうやって有毒と判明したのかナゾだ。干からびたキクラゲやクロハナビラニカワタケと間違えて採取しないようにしないと・・・でも水に戻す段階でさすがに気づくよねえ。まっ黒で透明感がまったくないから。

広葉樹の枯れ木に発生、硬さのおかげか、秋~冬に発生し始めて梅雨まで粘るようだ。
いくら地味なキノコとは言え、さすがにあんまりな写真すぎるので、もうちょっとマシな写真を撮ってもう一度記事にしてやりたい。






ひろはちゃつむたけ

2018-11-01 23:50:33 | キノコ
名前のついていない黄色い傘の木材腐朽菌。パッと見た印象はゴツくて黄色いツバ無しナラタケ、あるいはやけに小さいキサマツモドキ。

『北陸のきのこ図鑑』で「ヒロハチャツムタケ(池田氏仮称)」と呼ばれるもの、あるいは伝説のアマチュアきのこ専門家・青木実が「ハグロチャツムタケ(仮)」と名づけたものと同じかもしれない。


広葉樹の枯れ木上に束生、傘は黄色で表面は繊維状、フチは内側に巻きこむ。柄も傘と同じ色で繊維状。ただし、図鑑には「基部に白色綿毛密生」と書かれているが、それは見当たらない。


ヒダは密、傷つけると暗褐色に変色するのが大きな特徴。

これが本当にヒロハチャツムタケであるかはさておき、別の場所でも見たことがあるので、そんなに珍しいキノコではなさそうだ。